ギガベース日誌 ACT06「SEA OF BLOOD」 03

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すふん @suhn_Akvavit

「谷風、ギガベースの弱点は中央構造体だ。狙撃できないか」 「とっくに試したっつーの!艦橋と中央構造体はバカみたいに分厚いPAと実弾装甲に覆われててこっちの武装じゃ貫けない。コジマの化け物だよ、アレ」 「なら……」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:03:18
すふん @suhn_Akvavit

「私が剥ぎ取ってやるまでだ!谷風、防御頼む!」 日向はオーバードブーストでギガベースに迫る。谷風も後を追い、日向に降り注ぐコジマミサイルを残り少ないフレアで退けた。 「航空戦艦の真の力、思い知れ!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:06:35
すふん @suhn_Akvavit

ツァーカブ両背部のスラッグガンが前を向く。これとマシンガンでPAを剥がし、圧倒的な火力を誇る格納の散弾パルスガンを叩きめば、実弾装甲など紙切れも同然だろう。ギガベース各所のスナイパーキャノン砲台が日向を狙うが、谷風が砲台を落とす方が早かった。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:10:52
すふん @suhn_Akvavit

だが、谷風はギガベース甲板の異常に気がついた。 異常の正体を理解した谷風は叫ぶ。 「日向!避けろっ!」 「ッ?!」 日向の機体を爆炎が包み込む。PAが大きく乱れ、その隙間を掻い潜ったスナイパーキャノンの弾丸が右腕に直撃した。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:15:04
すふん @suhn_Akvavit

「クソッ……」 「46cm三連装砲……ほんっとろくでもねぇな!このアームズフォートッ!」 ギガベースの甲板が開きせり出てきた砲台は、紛れもない、46cm三連装砲だった。 「何処の誰だよ!ロストテクノロジーとか何とか言ってた馬鹿野郎は!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:18:51
すふん @suhn_Akvavit

それだけでない。甲板には多数の第2世代ノーマルが鎮座し、シールド片手に日向達へ攻撃を開始した。 その中の一機のコアの上には、大胆にも二隻の駆逐艦娘が仁王立ちしていた。 「UNAC部隊、全機迎撃開始……」 「ど真ん中命中させちゃってください!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:23:54
すふん @suhn_Akvavit

弥生と巻雲の合図により、ギガベースからの攻撃は激しさを増す。 後部ハッチから出撃した四脚型UNAC三機が、果敢にも突撃を開始した。 「これぞ、テンプレ戦隊レザスピスリー」 「物量で押し返します!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:28:44
すふん @suhn_Akvavit

大量の砲撃とミサイルに曝され、日向は半ば叫ぶように谷風に呼び掛けた。 「味方の増援はまだなのかっ!!」 「まだだってーの!千歳と千代田は何やってんだよ、もう!!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:31:15
すふん @suhn_Akvavit

谷風と日向がギガベースに苦戦している頃、戦闘により少し離れた海域まで移動した千歳と千代田は、先程までの余裕を失っていた。 「AP、40%減少。あの軽二、多分また突っ込んでくるぞ。先撃ちして腕ショをVTFに巻き込め」 「言われなくとも!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:36:57
すふん @suhn_Akvavit

苦戦している原因はまず一つ、自分達の行動が読まれている。千歳にはそれが許せなかった。 次に、敵の行動が急に変わった。引き撃ち一辺倒だった敵機は頻繁に円形移動を絡め、彼女達のロックを振りほどく。まるで、さっきまでの戦闘は小手調べだったとでも言いたげに。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:41:55
すふん @suhn_Akvavit

「千代田。私はあいつの真上を取る。千代田はあいつの動きを抑制して。千代田の連続QBなら、あいつを釘付けにできるはず」 「了解。谷風から応援要請が来てるし、急ぐよ」 千代田はAMSを限界まで酷使し、QBで不知火に向け突撃する。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:48:09
すふん @suhn_Akvavit

千歳は肩武器のECM発生装置を起動し、高度を確保してから不知火を強襲する。前方ではマシンガンをばらまきながら異常なスピードでQBを連発する千代田。千歳が不知火をロックするのは容易だった。 「……まるで」 「あ?」 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:51:51
すふん @suhn_Akvavit

「まるで、児戯ですね」 千代田の視界から不知火が消えた。千歳が放った散弾の雨は海水を巻き上げたに過ぎず、不知火は彼女の機体の真横にいた。 「こいつっ……!!」 千歳はしっかりと見た。目の前のネクストが、不知火が、二段QBを連続で放った瞬間を。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:55:57
すふん @suhn_Akvavit

接近戦での千歳の圧倒的有利に変わりは無い。クイックターンで旋回し、敵を捕捉する。 「落ちろっ!!」 「沈め……」 ライフルの弾丸が4発、PAが干渉を起こすほどの超近距離から、千歳のサイドブースターと両腕部に直撃する。 #ギガベース日誌

2014-09-16 00:58:34
すふん @suhn_Akvavit

「そんなっ、どうし……」 更に二段QBを三回連続で放った不知火は、勢いに任せライフルをアクゼリュスのコアに突き刺した。かつてのオリジナル、ベルリオーズがやったように。 「沈めっ!」 「まさかっ、ノーロックでっ……?!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:02:11
すふん @suhn_Akvavit

ライフルの弾をコアに三発叩き込み、不知火はアクゼリュスを蹴り飛ばす。海面に叩きつけられたアクゼリュスのコアからコジマ粒子と爆炎が漏れ出し、コックピットの千歳の身体を包み込んだ。 「ぢ、よだぁっ、にげっ」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:05:56
すふん @suhn_Akvavit

トドメと言わんばかりにVTFミサイルとレーザーキャノンを叩き込まれ、アクゼリュスは大爆発を起こし海面に散らばった。 「千歳、おね、え?あっ、えっ、お前、お前ぇええぇっ!!!!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:08:44
すふん @suhn_Akvavit

姉の死を理解するより早く、千代田は不知火に向け突撃した。精細を欠いた直線的な動き。不知火はこれをクイックターン一回で回避し、バチカルの真後ろから背後に向けVTFミサイルとレーザーキャノンを撃ち込んだ。 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:11:20
すふん @suhn_Akvavit

VTFミサイルがPAを引き剥がし、レーザーキャノンが機体に突き刺さる。装甲は貫通しなかったが、リンクスとネクストを接続するヘッドパーツとその直下の回線が破壊された。 「あっ?あれっ、なにっ?何これっ、見えない!何よこれっ!!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:14:10
すふん @suhn_Akvavit

「お姉っ!何処っ?!提督っ!ねえっ、誰か!何も見えない、聞こえないよおっ!誰かあっ!だれかああっ!!」 オートバランサによって水上に棒立ちになったバチカルに、もう一発、レーザーキャノンが突き刺さる。 「え、あっ、なんかくるっ、嫌っ、何よ、何よこれ」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:17:37
すふん @suhn_Akvavit

行き場を無くした機体負荷は、AMSを通じて千代田の頭へ流れ込む。アスピナの高度な技術に裏打ちされた最新のAMSは、それらや高圧の電流を一切他へ逃がさなかった。 「AMSから、光が逆流する……!!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:21:06
すふん @suhn_Akvavit

不知火からの追撃に耐えかねたコアが爆発を起こす。千代田は、肉体と脳の両方を同時に焼き尽くされた。 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアッ!!!!!!!」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:24:11
すふん @suhn_Akvavit

「残AP、58%……余裕だったな。今ので懸賞金80万C。さっきのゴミも合わせりゃ160万Cだ。やっぱりバカみたいに強いよ、お前。ちょっとひやっとしたけどな」 「こんなことで、不知火は沈まないわ。じゃあ、あと160万ほど稼がせて貰う」 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:29:27
すふん @suhn_Akvavit

不知火は疲れた様子も見せず、ミサイルポッドをパージしてギガベースへと加速する。 百年以上前の大戦から、幾多の戦場を見続けてきた古兵がそこにはいた。 #ギガベース日誌

2014-09-16 01:34:02
すふん @suhn_Akvavit

千歳 FG部隊に所属する軽空母。最終カラードランクは19。 妹の千代田との連携に絶対の自信を抱き、ギガベース鎮守府を千代田、日向、谷風と共に襲撃するも、迎撃に出た不知火に圧倒され敗北。コックピット付近にライフル弾を撃ち込まれ死亡した。 #ギガベース日誌

2014-09-16 13:28:05