垂直感染キャリアが持つHTLV-1と水平感染キャリアが持つHTLV-1ではgag遺伝子に差があるとな。HBVのgenotypeが血液感染でC型、性感染でA型が多い、みたいな感じか。med.miyazaki-u.ac.jp/menekikansen/c…
2016-01-07 23:53:17風土病としても公衆衛生対策としても重要な課題を抱えたHTLV-1について解説をされる枇杷先生。
さて、もう少しだけおつきあいを。1970-80年代にかけて研究から公衆衛生まで目覚ましかった日本のHTLV-1/ATL学ですが、1990年以降は停滞してしまいます。一説では厚生省研究班の「HTLV感染症は風土病で、特に対策しなくてもいずれ減る」という見解が影響したともいわれます。
2016-01-08 00:02:09ところがその後の調査で、HTLV-1キャリアの数は横ばいで、その分布が変化して西日本にとどまらず全国的に都市部で増えていることがわかりました。地方から大都市への若年層の移動が背景と考えられます。 pic.twitter.com/PZL8JRGm2z
2016-01-08 00:05:38専門家は、これまであまりHTLV-1キャリアと接する機会のなかった地域の医療者が、適切でない対応で無用の不安や苦痛をキャリアに与える場面がみられるとして警鐘を鳴らしています。 日経メディカル特集:成人T細胞白血病 風土病から全国病に medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/searc…
2016-01-08 00:10:00「…抗体陽性との通知を受け、自宅近くの総合病院に相談に出向いた。来院の目的を告げると医師は彼女を別室に通し、マスクの着用を指示。そして、彼女の目の前で保健所に電話をかけ、「こんな患者が来たので、すぐそちらに行ってもらう」と連絡。彼女は怖くなり、保健所にも病院にも行かなかった。」
2016-01-08 00:11:41宮城県知事であった浅野氏のATL発症がきっかけでHTLV-1対策の機運が高まり、2010年より政府も動いてHTLV-1対策の充実が図られました(先ほどの日経メディカル記事参照)。妊婦検診も全国的に行われるようになり、抗体陽性者が一般外来に訪れることが増えると考えられます。
2016-01-08 00:22:09HTLV-1の診療は、ATLLを発症すれば血液内科医が、周産期は産婦人科医が担当することが多いですが、キャリアに対してはどの科や医師が責任をもって診るのか明確ではありません。また無症状のため必要なのは診察でなく指導で、適切な指導を行える医療従事者は限られている現状があります。
2016-01-08 00:15:45「HTLV-1陽性と言われました」と困った顔で相談されたときのために、こちらをご紹介しておきます。 HTLV-1キャリア指導の手引mhlw.go.jp/bunya/kenkou/k… HTLV-1母子感染予防対策保健指導マニュアルmhlw.go.jp/bunya/kodomo/b…
2016-01-08 00:25:33大変勉強になる御講演でした。
さて、枇杷先生にはATLL診療からHTLV-1の基礎的な話題、さらに風土病や衛生政策に及ぶ幅広い話題を大変わかり易くご講演いただき、明日からの皆様の診療に役に立てていただけると思います。フロアから、いや、タイムラインからの質問は半永久的に受け付けておりますのでリプライにてどうぞ。
2016-01-08 00:44:56「バカだから難しいことわかんないしー」と放棄するのではなく、わかろうとする努力が大事。全部を理解できなくても自分の関係することは頑張ろう。
2016-01-08 00:41:41さらに後日追加の補遺もありまぁす!
1月25日の追加講義のツイートです。
ウイルス粒子が細胞に侵入する際の足掛かりは、グルコーストランスポータのGLUT1の他に、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)とニューロピリン1(NRP1)があるそうです。
2016-01-25 18:55:45これらの分子がどのようにウイルス粒子と相互作用して、ウイルスが細胞内に侵入するかはまだよくわかっていないようですが、これらの分子の発現の違いによって、ウイルスの感染しやすさが決まってくるらしい。
2016-01-25 18:58:08活性化したCD4+およびCD8+Tリンパ球で、これらの分子の発現を比べると、CD4+ではGLUT1<HSPG、CD8+ではGLUT1>>HSPGだそう。HTLV-1はCD4+に感染しやすく、HTLV-2はCD8+に好んで感染する。
2016-01-25 19:12:15人為的にGLUT1やHSPGを強制発現させると、本来CD4+に感染しにくいはずのHTLV-2の感染効率があがる。逆もしかり。HTLV-1が主にCD4+Tリンパ球に感染するのは、このような細胞表面の分子の発現でも説明できる。J Virol 2006, 80: 8291-8302
2016-01-25 19:19:47