牧眞司の文学あれこれ その9(2016年)

牧眞司の文学あれこれ その8(2015年)の続きです。
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牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはフランク・ハーバート『デューン 砂の惑星〔新訳版〕』(ハヤカワ文庫SF)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-02 10:38:50
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― この新訳版で読み返し、正統にせよオルタナティブにせよ一意的な価値観でくくれない小説だと考えを改めた。復讐劇は作品の太い背骨ではあるけれど、それに絡みつくようにしてさまざまなサブストーリーが縦横に走っている。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-02 10:39:09
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいは三島浩司『ウルトラマンデュアル』(早川書房)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-09 16:31:02
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― これらの事情を背景として、ウルトラマン/ヴェンダリスタ星人/地球人の関係は善悪や正邪ですっぱりと割りきれない。このあたり一歩間違えると泥臭い話になってしまうのだが、作者はうまく加減をしている。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-09 16:31:19
リンク WEB本の雑誌 【今週はこれを読め! SF編】ねじれた宇宙外交事情を背景としたウルトラマンの闘い - 牧眞司|WEB本の雑誌 昨夏に刊行されたウルトラ怪獣アンソロジー『多々良島ふたたび』に続く、円谷プロ×...
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

『新ナポレオン奇譚』!! 面白いですよね! こういうふうにひねくれて――と見るのは常人の発想で作者は素直に書いたと思っているかも――愉快なユートピア小説は珍しい。しいていえばラファティの『トマス・モアの大冒険』にちょっと似ている。 twitter.com/boppggun2012/s…

2016-02-14 23:38:40
放克犬(さあのうず)@省エネモード @boppggun2012

はてなブログに投稿しました #はてなブログ 『新ナポレオン奇譚』 G・K・チェスタトン - 異色もん。 funkenstein.hatenablog.com/entry/2016/02/… pic.twitter.com/WB9mmw4Awh

2016-02-14 23:09:30
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいは宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-16 13:07:18
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― 〈パンドラ〉のアイデアはSF的興味を引く。音楽には宇宙の数学的秩序だけでは語り尽くせぬ「揺れ」「誤差」の妙味もあるが、〈パンドラ〉はそれすらもメカニズムによって発生させるのだ。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-02-16 13:07:39
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

トークイベントで宮内さんに音楽のことをいろいろ教えていただいた。ぼく的にもっとも印象に残っているのは真空管でなければ出ない音色があるという事実。オーディオマニアが真空管にこだわるのは思いこみやカッコつけじゃないそうだ。

2016-02-18 00:44:32
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

ディープな宮内ファンはセットリストに注目ですよ。「なに! このタイトル?」って発見があるはず。 twitter.com/SHINCHOSHA_PR/…

2016-02-18 11:16:27
新潮社 @SHINCHOSHA_PR

『アメリカ最後の実験』刊行を記念した宮内悠介さんのトーク&サイン会、大盛況でした。牧眞司さんとのトークの合間に、章立てのイメージをコード進行で示したり、次々と自作曲を流しつつ曲名を書いてみせたり、型破りなイベントでした。 (茶) pic.twitter.com/yw2b0ZulMq

2016-02-18 01:48:01
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

トークイベントでちょっとふれたのだけど、宮内悠介『アメリカ最後の実験』とリチャード・パワーズ『オルフェオ』は、音楽・アメリカ・家族・科学技術と人間性……とテーマ面で共通するところが多い。しかし、読み味は決定的に異なる。対照してみると面白い。小説に対する姿勢の違いというか。

2016-02-18 22:37:52
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

あと、スティーヴ・エリクソン『きみを夢見て』も、音楽・アメリカ・家族が題材。小説の構成に仕掛けがある点では宮内作品とも共通する。しかし、エリクソンのほうは構成そのものを(演出的に)見せていて、『アメリカ最後の実験』のほうがさりげなくてシブい。物語はハデだけど。

2016-02-18 22:38:03
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

篠田節子の芸術を主題とした小説(とくに『ハルモニア』)が好きなひとは、『アメリカ最後の実験』にも痺れると思う。

2016-02-18 22:53:32
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

たとえば、こんなくだりがある。〔もし天上にも音楽があるとするなら。(略)その音楽は人の耳には雑音(ノイズ)でしかないかもしれない。それでも、聴いてみたいと脩は思う。人間の音感では到達できない曲――理を積み重ねた先のみに発生しうる、その透明な建築物を。〕

2016-02-18 22:54:03
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

主人公・脩は「音楽に心などない」と断じながら、その発想が通用してしまうことに苛立っている。「音楽とは、もっと手強いものでなくていいのか」と考える。

2016-02-18 22:54:33
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

それは「自分の賢さごときを打ち砕く現実が、この世界に存在しなくていいのか。世界とはもっと色鮮やかで、酷薄で、一筋縄ではいかないものではなかったのか」という認識へと拡張される。

2016-02-18 22:54:52
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

あっ、正しくは『きみを夢みて』です。ちくま文庫。エリクソンの新作がいきなり文庫で邦訳されるなんて素晴らしすぎる。

2016-02-18 23:03:51
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

あと、だれかナボコフが『ロシア文学講義』でやったような精読で『アメリカ最後の実験』にアプローチしてくれないだろうか。ぼくは、作品の要所要所に描かれた「藍色の空」や「星空」の情景が、さりげなく読者の印象に刷りこむ宮内マジックだと思った。

2016-02-19 09:13:42
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

宮内さんに尋ねたところ、「一年にわたる物語だけど一夜の物語のごとく読めるように考えたんです」とおっしゃっていた。ニクいのは作中にアラビアンナイトにまつわるエピソードがあることで、その部分で「語られた内容」が「作品全体のなりたち」と照応している!

2016-02-19 09:14:01
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

ダニエル・アラルコン『夜、僕らは輪になって歩く』(新潮社)読了。内戦時代に扇動の罪で投獄された俳優が、年月を経てまた劇団を再開する。そこに加わった青年が、奇しくも同じような運命に飲みこまれていく。まるで因果の糸がからんでいるように……。

2016-02-21 16:47:08
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

世の中の不条理に押しつぶされる青春の痛み、他人の罪をあえて引き受けてしまう諦念。アラルコンは作中人物たちの心情を直接語るのではなく、ささやかなエピソードと断片的な情景を積み重ね、彼らがその運命を選ぶしかなかった理由――ひとことでは言いあらわせない――を、読者の胸へ伝えていく。

2016-02-21 16:47:29
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

サキ『けだものと超けだもの』(白水Uブックス)読了。キリッと引き締まった短篇三十六作。サキの視線は徹底的にシニカルなのだけど、そのモードのなかにずっと浸っていると、不思議なことに駄目な人間への愛情がちょっぴり湧いてくる。ぼくだけかな?

2016-02-21 16:51:19
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

澤見彰『ヤマユリワラシ 遠野供養絵異聞』(ハヤカワ文庫JA)読了。岩手県遠野は柳田國男『遠野物語』で馴染み深い。一方、歴史的には近世最大の百姓一揆があった場所だ。本書はこのふたつの要素を含んだ歴史ファンタジイ。供養絵を描く武士と彼に引き取られた娘の哀しい運命。

2016-02-21 16:59:48
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

神社に住む多賀狐の観点を導入したり、鮮烈な「赤」を差し色にするなど、巧みな構成に引きこまれる。

2016-02-21 16:59:56
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

ジェイムズ・L・キャンビアス『ラグランジュ・ミッション』(ハヤカワ文庫SF)読了。おお、いまさら宇宙海賊の話とは! ちゃんとした現代的テクノスリラーだけど、ロマンチックな冒険活劇の味もあって楽しい。とっぽい宇宙海賊よりも、彼を追う女性軍人のほうがもっとアウトローでヤバい!

2016-02-21 17:05:00
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