日本人が増えすぎた人口をエド・シティに送るようになって既に1世紀

主に速水先生の都市アリジゴク論について
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儀狄@パブリックエネミー @giteki

この辺から奉公の話が増えていきます。まず、この村では11歳にまで成長した男子は50%、女子は62%が何らかの形で生涯に一度は奉公を経験しています。そして、結論を先に言うと奉公に行ったあと農村(元の村に限らず)に戻ってくるのは約半数です #都市アリジゴク

2015-09-22 23:57:20
儀狄@パブリックエネミー @giteki

なお、この村でも農民の階層分化は進んでおり、当初は多数あった『常に奉公人を置いている家』が19世紀に入ると庄屋家と寺だけになります。当然、奉公の行き先は村外が多いということになります。 #都市アリジゴク

2015-09-22 23:59:22
儀狄@パブリックエネミー @giteki

奉公を行き先別に見ますと、この村は大垣藩10万石の領内ですが、大垣への出稼ぎ奉公はそこまで多くありません。多い行き先は京都、大坂、名古屋です。江戸が少ないのは地理的な理由でしょう。この3都市で2/3を占めます #都市アリジゴク

2015-09-23 00:06:08
儀狄@パブリックエネミー @giteki

女子の奉公経験率は結婚のところでも触れましたが、言うまでも無く男子でも下層の方が奉公経験率は高く、地主・自作層での奉公経験率は35%前後であるのに対し、小作層の奉公経験率は男子で63.1%に達します #都市アリジゴク

2015-09-23 00:16:06
儀狄@パブリックエネミー @giteki

「奉公に行くと婚期が遅れる」「婚期が遅れると生まれる子どもの数が減る」「小作層では奉公経験者が大半」「奉公に行くと半分は帰ってこない」という論理に加えて「乳幼児のうちに死亡する率も相当に高い」という事実を加えると、当然ながら小作層では家の断絶も増えます #都市アリジゴク

2015-09-23 00:24:27
儀狄@パブリックエネミー @giteki

西条村では、土地を持つ家の絶家は10%以下ですが小作人の家は35%が絶家しています。「それでは時代を経るに連れて村の戸数は減っていかないか?」と思うかもしれませんがそうはなりません。 #都市アリジゴク

2015-09-23 00:26:16
儀狄@パブリックエネミー @giteki

地主や自作農の家からは分家が出ることがあります。この場合、例外なく分家は出身家よりも低い階層になります。地主の分家は自作農や自小作、場合によっては小作になり、自作農の家の分家は自小作か小作になります #都市アリジゴク

2015-09-23 00:28:23
儀狄@パブリックエネミー @giteki

そうやって上層の家から分家が出てくることで村の戸数は一定程度に保たれていると同時に「自小作や小作層は家を継げればまだマシ、継げなければ都市に行って悪い生活環境の中で苦労する」という構図が成立するわけです #都市アリジゴク

2015-09-23 00:32:52
儀狄@パブリックエネミー @giteki

というわけで終わり。ホント 都市はアリジゴクだぜ! フゥハハハーハァー #都市アリジゴク

2015-09-23 00:34:26