山口大学・高橋征仁教授による茨城・千葉県住民の意識調査結果をめぐって
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著者は2つ目のモデルに「震災後の子供の体調変化」→「BIS得点(回答者の不安傾向の強さの指標)」の順に独立変数を追加し、前者を追加すると説明力を表す決定係数R2が有意に増大したけれど、後者をさらに追加してもR2は全く変化しなかったので放射能不安症の非難はあたらないと主張(続く)
2015-10-15 21:39:45(続き)しかし、もし2つの独立変数の追加の順序を逆にして「BIS得点(回答者の不安傾向の強さの指標)」→「震災後の子供の体調変化」とした場合、BIS得点追加後の決定係数R2の変化は果たしてどうなっていただろうかと私は思います。ひょっとしてこの場合ならR2は有意に増大したのでは?
2015-10-15 21:47:30ともあれ「震災後の子供の体調変化」は、ひとたび追加されると一番影響力が強い(=標準偏回帰係数が大きい)独立変数に躍り出ています。 pic.twitter.com/8iKgzact81
2015-10-15 21:55:39論文bit.ly/1jnRdpU の中では全く触れられていませんが、「震災後の子供の体調変化」(調査票の設問13、複数回答可で「とくにない」回答が70.5%)と「BIS得点(回答者の不安傾向の強さの指標)」の相関関係もチェックしてほしいポイント。
2015-10-15 22:07:36図10は常総生協のニュースレターbit.ly/1VWDftS にも収録されている重要な図で、見方はちょっとややこしいですが情報量は多く興味深い。 pic.twitter.com/lXahPXKnVb
2015-10-15 22:25:20図10の黒丸はある問いに「はい」と答えた人、白三角は同じ問いに「いいえ」と答えた人の傾向です。4つの白四角は幼稚園の子供がいる人の傾向。千葉の常総生協組合員の傾向は、千葉の私立幼稚園児の保護者やパルシステム千葉組合員の傾向と大違いpic.twitter.com/lXahPXKnVb
2015-10-15 22:48:44図10で一番右上に近い(=居住地の汚染状況のリスク認知度が高く、現在行っているリスク低減活動の数が多い)のは、「震災後子供に体調変化があった」人と「震災後放射能汚染への対応を巡って配偶者との関係が悪化した」人。pic.twitter.com/lXahPXKnVb
2015-10-15 23:13:10図10がリスク認知・リスク低減活動と回答者の心理的反応の関係を見たのに対し、図11はリスク認知・リスク低減活動と回答者の現在の情報源、閲覧紙の関係を検討。一番右上から順にメーリングリスト、Twitter、専門家のブログ(!)。(続く) pic.twitter.com/X3iElTFbuk
2015-10-15 23:18:20(続き)閲覧紙で一番右上に近い位置(=居住地の汚染状況のリスク認知度が高く、現在行っているリスク低減活動の数が多い)に来るのは東京新聞、次が常陽新聞。茨城県には地元紙が常陽新聞(茨城県南部をカバー)と茨城新聞(本社は水戸市、全県紙)の2つありますが、閲覧者の傾向が全く違います。
2015-10-15 23:28:18ちなみにメーリングリスト、Twitter、専門家のブログの利用者はそれぞれ3.7%、3.7%、14.0%(問25の回答)、東京新聞と常陽新聞の読者はそれぞれ8.7%と1.7%(問26の回答)。(論文bit.ly/1jnRdpU p.65)
2015-10-15 23:38:05著者はBIS得点=回答者の不安傾向の指標を表4 pic.twitter.com/2EO4QRotji と表6 pic.twitter.com/QJ815PKg3iでだけ使い、「過剰な不安をベースに母親たちのリスク低減活動を説明することはできない」という主張の裏付けにしようとしていますが(続)
2015-10-15 23:47:47(続き)BIS得点が高い人と低い人に分けてリスク認知・リスク低減活動を図10の上に表示したらどうなるのでしょうね?pic.twitter.com/X3iElTFbuk
2015-10-15 23:49:43最後にこのアンケートの設問10(震災直後の情報源)と25(現在の情報源)bit.ly/1Ms6kp2 の選択肢は情報の中身を不問に付しており(専門家ブログなら誰のブログか?Twitterなら誰のアカウントか?)、これで回答者の情報リテラシーを測れるとは思えない
2015-10-16 00:02:02なお震災後の変化を問う設問15のf「チェルノブイリの原発事故について、自分から勉強した」も具体的な内容を不問に付していますが、常総生協では核戦争防止国際医師会議(IPPNW) ドイツ支部の資料「チェルノブイリの健康影響」を翻訳bit.ly/1Ms7y3G (続く
2015-10-16 00:15:05(続き)この資料「チェルノブイリの健康影響」のオリジナル英語版bit.ly/eVp6NK を見ると、第1章の前に「WHOとIAEAの公式データの信頼性欠如について」という項が置かれていることからも、内容は推して知るべし。
2015-10-16 00:21:14また常総生協は映画「チェルノブイリ・ハート」のDVDを組合員に貸出し(2015年3月15日付けニュースレターbit.ly/1Ms91XQ 最終ページ)。パルシステム千葉もこの映画の上映会を2012年12月1日に開催bit.ly/1Ms895k
2015-10-16 00:35:19ちなみに(すでにご存知の方もおられることと思いますが)映画「チェルノブイリ・ハート」は、京大原子炉研の今中哲二助教をはじめ、原発反対を表明している複数の人から「事実を正確に伝えたものではない」として批判を受けていますbit.ly/1VUyH9G
2015-10-16 01:01:26論文全体を通読し、特に図10 pic.twitter.com/lXahPXKnVb を見ると、事故3年半後もリスク認知度が高く、リスク低減活動を続けている人は「放射能のことは人前でしゃべらない」と決めた人、逆の人は「放射能のことはなるべく考えないようにする」と諦めた人と考えている模様
2015-10-16 01:20:12どうやらこの論文の著者の頭の中には、「事故後情報をきちんと更新し、状況の変化に応じて対策の必要性を自分で判断することができた結果対策を止めた人」というのは存在しないようですね。
2015-10-16 01:26:56なお著者は、2011年5月30日から6月11日の間に西日本(山口と長崎)、東京と千葉、宮城県内で大学生884人を対象にリスク認知のアンケート調査を行い、英語論文(英国人2名と中国人1名と共著)を出していますbit.ly/1VUDTud
2015-10-16 01:54:37また7月の報告会動画の中に出てきて「千葉と茨城で調査したはずなのに、なぜ福島県内定住者との比較がでてくるのか」と言われた調査(沖縄と山形への自主避難者を福島県内定住者と比較)の結果は、山口大学文学部の紀要「山口文学会志」に掲載bit.ly/1jqVclB
2015-10-16 02:28:52その後Twitterアカウントを見たらさもありなんの人でした
@parasite2006 @htakemitsu 高橋氏、ツイッタランドに棲息していました。→Masahito_T TLがこれでもか、というくらいデマッターのオンパレードでくらくらするほどです…
2015-12-07 20:16:38@monstar81053 @htakemitsu 見に行って唖然としました。なるほどああいうアンケートが出てくるのもむべなるかなですね。
2015-12-08 02:52:46