上野千鶴子先生による社会運動と性差別

上野千鶴子 @ueno_wan

SEALDsの若い女性たちのスピーチに｢未来の子ども」がしばしば登場するという。「未来への連帯」という抽象度の高いことばより、はるかに実感的だ。「自分の目の黒いうち」しか考えない態度を男の「一代主義」と呼んだのは森崎和江さんだ。

上野千鶴子 @ueno_wan

ネット上で叩かれている「エキセントリックなポストモダン新左翼ラディカル・フェミニスト」って誰のこと？仮想敵をつくってわら人形叩きをするのはいいかげんにしてほしい。ラディカル・フェミニズムは新左翼批判から生まれたし、その時代にはまだポストモダンなんてなかったんだけど。

上野千鶴子 @ueno_wan

2000年代前半のフェミニズムへのバックラッシュの首謀者が安倍信三だった。自民党過激な性教育ジェンダーフリー教育検討プロジェクトチームの座長が安倍、事務局長が山谷えり子。彼らのいう「女性活躍社会」が信用できるわけがない。

上野千鶴子 @ueno_wan

自民党は「女性の活用」には熱心だが女性の権利の擁護には消極的。夫婦別姓、再婚禁止期間の性差別、刑法堕胎罪の廃止、性的マイノリティの権利などにはすべて反対。

上野千鶴子 @ueno_wan

安倍政権の「女性活躍社会」とはネオリベへの女性の適応戦略。女女格差を拡大するばかりだ。「女性活躍」法の一方で生涯派遣を固定する「派遣法改悪」を。女性労働者のうち非正規は6割近く。6割の女性がワリを食う一方で「男性化」した3割の女性をとりたてようというのか。

上野千鶴子 @ueno_wan

マジョリティはつねにマイノリティがマイノリティだけで独自の動きをしたり集団をつくったりすることがキライらしい。

上野千鶴子 @ueno_wan

運動のなかにある性差別やマイノリティ差別は無視してよい「小事」ではない。いま・ここで解放的・民主的でない運動が、解放的・民主的な未来をつくりだすことなどありえないからだ。

上野千鶴子 @ueno_wan

体制のなかにあるマッチョイズムに対抗するために、対抗運動もマッチョ化しては元も子もない。目標のために手段を選ばない運動はかならず頽廃する。

上野千鶴子 @ueno_wan

多様性を受容した自由な社会をつくりたいなら、そのための運動もまた、多様性を受容した自由なものでなければならない。抑圧された運動から自由な未来が生まれることはない。

上野千鶴子 @ueno_wan

わたしは国会前の行動が暴力化することを心から恐れている。そうすればただちに権力が付けいり分断工作に入るだろう。それだけでなく、抗議行動が子連れの女でも参加できるような安全なものでなくなるからだ。

上野千鶴子 @ueno_wan

社会運動にヒロイズムはいらない。わたしたちはそれを70年のときに学んだのではなかったか。暴力で紛争解決しようとする戦争法案に反対するのに、暴力を用いるのは論理矛盾だ。非暴力・不服従・直接行動。これが対抗運動のアルファでありオメガである。

上野千鶴子 @ueno_wan

あすわたしは「学者の会」の100大学共同行動に参加する予定。日弁連とも共闘してデモ。SEALDsの学生諸君もがんばっている。詳細はこちらへ。安全保障関連法案に反対する学者の会anti-security-related-bill.jp