【艦これ連載SS】秋雲さんと東方小説書き提督 その4
- asagihara_s
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「あれでも横須賀の司令官だからな。アイツはシングルでいいといつも言うが、誰か傍にいないと不用心だ」 「あー、そうですね……」 木曾さんが提督に好意持ってるのは間違いないけど、提督が木曾さんに手出してる気配はないし、この2人の関係はよくわからない……。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:09:17木曾さんが部屋を出て行き、秋雲はぼすんとベッドに身体を投げ出した。 「あー、なんか余計に疲れた」 「……秋雲」 隣に腰を下ろして、菊月ちゃんが覗きこんでくる。 「うん?」 「疲れたなら……今日はこのまま、部屋でゆっくりするか」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:14:16「え? いや別にそこまで疲れてるわけじゃないけど」 「……そうか」 「なに、菊月ちゃん」 「いや……その、なんだ……」 菊月ちゃん、恥ずかしそうに顔を伏せて、 「夜はほどほどにと言われたから……昼間のうちなら、いいかと……」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:17:29あっやめてそんなダブルベッドの上で理性の死ぬ発言はやめて! 「……菊月ちゃんのえっちぃ」 「…………」 「旅先でまでえっちなこと我慢できないのぉ?」 「そ、そういうわけでは」 「もー、誤魔化さない。……しよっか?」 「……」 こくり。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:19:07はい、押し倒します。決定。 「菊月ちゃんっ」 がばっと秋雲、菊月ちゃんに覆い被さった。ベッドに散らばる菊月ちゃんの長い髪。赤らんだ頬に手を添えて、キスしちゃおうと顔を寄せ、 「秋雲ー」 ノックの音とともに、当然のように邪魔が入った。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:20:36「ず、瑞鶴?」 慌ててベッドから身体を起こし、ドアを開ける。そこには瑞鶴と翔鶴の姿があった。 「翔鶴まで、な、なにぃ?」 「あれ、ひょっとしてお邪魔しちゃった?」 「いやぁ、別にぃ……」 「秋雲さん秋雲さん」 秋雲が誤魔化していると、翔鶴が微笑む。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:23:13翔鶴の手には、何やら大きなバッグ。 「明日の衣裳合わせをしましょう」 「……衣裳合わせ? ってコスプレの?」 「はい。全員分持ってきました」 翔鶴、満面の笑みで言う。 「い、いや、秋雲はコスプレしないよ?」 「えっ?」 翔鶴、硬直。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:26:16「コスプレを……しない……? 秋雲さん?」 「な、なに?」 「そんな素材の無駄遣い、この翔鶴が許しません! 秋雲さん、せっかくのイベントで自らコスプレ売り子しないで何をするというんですか。さあ、着替えますよ! ちゃんと持ってきたんですから!」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:27:49「え、あ、いや、だから秋雲は――」 「問答無用です。瑞鶴、押さえて」 「了解」 「瑞鶴、アンタも共犯かー!」 「ごめんねえ秋雲、翔鶴姉のおもちゃになってあげて」 「……秋雲もコスプレするのか」 「菊月ちゃんも嬉しそうな顔しないでー!?」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:29:10――十数分後。 「秋雲さん、とても良く似合ってます」 「う、うーん……」 秋雲、為す術もなくお燐コスをさせられていた。 「ほら秋雲さん、にゃーんって言ってください、にゃーんって」 「にゃ、にゃーん」 「あぁ……♡ 耳と尻尾モフらせてください♡」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:31:14そうだ翔鶴ってばケモナーだった! ってコスプレさせてモフるのケモナー的にアリなのねえ? 「いやいやいや、瑞鶴止めてよー! 姉が駆逐艦襲おうとしてるのよぉー!?」 「まあ、いつものことだし」 「達観すなー!」 「瑞鶴のことは毎晩可愛がってますから♡」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:33:22「秋雲」 と、いつの間にか椛コスに着替えた菊月ちゃんが寄ってくる。 「……よく似合ってる」 「あ、う、うん……そぉ?」 「そうだ。秋雲ももっとコスプレすればいい」 「うう……自分でやるのはやっぱり恥ずかしいよぉ」 「……大丈夫だ、すぐに慣れる」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:35:44ううーん……確かに菊月ちゃんと共通の趣味を持つべきなのかもしれないけれども……。 「お燐と椛って原作だと接点ないけど、犬猫で見栄えいいね」 ニヤニヤしながら瑞鶴が言う。 「どちらかというと、太刀と猫じゃないかしら」 翔鶴、誰が上手いこと言えと。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:38:30「秋雲さんはお燐。ううん、やはり見立ては間違っていませんでした」 翔鶴、満面の笑みで秋雲の衣裳の尻尾を撫でる。うう、なんか変な気分……。 「というわけで秋雲さん」 「こ、今度は何?」 「お燐コスなら当然、猫モードもですね!」 「はっ!?」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:45:29と言って翔鶴が取りだしたのは、猫形態のお燐のでっかい着ぐるみだった。そんな衣裳どこにあったんだよ! 「さあ秋雲さん、これをきてモフらせてください♡ モフモフ、モフモフを、さあ!」 「いやモフるなら藍様の尻尾にしてよー!?」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:47:24――とまあ、そんな調子でせっかくの大阪入りだってのに、翔鶴に付き合わされてるうちにどんどん時間は過ぎていってしまったわけで……。 何やってたんだかねえ、ホント。いやまあ、椛コスの菊月ちゃんはいつもながら可愛かったからいいんだけどさあ。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2015-08-09 22:48:40呉鎮編第1話
#秋雲さんと東方小説書き提督 5ヶ月ぶりに復活の呉鎮守府編第1話 実況・感想等は #秋雲東方提督 タグでどうぞ ログ1→togetter.com/li/702739 ログ最新→togetter.com/li/857004
2016-01-07 21:23:35初めまして。呉鎮守府秘書艦、秋月と申します。 横須賀の秋雲さんに代わり、呉鎮守府のお話をさせていただきますね。 はい、呉は秋雲さんの前所属になります。提督のことは? 大変な堅物と伺ってる? はい、そうですね……。それはもう、何と言いますか……。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:29:33ともかく、ええと、どこからお話しましょうか。 そうですね……やはり、AL/MI作戦の前あたりからでしょうか。 MI作戦の準備が横須賀を中心に始められ、呉は主に調達資材の取りまとめをしていたのですが。 ある日提督から、内密の話があると言われました。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:35:17提督はいつも通り、四角い顔にしかめ面を浮かべておられました。 「秋月、参りました」 「うむ」 「内密のお話とは何でしょうか」 「……」 提督は手にしていた書類をばさりと執務机に広げ、大きく息を吐きました。随分と悩みは深そうです。 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:38:58「お前たちもあるいは薄々察しているかもしれないが、春以来、どうも南方の深海棲艦の動きがおかしい」 「……と言いますと?」 「データを見れば明らかだ。書類上、ショートランドに駐留している艦隊の交戦回数はほぼ変わらないのに、損害報告が明らかに少ない」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:40:02「……実際には交戦していないと?」 「おそらくは。だが、それが何を意味するのか――」 机に肘をついた碇ゲンドウポーズで、提督は険しい表情をしました。正直、秘書艦の身でも、眉根を寄せているときの提督の顔は怖いです……。 「まず考えられるのは、横領だな」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:42:11「資材の、ですか」 「それと戦果報酬だ。それを目当てに戦果の過大報告をしているとすれば歴とした監査事案なのだが……しかし、それでは損害自体が減少していることに説明がしにくい。本来深海棲艦はこっちの都合に構わず攻めて来るものだからな……」 #秋雲さんと東方小説書き提督
2016-01-07 21:45:42