「集団的自衛権の行使容認」の対案:『集団安全保障の徹底』
- scidreamer
- 12403
- 110
- 0
- 1
1-2-⑥中国の経済力・軍事力が拡大していけば、いずれ世界の覇権はアメリカから中国に移る
1(28)第三に、中国の経済力・軍事力が拡大していけば、いずれ世界の覇権はアメリカから中国に移る。そうなってからでは遅い。日本にはこの近隣国を抑える方法はなくなるだろう。
2015-08-02 16:30:461(29)アメリカの軍事費は今のところ世界一だが、減少傾向にある。対して、第二位の中国は拡大を続けている。(ガベージニュース garbagenews.net/archives/22587… )両者の軍事費が逆転すれば、中国が世界の覇権を手にするのは時間の問題である。
2015-08-02 16:31:011(30)そもそも覇権国がいつまでも覇権を維持することはできない。それが歴史的事実である。したがって、覇権安定論(=覇権国による平和)も理論的に欠陥がある。加えて、新たな覇権国が自国にとって脅威である場合には問題が大きくなる。
2015-08-02 16:31:181(31)ここで必要なのは中国に覇権を取らせないことではない。覇権国の盛衰をコントロールすることはできないからだ。必要なのは、覇権が自国にとって有利である間に覇権安定の枠組みから脱却することだ。つまり、現在のアメリカによる覇権安定から集団安全保障への移行を実現することである。
2015-08-02 16:31:382.『集団安全保障の徹底』の提案
2(2)集団安全保障とは詳しくは以下の通りだ。「まず、世界中のすべての国を一つの国際組織に加盟させ、守るべき共通のルールを定める。そして、もし加盟国の一つがそのルールを破れば、残りの全加盟国が共同で違反国の「制裁」にあたるものとする。(続く
2015-08-02 16:32:232(3)続き)そうすれば、すべての加盟国は「制裁」を恐れて、ルールを破ることはしないはずである。このルールの中に「侵略戦争をしてはならない」という一項目を入れておけば、平和は保たれる。これが集団安全保障の基本原理である。」(南英世)
2015-08-02 16:32:382-1.集団安全保障の特長
2(5)第一に、集団安全保障は勢力均衡論に代わる新しい平和への枠組みである。勢力均衡論は既に破綻しており、それを前提とする集団的自衛権も破綻している。集団安全保障はそれらに代わる枠組みとして考案されたシステムである。
2015-08-02 16:33:092(6)第二に、集団安全保障は世界の平和を実現する。集団的自衛権はアメリカやロシア(旧ソ連)といった大国の軍事介入の権利として濫用されてきた。それに対して、集団安全保障は各国の独断での軍事介入の権利を認めていない。軍事介入はあくまで国際連合の判断で行われる。
2015-08-02 16:33:282(7)第三に、集団安全保障は集団的自衛権と両立し得ない。「集団的自衛権は、米国の特権的な軍事介入の権利を認めることにより、米国への依存を強め、国連の集団安全保障を阻害して、国連の影響力を弱めています。」(marosajp)
2015-08-02 16:33:442(8)第四に、集団安全保障は日米同盟よりも抑止力が高い。日米安保条約はアメリカに義務のない「宣言」に過ぎず、抑止力が疑問視される。対して、集団安全保障では、日本を含めた各国は国連に加盟する全ての他の国から防衛してもらう権利を有する。
2015-08-02 16:34:012(9)第五に、集団安全保障は日本のアメリカへの依存を断ち切ることができる。上述のように、集団安全保障は国連に加盟する全ての国の相互依存の枠組みであり、現状のような対米依存から脱却することができる。
2015-08-02 16:34:162(10)第六に、集団安全保障は覇権国による支配を排除できる。集団安全保障は、たとえある国の国力が世界一になって侵略行為を始めたとしても、その他の全ての国でこれに協同して対抗することを可能とする。これは各国が独自の戦略で動く集団的自衛権では実現できないことである。
2015-08-02 16:34:312-2.『集団安全保障の徹底』の実現のために
2(12)第一に、国連軍の整備が必要である。「集団安全保障は、違反国に対する武力制裁を前提として初めて機能しうる制度である。」(南英世)
2015-08-02 16:35:022(13)第二に、5大国の拒否権を廃止する必要がある。「5大国が拒否権を乱発すれば、安保理事会は機能麻痺に陥ってしまう。」(南英世)
2015-08-02 16:35:162(14)第三に、各国が独自に武力行使する権利と能力を放棄し、これら国連に移譲することが必要である。特に「アメリカやロシア・中国などの大国を(中略)制裁できない」(南英世)のは軍事力が強大だからであろう。その他の国々が結集して、大国の軍事力を縮小する必要がある。
2015-08-02 16:35:353.最後に:日本と世界の平和に向けて
3-1.南英世の指摘:「国家」や「国益」という概念を問い直す