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薬学たんの生薬ガチ講座

生薬をこよなく愛する薬学たんが、生薬の特徴をつかみやすいように、生薬の性質に関わる理論について少々話し、具体的に甘草、芍薬、人参について解説しました!
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

甘い味を持つ生薬は、緊張を緩和させて体力をつける 辛い味を持つ生薬は、体を温めて発汗させる 酸っぱい味を持つ生薬は、収縮、止血といった固める系の作用が 苦い味を持つ生薬は、熱を取り、鎮静させる しょっぱい味を持つ生薬は、便通をよくするなど体を潤す作用が それぞれあるとされています

2015-11-26 19:33:57
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

甘い→緩和する 辛い→発散、巡らせる 酸っぱい→引き締める、止める 苦い→冷ます、クールダウン しょっぱい→潤す と、簡単に意識するだけで効能も分かりやすいのではと思います

2015-11-26 19:38:57
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

他にも、補う系なのか排出する系なのか、潤す系なのか乾燥させる系なのか、などといった性質の分類もあるのですが、今回は省いて進めます さて、実際の生薬に触れてみましょう! まずはみんな大好き甘草からです!

2015-11-26 19:42:35
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

甘草(カンゾウ)は、マメ科カンゾウ属のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根を乾燥させたものですっ! 名前の通り甘味料として使われるように、有効成分のグリチルリチン酸やその分解物なんかはショ糖の数十から百倍の甘さと言われています お醤油に甘味料として加えるなんて使い方もしますね

2015-11-26 19:46:04
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

上品に分類され、性味は平性で甘 緊張を緩和させる作用があります また、他の生薬の作用を緩やかにするため、味を整えるためなどの理由で頻用される生薬界のエースでして、漢方薬の約7割に含まれていると言われます!

2015-11-26 19:50:50
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

(もし余裕があれば、止渇(体内の水分を保持する)のイメージもつけるとより良いかなと思います)

2015-11-26 20:00:37
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

漢方薬は基本的に生薬を二種類以上使うと言いましたが、基本的にということは例外もあります その例外が、甘草のみで作る甘草湯です! 喉が痛み、声が枯れてしまう方には、かなり広く使える漢方薬です♪

2015-11-26 19:52:31
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

甘草は多くの処方に含まれる生薬ですが、大量に摂取すると偽アルドステロン症と呼ばれる副作用が出てしまうことがあります 漢方薬を複数使用する場合は、甘草が重複しないように気をつけなくてはなりません

2015-11-26 19:56:24
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ツタンカーメンのお墓にも入っていたとか、ナポレオンも噛んでいたとか、逸話を探せばたくさん出てきますね! まさに生薬48もといSYK48のセンターを務める生薬の代表格! みんなのアイドル! かわいい! すてk……すみません、取り乱しました……

2015-11-26 19:59:11
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

気を取り直してお次は……芍薬(シャクヤク)行きましょうか 美人を表すと言われる「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿はゆりの花」という都々逸でお馴染みの芍薬ですねー! ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたものです 中品で、性味は寒性~涼性の苦、酸となっております

2015-11-26 20:02:54
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

炎症を抑え、鎮静、鎮痛、鎮痙させるイメージですかね もともとは薬用として輸入されましたが、花もなかなか綺麗だということになって、花を鑑賞用にしたりもします! ヒートアップした心身を鎮めてくれるクールな美人さんなんですね~誰もが羨む完璧JK♪ かわいい!

2015-11-26 20:05:46
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

一応性味と照らし合わせておくと 寒性~涼性→炎症を抑える、鎮痛 苦い→熱を取り、鎮静させるイメージ 酸っぱい→引き締める、止める(鎮痙)のイメージ といった感じですかね

2015-11-26 20:11:17
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

中国では赤芍薬と白芍薬を使い分けているそうですね~日本では芍薬を使い分けることは少ないと思うので省きます 代表的な処方としては芍薬甘草湯っていう漢方薬があります! 甘草の緩和作用と芍薬の鎮痙、鎮静作用で、足がつった時の特効薬なんですよっ!

2015-11-26 20:14:10
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

そうそう、立てば芍薬~というのは、美人を形容する言葉である一方、生薬の使い方を示しているという説もあります 芍薬は気が立っている人に、牡丹から作られる生薬の牡丹皮は血の流れが悪くて座り込んでしまう人に、ふらふらと歩く人には百合(びゃくごう)という生薬を使うといいそうです

2015-11-26 20:17:29
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

芍薬甘草湯なんですが、本当に足がつった時の特効薬なんですよ 漢方薬に興味を持つ方からも、このお薬があまりに効くから興味がわいたなんて話をよく聞きます 漢方薬は遅効性というイメージも覆りますね……!

2015-11-26 20:19:21
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

確かに桂枝加竜骨牡蠣湯という、芍薬を含む処方は体力が比較的ない方のイライラに効いたりしますね どうでしょう、なんとなくイメージつかめます?

2015-11-26 20:22:15
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

全生薬をやるときりがないので、今回はラスト一つにします~ 最後は有名な人参ですね!

2015-11-26 20:24:41
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

人参は、ウコギ科オタネニンジンの根です! カレーとかに入れる人参はセリ科ですので、別物です 朝鮮人参とか高麗人参とか言われる種類に近い(ほぼ同じ)ですね

2015-11-26 20:27:08
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

オタネニンジンと呼ばれるのは、徳川吉宗が日光で栽培した種を色々な藩に渡したため、将軍様から頂いたありがたい御種だということでオタネニンジンと呼ぶのだとか…… 上品で性味は温性、甘です♪

2015-11-26 20:30:40
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

漢方薬で滋養強壮といえばこの人参なくして語れないですね! 甘いという味には、緊張を緩め、体力をつける作用がありますとお話したので、およそそのイメージです! 胃腸が弱ってるとか、体力がなくなってるとか、疲れてる時に効いてくれます!

2015-11-26 20:33:27
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

少し応用じみた話になりますが、漢方医学では気力を補う時は胃腸から補う傾向があります というのも、胃腸というのは食べたものから栄養を取り出すところなので、ここが弱いと食べ物からエネルギーを取り出せないし、薬を入れても上手く吸収されないといったような考えがあるからです

2015-11-26 20:36:55
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

この人参というのは、まさにそういった胃腸を強めて気力を補うような作用を持つので、気力を補う薬に頻用されるんですね ただ、温性なので発熱がある時は使わないか、涼性や寒性の生薬と一緒に使ったりします

2015-11-26 20:39:47
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

薬局方にはないですが独参湯という人参だけで作る漢方薬もあります こちらも甘草湯と同じで一つの生薬のみで作られる珍しい処方ですね! 実は漢方薬というのは、構成生薬が少ないほど薬効はシャープになる傾向があるため、独参湯はショックを起こした時のような急性の症状で使うそうです

2015-11-26 20:43:01
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

この傾向も覚えておくといいかもしれませんね 他に代表的な処方といえば十全大補湯、四君子湯、六君子湯、人参養栄湯、補中益気湯、白虎加人参湯などなど…… 虚証の方向けの処方が多いですね! これはかなり薬効がイメージしやすいと思います

2015-11-26 20:45:25
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

皆を温かく支えてくれる、頼れるお母さんのような子ですね~! 知名度も抜群! 甘草がエースなら人参はSYK48のキャプテンと言ったところでしょうか♪

2015-11-26 20:48:05