枇杷先生特別講義「これでわかる!非専門医のためのHTLV-1とATLLのすべて」

枇杷先生の講義を聞きながら、医クラたちが不思議なウイルスHTLV-1と風変わりな血液疾患のATLLのお勉強をします。
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ひよって呼んでいいか? @hiyo_p

いくら血中の抗HTLV-1抗体があってもそのリンパ球がHTLV-1に感染して増殖しているとは限らない

2016-01-06 23:15:10
ひよって呼んでいいか? @hiyo_p

鼻水が出ているけど、それがアレルギーによるものかウイルス感染によるものかは、たとえスギ花粉に対する抗体があってもアレルギーとは言えない

2016-01-06 23:29:57
レ点🧬💉💊 @m0370

血中にC型肝炎ウイルスがあっても、肝障害がC型肝炎とは限らない(酒の飲み過ぎかもしれない←よくあるパターン)。 @hiyo_p

2016-01-06 23:31:18
枇杷 @loquat_priest

ほぼご指摘の通り。HTLV-1キャリアは無症状で生涯を終えることもあり、Bリンパ腫になることもあれば、無関係のTリンパ腫になる可能性もある。キャリアにTリンパ腫を認めても、モノクローナリティが証明できなければ、ATLLではないTリンパ腫と診断します。@hiyo_p

2016-01-06 23:25:45
レ点🧬💉💊 @m0370

(1)はともかく、(2)は必要条件なのかな?HBVのTERTインテグレーションは割と位置が決まってるかもしれないけど、肝癌AAV-2や子宮頸癌HPVのインテグレーションの位置は結構バリエーションがあるのでは? twitter.com/loquat_priest/…

2016-01-06 22:52:22
枇杷 @loquat_priest

HTLV-1がこれらの腫瘍に関係していることを診断するには、(1)腫瘍細胞にHTLV-1の遺伝子が認められること、(2)その遺伝子が患者DNAに組み込まれた位置が全て同じであること、を証明する必要があります。

2016-01-06 22:50:07
枇杷 @loquat_priest

(2)は、腫瘍細胞がすべてある1個の細胞を起源として増殖してきた(モノクローナルである)ことを示すもので、悪性腫瘍であることの証明にもなります。いずれの発症のしかたでもモノクローナリティが証明されるので、同じHTLV-1が原因でも異なる病気のタイプがあることがわかりました。

2016-01-06 22:53:52
ひよって呼んでいいか? @hiyo_p

あ、なるほど。単クローンであることの証明か。

2016-01-06 22:58:03
枇杷 @loquat_priest

症状の出かたが違っても原因が同じなので、専門医はこれらをひとまとめにしてATLLと呼びます。ただ、出かたによって予後に明らかな差がみられるので、これを急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4つに分類しています。

2016-01-06 22:58:07
レ点🧬💉💊 @m0370

そういう区分があることを忘れていたけどいま思い出した! >ATLLの急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型

2016-01-06 22:59:09
ひよって呼んでいいか? @hiyo_p

急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型、いちびり型(関西人しかわからないボケ

2016-01-06 22:59:57
枇杷 @loquat_priest

治療については、専門的になるので簡単にお話しします。いずれのタイプでも基本は化学療法です。ただ治療成績は残念ながら悪く、標準的とされる治療を行っても、寛解率で約40%、奏功率で約70%、生存期間の中央値は10数ヶ月というところです。唯一根治が期待できる治療は造血幹細胞移植です。

2016-01-06 23:04:31
枇杷 @loquat_priest

ATLLの多くを占める急性型、リンパ腫型は成績が悪く上記の通りですが、すぶり型、慢性型では病気の進行が遅く、経過観察が可能な場合もあります。生存期間の中央値も数十ヶ月単位と長いです。これらのタイプでは最近、IFNと抗ウイルス薬の治療が注目されています。

2016-01-06 23:08:00
枇杷 @loquat_priest

ATLLの治療成績がよくない理由はいくつか考えられますが、最大の原因は腫瘍そのものが治療抵抗性だからだと考えられています。他に、多くが高齢発症で強力な治療が行えないことや、ATLLを発症した患者さんはAIDS並みの免疫不全状態にあり、日和見感染症を起こしやすいことがあげられます。

2016-01-06 23:14:34

そもそもATLL(成人T細胞性白血病)とT-ALL(T細胞性急性リンパ性白血病)の違いがわからなくなって混乱する聴衆に、わかり易く解説をくださる枇杷先生。

レ点🧬💉💊 @m0370

いろいろこんがらがってきた…。そもそも、T細胞ALLの白血病細胞とATLLの白血病細胞は何が違う?(基本の基本で混乱している人)

2016-01-06 23:08:18
ひよって呼んでいいか? @hiyo_p

T-cell leukemiaの中にATLLと非ATLLがあって、その鑑別のために遺伝子検査をするのかな(というトリアタマ理解

2016-01-06 23:10:55
レ点🧬💉💊 @m0370

ATLLってなんだっけ?(錯乱)

2016-01-06 23:09:52
レ点🧬💉💊 @m0370

この図の中でATLLはどこに入れたらいいの? (ハリソン内科学日本語第4版p806) pic.twitter.com/rdqTjyAYlv

2016-01-06 23:14:37
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枇杷 @loquat_priest

ATLLは、表現型として白血病の形をとっていても、末梢(成熟)Tリンパ腫瘍です。WHO分類でもそこに入っていて、ALLの属する前駆T細胞腫瘍とは分化段階からして別です。後述しますが、ATLL細胞はFoxP3+の制御性T細胞と考えられているようです。@m0370

2016-01-06 23:20:10
レ点🧬💉💊 @m0370

.@loquat_priest つまり、同じリンパ系悪性腫瘍でも、幹細胞/前駆細胞レベルで腫瘍化すれば「急性リンパ性白血病」で、分化した成熟細胞レベルで腫瘍化すれば「ATLL」だったり「菌状息肉症」だったり「NK/T細胞リンパ腫」だったりするわけですか?

2016-01-06 23:28:04
枇杷 @loquat_priest

その通りです。蛇足ながら付け加えると、「リンパ芽球性リンパ腫」はその名の通り前駆リンパ球腫瘍なので、WHO分類でもALL/LBLとして区別せずに扱っています。@m0370

2016-01-06 23:32:25
レ点🧬💉💊 @m0370

リンパ芽球性リンパ腫!「芽球の腫瘍」ってのは「前駆細胞の腫瘍」だから白血病と同じグループ!覚えた!

2016-01-06 23:37:04
レ点🧬💉💊 @m0370

えーっと、「成熟型(=末梢性)T細胞腫瘍」と「非ホジキンリンパ腫(←リード・スタンバーグ細胞がいないリンパ腫)」の線引きはどこでなされるんだっけか…? (無限ループに陥っている予感)

2016-01-06 23:33:59
レ点🧬💉💊 @m0370

あー、この話は以前にTLで出てきた「白血病と悪性リンパ腫の境界はどこで線引されるのか?」ってやつだ。。。

2016-01-06 22:50:29
枇杷 @loquat_priest

(HTLV-1が陰性のATLLもある?みたいなネタも仕込んでいたけど、混乱を助長しそうだからやめておこう)

2016-01-06 23:36:38
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