ギラヴァンツ北九州の応援団体イエローブリゲイド(Yellow Brigade)「ぶちくらせ」禁止問題の論点整理
「ぶちくらせ」禁止に反対する代表的な言い分の検討
「ぶちくらせ」禁止に対する反応を見るにつけても、差別、暴力、ヘイト、ハラスメントなどの主体になる人びとがそもそも自身の行為の(非難や禁止に値する)意味を理解できていないという、問題の根深さを改めて感じさせられる。問題点を指摘されても、それが問題であるという認知ができない点で深刻。
2015-11-02 18:44:47(続き)「ぶちくらせ」禁止に反対する代表的な言い分をざっと検討。(1)もっとひどいものがある→もっとひどいものがあるからといって、あなたがひどいこと言ったりしたりする正当化にはなりません。速度超過、信号無視の違反者がいるからといって、信号無視を見逃してもらう理由にはなりませんね。
2015-11-02 20:14:36(2)「ぶちくらせ」は広く使われている→あることばが広く使われているからといって、暴力や差別につながる仕方であなたがそれを使用することは正当化できません。
2015-11-02 20:18:09(3)大阪の「ぶちかませ」はよくて、北九州の「ぶちくらせ」がいけないのは不公平だ→まず意味を調べましょう。次に、ことばの字面や響きといった表面的なことだけで比較するのではなく、そのことばが一般的にどのような意味をもち、どのような文脈でどのように使われ(てい)るのかを考えましょう。
2015-11-02 20:21:41(4)暴力を意図しているわけではない→ある人の言動が暴力や差別を意図しているかどうかは、実際にそれが暴力や差別として機能するかどうかとは別のことがらです。したがって、あなたが暴力を意図したかどうかは重要ではなく、社会的にそれがどのような意味をもつのかがここでは重要な問題です。
2015-11-02 20:22:39(5)「ぶちくらせ」を禁止するのには、何か禁止する側に別の意図があるに違いない→仮に「ぶちくらせ」を禁止する側に何か別の意図があったとしても、そのこと自体はここで問題にされている「ぶちくらせ」の問題をないものにするわけではありません。
2015-11-02 20:37:20(6)部外者からとやかく口出しされる筋合いはない→たとえ家庭や恋人同士のあいだであったとしても暴力に関わることであれば私的な問題で済まされないように、ここで問題にされている「ぶちくらせ」がもつ暴力的な意味を考えれば、それはチームやサポータだけの問題で済まされるものではありません。
2015-11-02 22:19:03(7)「ぶちくらせ」を禁止したらサポーターがいなくなる→奴隷制を廃止したら経済が立ち行かなくなるからといって奴隷制の継続が正当化されないように、サポーターがいなくなるからといって暴力的な行為の継続が正当化されるわけではありません。経済もサポーターも別の仕方で解決されるべき問題。
2015-11-03 06:30:05(続き)「ぶちくらせ」禁止に反対する言い分の検討(8)「ぶちくらせ」と叫んでも聞き取れないし、地元以外の人には意味もよくわからない→仲間内には聞こえて理解できるけど相手には聞こえず聞こえても意味がわからない仕方で人種差別するのが絶対許されないのと同様。意図してやればさらに悪質。
2015-11-04 08:24:03(9)「ぶちくらせ」は献身的に応援してきたやさしい人たちの考えたこと→まず、献身的なサポーターにもいろいろな立場があります。次に、ヘスHößがどれほどよい父親であっても彼の残虐な行為は免除されないように、ふだんのサポーターがどうであれ、暴力的な行為が正当化されることはありません。
2015-11-04 13:15:25(10)「ぶちくらせ」はいい言葉ではないかもしれないけど、禁止するほどではない→「ぶちくらせ」がそんなに生やさしいことばでないことは私も含めて(7月5日、6日の関連ツイート参照)多くの北九州弁ネイティヴが語っているところですが、そもそもいじめや暴力は程度の問題ではありません。
2015-11-04 17:21:27(11)反対派の意見と同様に「ぶちくらせ」が励みや支えになっているサポーターの気持ちも尊重されるべき→「奴隷を虐待し酷使することが生きがいで賛成の人もいるから賛成派の意見も尊重されるべき」とはならないように、私たちは誰も暴力から引き出された幸福を享受する権利をもっていません。
2015-11-04 22:14:04(続き)「ぶちくらせ」禁止に反対する言い分はひと通り検討したと思う。基本的にはこれまでツイートしてきた(1)から(11)で答えられるはず。もし答えられないものが出てきて、そのときにまだ意欲があったら(12)以降を書き足すかもしれない。
2015-11-04 22:39:54