#熱中教室 2015夏 8月23日:佐藤賢一『和算と測量術 〜正多角形の誘惑〜』
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扇つながりで長野県高遠市図書館に収蔵されている扇(実物)には数字が列記されている。これ実は三角関数表なのだとか。目当ての角度まで開けば目当ての値が求まる、一種の計算尺。さて数学遊戯はエスカレート。『塵劫記』から半世紀ほど経て1671年に『古今算法記』、方程式問題。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:26:13関孝和以前は数式を文字や記号で表せず、すべて文章だった。 関孝和の傍書法で初めて数式化。#熱中教室
2015-08-23 17:28:47塵劫記は小学生レベル、約半世紀後の「古今算法記」は大学1年レベル!しかし解けていたかというと…→1660年代に1299「算学啓蒙」の翻刻→理解が進んだ #熱中教室
2015-08-23 17:28:51方程式の構成法、天元術をつかった1299年の中国の古算書が日本で発見され1660年に翻刻。中国ではそろばんの発明以後に忘れられ、西洋式の数学がはいったあとで日本から逆輸入 #熱中教室
2015-08-23 17:29:49中国の数学書『算学啓蒙』(1299)が日本で発見され翻刻。ここで紹介された天元術(方程式のつくり方)が関孝和の目に留まり、和算イノベーションのきっかけに。和算における表記の革命、傍書法。高次連立方程式の取扱いが簡易に。1遺著『括要算法』(1712年、弟子による)。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:32:37関孝和の没年は、晩年に幕臣になっていたこともあり1708年と分かっている。1642年という生誕説はニュートンと同じ年にしようと明治に提唱されたもの。注意ね。さて、角術とは。一般の正多角形を題材とする問題群のこと。『括要算法』巻利[まきのり]で展開されている。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:36:53今回のメインの話題、角術。正多角形の内接円、外接円の半径を求める問題。 主な解説書、、、『括要算法』では方程式の形のみ。『大成算経』には公式の説明のみ。。。結局解がない!(苦笑)#熱中教室
2015-08-23 17:42:19『括要算法』には例題しかなく、同じく角術が展開された『大成算経』では例題がない(こちらは理論書で図も一つしかない、と)。関による角術法、補助線を引き、開方式(方程式)を求め解く。ここの数学的要素は中学数学でも習うレベルだが、これを組合せたインスピレーションは謎。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:42:42角術の起源とは。和算の角術は中国起源ではないらしい。中国の算術でも円周率はあった。紀元後2世紀ごろに正96角形を近似として3.14を求めている。関以前の角術、村松茂清の『算爼』(1663、ちなみに松村は赤穂藩士で子と孫が討入参加)では大まかな近似。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:51:38先生がこの分野に入った頃、年配の先生から「角術をやると、検算だけやってれば食いっぱぐれないよ」と言われたw(けど、今はもう計算機器が進化したからそんなことない) #熱中教室
2015-08-23 17:54:23いまなら「線分a, b...」みたいにするところを、「子丑寅、、、」とか、正19角形の解法にいたっては中国の星座の名前だって(全部漢字ひと文字)。かっこいい。#熱中教室
2015-08-23 17:54:24本日は #熱中教室 で講演を担当。僕は @yukinegy さんの次で、今は3番手の @ke_1sato さんが和算について熱演中。配布された江戸時代のゲームの写真。持ち手は今日の会の委員長の @hashimoto_tokyo さん。 pic.twitter.com/xookBMGFMg
2015-08-23 17:57:45佐藤先生「現在、関孝和の展開していった方程式は完全に分かる。でもその方程式に展開していった着想が分からない。。。」 なんで西洋でも東洋でも数学者は解法の途中を飛ばすんだ!(苦笑)#熱中教室
2015-08-23 17:57:55関孝和は正19角形の方程式をどのように導いたのか。線分を区別するためにそれぞれに中国の星座名「二十八宿」から26個使用している、と。各種公式を用いて、補助未知数を消去していって、最終的に平中径rと角中径Rを求める。この構成力! 関の角術は水車設計に使われた。 #熱中教室 .
2015-08-23 17:58:31