- Eric_Ridel
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平川くんが「アンサーソング」を書いてくれました。ここが、かっこいいね。「たとえ当事者であったとしても、経験の重みとはすべて過去に属するものであり、その過去を根拠に自らの論拠の正当性を語るものは、すでに自らの代理人になるしかないのである。」
2011-01-06 08:29:54おはようございます。さて、今日から神戸でふつうにお仕事です。まずは卒論のチェックから(昨日一昨日さぼってしまいました)。それから「ぐりぐり」。帰ってから、書評の原稿。ゆうべはチャンドラー&村上春樹の『リトル・シスター』を一気読みしました。いや~読みだすと、止まらないですね。
2011-01-06 08:40:59Farewell, my lovely も村上訳が出てたんですね。知らなかった。さっそくアマゾンへ。「読みだすと止まらない本」と「ちょっと読んでは止まる本」の違いって、なんだろう。音楽だったら、「グルーヴ」っていうんだろうけれど、物語にもありますね。
2011-01-06 08:47:24「書かれることを求めている言葉」の連なりにはグルーヴがあり、「書きたい言葉」や「書かれなければならない言葉」の連なりには、それがない。ということなのかな。
2011-01-06 08:49:09『リトル・シスター』はあとがきで村上さんも書いてますけど、物語的には破綻しているんです。フィリップ・マーロウが「そんなこと知るはずのないこと」を知っているから。でも、読んでいるときは、それに気づかない。もしかすると、グルーヴはこの「フライング」と関係があるのかな。
2011-01-06 08:51:42フライングというのは、言い換えると「神の視点」を瞬間的に先取りすることなんです。そして、読書のもたらす最高の快感のひとつは、間違いなくこの全能感です。哲学でもそうです。「なんで、そんなことが断言できちゃうの?」ってことがあるでしょ。まだ証明もしていないのに。
2011-01-06 08:53:26書いている哲学者が「あ、オレ、わかったわ」ということがあるんです。わかるはずのないことがわかる。その「フライング」感が読み手に不思議な浮遊感をもたらす。マルクスも、ウェーバーも、フロイトも、レヴィ=ストロースも、そういう浮遊感を与えてくれます。
2011-01-06 08:55:02だからロックを聴くように、ハードボイルドを読むように、哲学書を読むことは決して間違っていないと思います。『悲しき熱帯』には50年代のマイルスみたいな尖ったグルーヴがあるし、『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』はあきらかにチャンドラーのテイストがあります。いや、ほんとに。
2011-01-06 09:00:51