近侍部屋当直日誌VI

近侍当直部屋 @bury_ido

長谷「ほら」 みつ「わー？　意外と重いっ」 長谷「落とすなよ。そっちの荷物を寄越せ」 みつ「……」 長谷「……美味いか」 みつ「…………甘い」 長谷「は、」 みつ「すっごく甘い。……おいしい」 長谷「…………味が、」

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みつ「あま、……あまいの、……あまくて、……」 長谷「ああ。ああ、よく味わえ。味がするんだな？　お前はやっと、」 みつ「……うん……ぐすっ……おいしいよ、はせべくんがくれたりんごあめ」 長谷「よかった、……やっと……やっとだ……」 みつ「うん……」

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長谷「さすがに参道で抱き合って泣いていたら検非違使も非道なことはできなかったようだな」 みつ「めっちゃ心配されたね？？？」 長谷「恋の発作が出て、と答えたら無線連絡を飛ばしていたようだったが」 みつ「あ、このへん座れそーじゃない？」 長谷「ああ、夕飯が遅くなって腹が減ったな」

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みつ「りんごあめ、中はすっぱいんだね」 長谷「まわりの蜜の後だからな」 みつ「りんごめっちゃ大きいー」 長谷「食べきれないなら半分食おう」 みつ「……。ん。半分こ」 長谷「がぶ」 みつ「…………」 長谷「おい、落とすぞ」 みつ「だ、だって、なんでぼくが持ってるとこから食べ……」

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長谷「ほら、これはどうだ」 みつ「しょっぱい？　くてちょっとすっぱい？？」 長谷「ああそうだ、しょっぱいのはソースだ。酸味はマヨネーズだろうな。こっちは」 みつ「これもしょっぱー。あ、なんかからいの、」 長谷「紅ショウガだな」 みつ「そっちはー？」 長谷「たこ焼きだ。どうだ」

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長谷「食事系はひととおりいったな。他の店も見にいくか」 みつ「い、いくっ」 長谷「ふっ」 みつ「（また笑った……！）」 長谷「……どうかしたのか？」 みつ「あ、……あ、……手、……手繋いでくださ、」 長谷「当然だ」 みつ「ひうっ」 長谷「あ、おい、逃げるな。待て」

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みつ「いたっ」

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みつ「ぐすっ……う、……うう、……ひう、……」 長谷「いわんことじゃない。……大丈夫か、腹を打っただろう。擦り傷は」 みつ「い、いたい……」 長谷「よしよし。ほら、見せてみろ。……慣れん下駄だからな。鼻緒も切れたか」 みつ「う、うぇ、うわああああん」 長谷「大丈夫だ。痛かったな」

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みつ「わぁぁああん」 長谷「よしよし、脚を出せ。まずは傷口を洗うぞ」 みつ「い、いた、」 長谷「沁みるか」 みつ「ひっ、……はぁ、……」 長谷「（木立で浴衣の裾を割り片足を持ち上げたﾛﾘｼｮﾀに痛いと泣かれながら抱き付かれているこの状況……）」 みつ「う、うう、早く……」

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みつ「ご、ごめ、ごめんなさい、……」 長谷「何を謝っているんだ。……ほら、裾を持ち上げていろ。絆創膏を貼る」 みつ「だって、くつ、……」 長谷「俺がなんの用意もしていないと思ったか。夏祭りデートの失敗談二百例を読み込み対策済みだ。下駄くらいすぐに直せる」 みつ「！？」

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長谷「どうだ」 みつ「履かせてくれてありがとー……足、こしょばゆいよ……」 長谷「それも感覚が戻らなければ気が付かなかったろうな」 みつ「ほんとだ！　やった！！」 長谷「（さわさわ）」

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長谷「次はあっちの出店を見るか」 みつ「あれなにー？　空気入ってるの？？　高原の空気？」 長谷「綿あめだ。……ひとつ」 みつ「？？」 長谷「ほら、食べてみろ」 みつ「綿だ！　え、でも綿じゃん？　食べるの？？　……むきゅ」 長谷「どうだ」 みつ「あま、……めっちゃ甘いね？？」

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みつ「ふわっふわなのに、食べるとじゅって消えるー」 長谷「気に入ったようでなによりだ」 みつ「じゅっ」 長谷「……そんなに美味いか」 みつ「うん！」 長谷「…………恋、か」 みつ「？？」 長谷「なんでもない。……俺も大概だな」 みつ「顔赤いよー？」

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みつ「きんぎょ……」 長谷「飼えんからな」 みつ「…………」 長谷「分かった。一回だけだぞ。……金魚すくいの対策は練っていないな。たしかぽいの縁で引っ掛けるのが……」 みつ「金魚さんちょー逃げてるじゃん」 長谷「……」 みつ「まー見ててって。おいできんぎょさー」

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みつ「ふっふー。やっぱさー、きんぎょさんもかわいい子のとこには集まってくるんだよー。ひょいー」 長谷「……言い返せん」 みつ「ひょいー……ひょいー」 長谷「…………いや待てとりすぎだ。椀がイモ洗い状態だぞ」 みつ「ぼくって意外と天才なのかも……ひょいー」

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みつ「ちょきんちょきんぎょ？？」 長谷「色々な意味で物騒な単語はやめろ」

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みつ「…………ごくり」 長谷「ふっ。……ほら」 みつ「わー！　ぬいぐるみ！！」 長谷「刀であろうと銃くらい扱える」 みつ「さすが石投げはせべー」 長谷「待てそのふざけたあだ名をどこで知った。いやいわずとも分かる鶴丸国永覚悟しておけ」 みつ「ぬいぐるみー！　……えへ」

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長谷「射的でとってやったくたくたのミジンコの巨大ぬいぐるみを抱き上げて、目を合わせて照れ笑いをするこいつを見たときの長谷部の心境を60000字以内で述べてください。なお、図表等の参考資料は別紙とし、回答の最後に添付すること。字数には含めませあああ俺以外にキスをするなといったろう」

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みつ「ばいーんばいーん」 長谷「……」 みつ「これちょー楽しいね？？？　ばいーん」 長谷「俺はまな板の方が好きだ」 みつ「へ？」 長谷「ああ、いや、変な意味ではない。俺は断崖絶壁の方が好きだ」 みつ「……落ちるの？」 長谷「もう落ちている。だが手を引っ掛ければ命拾いをし」

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長谷「水風船を俺にぶつけるのはやめろ」 みつ「なんかぼく怒ってもいいような気がして」 長谷「あー、ほら、次の店だ。……ふむ」 みつ「？　ちょこばなな？？」 長谷「ふむ……」 みつ「なにを悩んでるの？？」 長谷「これをお前に買い与えてもいいものかどうか……」 みつ「？？？」

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長谷「祭りも終わるな。……他に欲しいものはあるか？」 みつ「むっくむっく」 長谷「うっ……俺は……俺は……べびーかすてらを食べているこいつが……ファイナルアンサーだと思います主……」 みつ「りんごあめ！　もういっこ！！」 長谷「食べられるのか？」 みつ「半分こするの！！」

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みつ「パキ……シャリ……」 長谷「帰るか」 みつ「うん！」 長谷「ちゃんと手を繋いでいろよ」 みつ「うん！！　……えへへ」 長谷「……、」 みつ「！？」 長谷「甘いな」 みつ「…………う、うう、……ずるいってぇ」

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みつ「かえろっか」 長谷「ああ」 みつ「またね、遊びに連れてきてくれる？」 長谷「いくらでも。……何をしても」 みつ「えへへー」 長谷「帰ろう」

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みつ「たっだいまー。ふぃー……」 長谷「寝るのは足を洗って着替えてからだ」 みつ「だってーはせべくんがちょー食べさせてくるから……おなかいっぱいー……」 長谷「それは……それは当たり前だろう」 みつ「おいしかったよ♡」 長谷「うっ……ぐっ……」 みつ「おとーさー！？！！？？」

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長谷「よく聞け。お前はかわいい」 みつ「しってる」 長谷「そのかわいさを無闇に振り撒くと被害が出る」 みつ「ひがい」 長谷「俺がしぬ」 みつ「しんじゃう」 長谷「でもかわいいお前は見たい」 みつ「どうしろと」