現実に即していればいいってもんじゃないよねえ、という話

ファンタジーに必要なのは「間を繋ぐ沙漠」じゃないかとか、地球の大気循環やプレートテクトニクスなどの要因でいろいろ考えられるが、最終的には割と環境とタイミングで「どうにでもなる」わけだから「いいんだよこまけえこたぁ」に至るという話。
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富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

コリオリの力は自分ひとりでも確かめることができまする。自分が部屋の中でぐるぐる回転してみるといい。そこで手を前に伸ばすと、その腕は回転軸とは逆方向に持ってかれるような気がし、引っ込めると今度は回転軸が一気に回るような気がする。フィギュアスケートなんかはまさにそれを利用してる。

2015-10-21 23:06:32
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

まあ難しいこたぁいんだよ。大切なのは「地球の大きさ・自転速度・自転軸ではほぼ大気循環はキレイに3分割されて」「その北緯30度~北緯60度で自転方向とは真逆の西の猛烈な風が吹く」ということ。

2015-10-21 23:06:41
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

じゃあ偏西風の上下では逆のやはり強い風が吹いてるのかといえば「YES」。赤道近辺の東寄りの風(東→西への風)は「貿易風」と呼ばれます。

2015-10-21 23:06:50
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

この貿易風の名前は、地中海貿易に便利という説もあるけど、英語ではTrade Windでまあ「恒常な風」の意味で、貿易に便利というのは後付けらしいです。そもそもインド向きの貿易には逆に不便だしのう。ちゃんとマストを調整すれば逆風でもちゃんと風を捉えてまっすぐ進むことができるのだが。

2015-10-21 23:06:59
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ならば自転速度がもっと速く、星の大きさがもっとでかければまた別の大気循環が起こったのかといえば「起こっております」「ただし地球外で」。木星は9.8時間、土星も10.2時間と猛烈なスピードで回ってる。

2015-10-21 23:07:18
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

これらは星の大きさもでかいゆえ、必然的に猛烈なコリオリの力が働き、赤道付近で一気に曲げられ、その曲げられた大気に逆らうようにまた別の風が吹き、その風に引っ張られるように今度は逆とは逆の風が吹き――となる。それが木星や土星の縞々模様だったり大赤斑の原因だったりするのス。

2015-10-21 23:07:28
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

地球も昔は自転がもっと速くて(5時間ぐらい)、それからどんどん速度を落として今の24時間になったっつーのもあるんで、昔は昔で気候区分が違ってたかも知れない。

2015-10-21 23:07:38
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ただまあ、難しい原理はともかく、大切なのは、自転およびその慣性とやらが、西から東へ、そしてあるとこを境目に真逆の東から西へ風を運ぶ力がある、ということですな。

2015-10-21 23:08:07
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

んで北緯30度~北緯60度のいわゆるフェレル循環が起こるとこで偏西風が吹くこと。その偏西風が高高度で一気に加速されてる現象を「ジェット気流」といいます。この辺は聞いたことがある人は多いかも。

2015-10-21 23:08:16
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ちなみにジェット気流はもろに戦闘機飛行空域(高度8000~1万3000メートル)に該当するので昔はそれによる墜落事故も多かったとか。弱い時は風速30メートルぐらいだが速い時は100メートルを超えることも。このジェット気流はヒマラヤ山脈で分割されて日本の梅雨などに作用するって話も。

2015-10-21 23:08:24
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

んでここからは地形の話になるけど、一方で地球にはプレートという地形を生み出す力があるのはご存知かと思いますが、そのプレート同士が押し込むいわゆる「沈み込み地形」がある場所があります。

2015-10-21 23:08:35
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

プレートの境目はだいたい地形を「生み出す」とこなんだけども、そこでは地形が「押し戻される」。

2015-10-21 23:08:45
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

主なとこはインドプレートの北(インドプレートとユーラシアプレートの狹間)インドネシア(太平洋プレートとオーストラリアプレート)でこの辺は地震多発地帯でも知られるけども、南アフリカ西岸(ナスカ・南アメリカプレート)と日本近海のプレートはそれが東西から押し寄せて沈む。

2015-10-21 23:08:55
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

するとどういうことになるかというと、そこに海底からぐわっと押し出されるように「いきなり生えたような縦側の地形」がいきなり生まれる。それがアンデス山脈であったり、日本列島だったりするんですな。

2015-10-21 23:09:04
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

南アメリカプレートは大陸側がえらく平坦なので極端な大雨気候にはなりにくいんだけども、何故か日本のとこではもろに偏西風を遮るような極端な南北への地形になってるので、「本来だったら東西にスルーされて砂漠化する筈の地形」で「温暖多雨になる」という不思議な地形になる。それが日本。

2015-10-21 23:09:14
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

日本も近海のプレートが南北にぱっきり割れてて東西に地形を伸ばす地形だったら、オーストラリアとかあの辺のように間が茫漠な沙漠・乾燥地帯になってたかも、というのは基礎知識として置いておいて良いかも。地形作成の参考にしてクダサーイ。

2015-10-21 23:09:19
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ちなみにこの「温暖かつ多雨」というのが日本の気候の理解には大切で、普通は赤道付近の空気は猛烈に暖かいので一気に上へ押し上げられ、上空の冷たい空気と混ざって常に雨雲を生み出す。これが台風やスコールが熱帯で起きやすい理由。

2015-10-21 23:15:20
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ただ本来は温暖多雨なのはそこら辺なだけで、北緯30度~60度のいわゆる偏西風の吹くとこは温暖だが乾燥して沙漠になりやすい。日本付近の、北京辺りに砂漠化が近づいてるのも、環境破壊よりもそういった気候の部分が大きいかも。

2015-10-21 23:15:31
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

しかしその(湿りに湿った)空気を日本列島は塞ぐ。そうすると、夏は雨になり、冬は大雪になる。かくして、世界有数と言われる豪雪地帯のできあがり。氷点下にもあまりならずに雪だらけ、ってのは結構世界的にも珍しいんです。だいたいは雪&寒い、か、降らない&温かい、か、どっちか。

2015-10-21 23:15:39
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ゆえに「雪の上に棲む民族は無数にいるが、雪の下に棲むのは日本ぐらいなものだ」という雪との戦いを毎年強いられる気候が爆誕。それは山の東側(太平洋側)よりも西側(日本海側)で顕著なのは偏西風の構造からして分かりやすいかなと。

2015-10-21 23:15:43
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ちなみにコリオリの力は「慣性によるベクトルのぐにゃり」なので、「コリオリの力で北半球では水の渦が云々」というのは全くコリオリ関係ないです。自転と慣性がもろに作用するレベルの大きさならともかく、風呂の渦にそんなもんが働く筈がねぃです。普通に風呂桶と栓の構造じゃね?

2015-10-21 23:34:40
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ちなみにこの辺の大気循環は、偏西風、貿易風のみならず海流レベルなら作用します。だいたい赤道に近いとこでは東→西になり、偏西風の吹くとこだと西→東になりやすい。まあ水は粘度が非常に高いので、空気ほどに顕著な構造にはなりにくいですけども。

2015-10-21 23:34:53
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

また、偏西風の吹くとこ、フェレル循環のとこは、コリオリの力が直接働くハドレー循環と極循環に挟まれてその力加減で多少影響があるので、それで偏西風が蛇行したり、あるいは極端に強いのが吹いたりする。ゆえに偏西風は一律に西→東じゃなく結構ぐにゃぐにゃ曲がってたりします。

2015-10-21 23:35:06
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ちなみに極方面には塩素や硝酸、オゾンといった比重の大きなものが吸い込まれやすいので、そこで場合によっては化学反応してオゾンが消えちゃうことがある。これがかの有名なオゾンホール。

2015-10-21 23:35:21
富士敬司郎★がんばれない @fujik5963

ただオゾンホールは環境破壊要因以外にも、極方面はオゾンホールは結構できやすいし、季節変動もでかい。だいたい春になることが多いので、実際オゾンホールはもっと研究しないと分からないことは多い。

2015-10-21 23:35:30