図書館での「分類」の意味と司書の専門性について。

海老名市立図書館の分類が悲惨なことになっている、というツイートを受けて、本来図書館の分類がどのように決定、運用されているか、という解説連投と関連ツイートをまとめました。
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長内 悟 @ganso_nozarashi

非特許文献調査も、「図書館へ行くだけ。」と思い込んでる人がいてだな・・・。(以下略)

2015-10-03 17:05:38
長内 悟 @ganso_nozarashi

図書館の選択(必要な蔵書があるかなど)も重要だし、司書さんに相談することもあるので、司書さんのスキルも大切だし。

2015-10-03 17:09:55
長内 悟 @ganso_nozarashi

幸いなことに神奈川県立図書館は自分の仕事にひつような図書や雑誌が充実してて、優秀な司書さんが多いので、図書館を「事業所の資料室」として活用できるけど。某書店が運営する図書館は、仕事では使えない。図書館は、「地域の産業の資料室」という役割もあるのです。

2015-10-03 17:17:10
長内 悟 @ganso_nozarashi

私自身、今まで地域の図書館にどれほど助けられたか。今日も高くて買いにくい専門書を図書館で借りてきた。観光や集客のための図書館はいらない。コーヒーショップもいらない。学習や事業の資料室、それから、家庭の本棚の役割を担う図書館が欲しい。

2015-10-03 17:21:22
長内 悟 @ganso_nozarashi

旅行に行ったとき、ちょっとだけ地方の図書館へ立ち寄ってごらん。図書館格差に気づくはずだ。横須賀も例外ではないけど。優れた図書館がある地域が、どれほど恵まれているかがわかると思う。図書館の質の違いは、自治体の地域に対する学習の機会の提供の違いにつながると思うのだ。

2015-10-03 17:29:31
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

司書職に限らず、色々な分野・場面で「専門職」が不当に軽視されているのは、長い目で見ると、日本社会の足を引っ張る阻害要因になっていると思う。トレーニングにかけた労力、経費の割には、それに見合わない資格取得後の待遇。例えば博士号もそうだろう。

2015-10-03 17:17:59
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

司書の仕事への理解をうったえることも大事だし、そもそもそれが高度な「専門性」を有することの理解も求められねば。例えば、自治体単位でもガンセンターや農林水産試験場が設置されていると思うが、そのような機関の職員(医師、技官)に素人や普通の事務職は当てない。司書も同じくらいの専門職。

2015-10-03 17:26:49
IMAI Toshiyuki @imait

通知がとまらんのだけど、ほんと、みんな、図書館大好きだな。専門図書館だろうと公立図書館だろうと、こころある図書館員は皆、その図書館が、理想の図書館、よりよい図書館になるよう努力、工夫しているので、利用者もまた図書館を作り育てるよい仲間になってあげてください。

2015-10-03 17:22:13
IMAI Toshiyuki @imait

あちこちに排架されてる現状があるとしても、排架場所はひとつであることが望ましいというのは、その本が貸し出されてる場合、残る蔵書が排架場所AにあるのかBにあるのかCにあるのか、わからなくなってしまう。入り口は多様、場所はひとつが理想。 twitter.com/imait/status/6…

2015-10-03 17:19:24
IMAI Toshiyuki @imait

NDCは排架場所が1箇所に決まるというのは確かにそうかも、なんだけれど(別に分けて排架してもよいとはいえ)、多様な分野にわたる内容を持った書籍の場合、それぞれのジャンルに応じたインデックスを与えて、それぞれの入り口から検索できるようにするわけよ。それこそが図書館員の仕事でもある。

2015-10-03 15:47:55
IMAI Toshiyuki @imait

同じ本が一般書の棚にも専門書の棚にもあるというの、いろいろ思い出した。ものによっては、全集の中の一冊でもあるから、全集棚にもある。新書棚にもある、みたいに分散して所蔵されていて、よく利用されるものだと、その在処、みんな覚えていたな。 twitter.com/imait/status/6…

2015-10-03 17:15:41
IMAI Toshiyuki @imait

私が以前図書館で働いていた時は、一般書(専門図書館だったので、専門書と一般書で係がわかれている)の分類をしていたんだけど、新書のシリーズなどで専門分野に関係するものがあった場合、新書の棚に排架しつつ、専門書の棚にも別途排架されていた。縦割りなんだけど、これはありだよね。

2015-10-03 15:57:19
IMAI Toshiyuki @imait

ちょっと予想外の話になってきた。CCCの図書館運営に用いられている分類って、公開されてないのか。公開されてないと、利用者が本探すのに困るじゃん。図書館入ったら、目につくところに、分類表が掲示されてるのが普通じゃん。まいったな、これ。 twitter.com/keikuma/status…

2015-10-03 18:32:01
MAEDA Katsuyuki @keikuma

…海老名市立中央図書館では、01-0021-0011-0001-0081(料理-食卓のレシピ-日々のごはんの達人-日々のごはんの達人-コウケンテツ)となります。同じ本が、武雄市と海老名市では全く違う分類番号に分類されるんです。しかも分類表は非公開。 #公設ツタヤ問題

2015-10-02 21:29:31
IMAI Toshiyuki @imait

図書館に限った話じゃないんだけど、なにかが分類されて所蔵されているようなところでは、どういう風に分類してるよ、こうやったら求めるものが探せるよ、って基準が示されるはずでべきなんだけど、その分類が非公開だと、探し物できなくなっちゃう。

2015-10-03 18:34:07
IMAI Toshiyuki @imait

話に聞くCCC運営の図書館。その状況を仄聞するかぎりでは、一番困ってるの、困惑してるのは、そこで働いている人たちじゃないのかな。こんな本ありますか? って聞かれて、ちゃんと探してこれるのかな。すごい困ってるんじゃないかな。

2015-10-03 18:35:33
IMAI Toshiyuki @imait

分類っていうのは恣意的なもので、それが使いやすいものであれば、どんなものだっていいのよ。自分の書棚を作る時に、書名のアイウエオ順でもいいし、著者別でもいいし、自分の思うジャンル別でもいいわけよ。ただここで重要なのは、それで自分の必要な本にアクセスしやすいかってこと。

2015-10-03 18:53:08
IMAI Toshiyuki @imait

必要な本に必要な時にアクセスできるか、それが容易であればあるほど、よく分類された書棚であるといえるわけ。で、自分ひとりで使うものなら、自分分類で構わない。けど、皆で使う書棚なら、こういう風に分けて並べてるよって、諒解が必要になる。

2015-10-03 18:54:31
IMAI Toshiyuki @imait

現状、日本国内の図書館の多くで使われている「その諒解」が、日本十進分類法、略してNDCっていうわけ。別にこれが絶対じゃないし、これに準じない、独自の分類を採用してる組織なんてざらにある。けれど、それでも、その組織の内部において、蔵書に容易にアクセス可能とする諒解は必要なわけよ。

2015-10-03 18:56:20
IMAI Toshiyuki @imait

その諒解、分類法を、うちではこうやってるよって利用者に伝えて、探しやすくしてるのが、一般的な図書館ないしアーカイブないし、なんだろうけれど、それが不明瞭だとすごく困るだろうな、適切に整理されてないのとそう違わなくなってしまうだろうものな、というのが素直な感想になってしまう。

2015-10-03 18:57:54

追加説明。日本目録規則、NCRとはどういうものか。

IMAI Toshiyuki @imait

こういうコメント、いただきました。なので日本目録規則、NCRがどういうものか軽く解説します。 / yuki_chika - 『図書館での「分類」の意味と司書の専門性について。 -…』 へのコメント b.hatena.ne.jp/entry/26789055…

2015-10-04 01:05:33
IMAI Toshiyuki @imait

「排架場所を一ヶ所に決めるのはNDCでなくてNCR(日本目録規則)だろう。大丈夫かいな。」この日本目録規則というのはなにかといいますと、すごく簡単にいうと、図書カード、蔵書を検索する時にパラパラめくっていく、あれの記載項目のルールであります。

2015-10-04 01:06:56
IMAI Toshiyuki @imait

最近だとコンピュータで検索するのが一般的で、紙の図書カードを使っている館も少ないんじゃないかと思いますが、昔は紙の図書カードに本の名前、著者、出版者、出版年などを記載して、利用者に蔵書検索するためのインデックスを提供していました。

2015-10-04 01:09:52
IMAI Toshiyuki @imait

書誌の基本は、該当の資料がそれと一意に同定できる情報であること。例えば、漱石の書いた小説とかだと、同じタイトルでもいくつもの出版者から、また同じ出版者でも違った装丁で何種も出版されてたりする。それを、ひとつひとつ違いがわかるようにカタログを作る。そのためのルールがあるわけです。

2015-10-04 01:12:23
IMAI Toshiyuki @imait

カタログを作成するルールが定められてるのは、館ごとに違ったルールで記載されてると利便性が落ちるじゃないですか。なので、標準化されている。記載すべき書誌情報はどれ、それをどういう順番で記載する、などなど。細かにルール化されており、司書過程ではそれを当然学びます。

2015-10-04 01:14:14
IMAI Toshiyuki @imait

重要なのは、書誌は、資料の情報を提供するものであり、分類は提供しないということです。誰のなんというタイトルの本で、どこから何年に出版されていて、何版であるか、そうしたことを定めるだけで、それが文学かとか技術書であるとかには、まったく関わりません。

2015-10-04 01:16:19
IMAI Toshiyuki @imait

私の働いていた図書館では、このカードを図書館流通センター、TRCから購入していました。古い資料だとTRCもカードを用意していないので、その場合は自分で作成しました。こうして作成したカードを必要なだけ増し刷りして、検索のインデックスとして用います。

2015-10-04 01:18:11