前田敦子のTVでの演技は「下手」なのか?日本のTVが求めるオーバーアクト
<前田敦子とTV演技①> 前田敦子の自動車事故は災難だったけれど、TVドラマ「ど根性ガエル」の演技も、なぜか叩かれているらしい。この番組での前田敦子の演技は、特に批判されるようなものではないので、別の思惑があるのだろう。ただし、気になった事もあるので、少し考えてみた。 #前田敦子
2015-07-26 11:24:30<前田敦子とTV演技②> だいたい、前田敦子の演技の良し悪しなんて「もらとりあむタマ子」迄で結論が出ている話だ。今年の「イニシエーション・ラブ」の成功の後でも、相変わらず叩いているのは、演技の巧拙なんて判らない人間が、AKB出身者への反発で条件反射しているに過ぎない。 #前田敦子
2015-07-26 11:27:22<前田敦子とTV演技③> ただし、前田敦子は演技者として器用なタイプではなく、今のTV的な演技(ハッキリ言えばオーバーアクト)が、余り得意ではない。「ど根性ガエル」はコメディな上に、基本がかなりオーバーだから、視聴者がそこに違和感を覚えている側面はゼロではないと思う。 #前田敦子
2015-07-26 11:29:31<前田敦子とTV演技④> これには演出意図もある。前田敦子演じる京子は、主人公のひろしがいずれ向き合うべき「現実」の象徴だから、他の共演者の演技より自然であるべきなのだ。もう一方の現実の象徴である、ゴリライモこと新井浩文も、大げさな演技をしていない事に注目して欲しい。 #前田敦子
2015-07-26 11:31:19<前田敦子とTV演技⑤> 「ど根性ガエル」はコメディだけれど、シリアスなドラマを観ても、今の日本のTVドラマの演技の基本線は、かなりオーバーだ。前田敦子は積極的な動きの芝居よりも、受けの芝居でより魅力を発揮するタイプなので、今のTVドラマにフィットしにくいのは確か。 #前田敦子
2015-07-26 11:33:44<前田敦子とTV演技⑥> その意味で、前田敦子は映画をメインに活動した方が良いと思うけれど、時々はTVに出ておかないと、世間的には「落ち目になった」と捉えられてしまうリスクがある。だから、オーバーな演技が求められるTVドラマ出演を、どうこなすかが、今後の課題だと思う。 #前田敦子
2015-07-26 11:35:40<前田敦子とTV演技⑦> 今の、日本のTVにおける演技は、かつてより明らかにオーバーになった。日本映画には、TV的なオーバーな演技と自然な演技が混在している。昔は、中国や韓国の映画やドラマを観ると「演技がオーバーだな」と思ったものだけれど、完全に逆転してしまったね。 #前田敦子
2015-07-26 11:37:34<前田敦子とTV演技⑧> 中国や韓国の役者の演技が自然になって来たのは、世界市場を意識しているからだ。一方で、日本の役者の演技が次第にオーバーになっているのは、日本社会全体が「内向き」になりつつある傾向と無縁ではない筈で、そろそろ真剣に向き合った方が良い問題だと思う。 #前田敦子
2015-07-26 11:38:53<前田敦子とTV演技⑨> 日本映画でも国際映画祭などを意識した映画は、決してTV的なバカバカしいオーバーアクトはさせない。世界に通用するものではないからね。実力のある役者は、その辺を割り切っていて、映画的な演技とTV的な演技を使い分けている。前田敦子にもそれが欲しい。 #前田敦子
2015-07-26 11:43:54<前田敦子とTV演技⑩> だから、前田敦子が今のTV的なオーバーな演技に馴染めないのは、全く恥ずかしい事ではないけれど、日本の芸能界で生きていくには、使い分けが出来るに越した事はない。とりあえず、商業演劇の舞台の仕事を少し増やしたらどうだろうか?と思ったりする。 #前田敦子
2015-07-26 11:46:16<前田敦子とTV演技⑪> 基本的には、映画の演技は「内に込める」もので、舞台の演技は「外に向かって動く」ものだから、舞台の基礎がある人は、オーバーアクトを求められても、バカバカしくならずに、しっかり演じることが出来る。前田敦子さんは、そこは未だちょっと苦手ですよね。 #前田敦子
2015-07-26 11:48:42<前田敦子とTV演技⑫> 私は「ど根性ガエル」の前田敦子はチャーミングで良いと思う。決して下手じゃないよね。下手だと言っている人は京子に「異質さ」を感じているだけで、それは京子が、ひろしが向き合うべき「リアル」だからだよ。 #前田敦子 pic.twitter.com/V2PFBxDLCk
2015-07-26 11:57:05<前田敦子とTV演技⑬> ただ、前田敦子が、TVより観客の画面への集中度が高く、従ってリアルで静かな演技が可能になる「映画」に向いた資質であることは確かだと思う。日本のTVドラマにも、以前はそういう演技を求める作品があったのだけれどね。そろそろ復活して欲しいな。 #前田敦子
2015-07-26 13:32:29<前田敦子とTV演技⑭> 前田敦子さんの演技の資質については、大島優子さんとの対比で、以前「女優、前田敦子と大島優子『スタータイプとアクタータイプ』」というまとめを作ったので、興味のある方は、ご一読ください。 togetter.com/li/797026 #前田敦子 #大島優子
2015-07-26 13:40:49ドラマの失敗は、脚本が悪かろうが演出がダメだろうが、主演俳優の責任にされがちだ。しかし「ど根性ガエル」というドラマの失敗を、主演でもない前田敦子のせいにするのは無理がある。松山ケンイチは叩けないけれど、元AKBなら大丈夫ってことか。 wjn.jp/article/detail…
2015-09-23 08:12:48「ど根性ガエル」における前田敦子の演技は、悪くはなかった。率直に言えば、本来なら、批判も絶賛もされないレベル。しかし、前田敦子がテレビに出た時は、そのレベルだと「叩かれる」ということだ。プロダクションはそれを前提に、前田敦子のTVドラマ出演については、もっと戦略を練った方がよい。
2015-09-23 08:25:29私自身は、ドラマ「ど根性ガエル」については語る資格がない。というのも、第8話の途中で観るのを止めて、そのあと観直していないからだ。(これから頑張る) 「だって、つまんないんだもん!(©柏木由紀)」 正直、たとえ前田敦子が出ているにしても、あの脚本と演出では、見続けるのが辛かった。
2015-09-23 08:53:53@uw_susu まぁ、仮に京子を板野友美が演じていたら、面白かろうがつまらなかろうが最後まで食い入るように観ていた筈だから、私がそこまであっちゃんファンではなかった、という事なのか。 今、冗談で書いたけれど、京子を板野友美があの口調とキャラで演じたところを想像すると可笑しいね。
2015-09-23 09:11:47芸能ジャーナリズムって、本来は「芸能のプロ」であるべきなのだが、実際は演技のことなんか何も知らない(知ろうともしない)人間が、適当に良いとか悪いとか言っているだけなんだよね。彼らが関心を持つのは、芸能界の人脈とかプロダクションの力関係とかゴシップであって、芸能そのものではない。
2015-09-23 09:20:39「ど根性ガエル」の前田敦子の演技について、「他の出演者と演技のトーンが異なる」「前田敦子が前田敦子に見える」という2点が「批判」として挙げられているけれど、これは両方とも批判には当たらない、筋違いなものだ。 それについて、ご説明しておきたい。
2015-09-23 09:45:23@uw_susu 映画やドラマの芝居は、主演が動きの演技をしたら脇役が静の演技で受ける、という形でバランスが作られる。「ど根性ガエル」は主人公のヒロシを始め、かなりオーバーアクトだけれど、全員が動きの演技をしたら芝居にならない。前田敦子と新井浩文が抑える演技の役目を担っている。
2015-09-23 10:38:25@uw_susu なぜ前田敦子と新井浩文が演技を抑えたかと言うと、二人の役はヒロシが向き合って成長すべき現実であり、他のオーバーアクトの共演者は、ヒロシを甘やかす懐かしい過去だからだ。この演出プランは正しいと思う。ただ、その後のドラマは、ヒロシの成長ドラマになり切れなかった。
2015-09-23 10:46:43@uw_susu 「前田敦子が前田敦子に見える」というのは、彼女がスター・タイプである証拠である。スター・タイプは、まず自分自身であることによって魅力を発する。分かり易く言えば「自然体の演技」で人を惹きつけるのがスターなのだ。ただし、スター・タイプはTVよりも映画に向いている。
2015-09-23 10:57:49@uw_susu 暗闇の中で巨大なスクリーンを見つめる映画の演技と、日常の猥雑物の中にある小さな画面を見るTVの演技は違う。映画ではほんの小さな表情の変化で多くを伝えられるが、TVでは良く判らない。TVの演技はハッキリと前に打ち出さなければならないが、それは映画では過剰すぎる。
2015-09-23 11:05:06@uw_susu 高倉健、吉永小百合、菅原文太といったスター・タイプの役者たちは、常に彼ら自身だった。けれど、演技が下手だった訳ではない。 彼らは「大袈裟な動きの演技」よりも「沈黙」でこそ、より多くを語り魅力を発した。だから、彼らは映画にこだわった。前田敦子もこの系譜に連なる。
2015-09-23 11:13:22