念のため確認しますが、リンパ球が含まれていない唾液、鼻汁、涙、汗などでは逆立ちしても感染できませんし、当然、飛沫や空気感染などもあり得ませんから、キャリアとの日常生活程度の接触で感染する可能性は事実上ゼロです。剃刀や注射針の共有、性交がなければOK。
2016-01-07 22:50:02(咳払い)えーと、輸血に関しては、1986年以降は全献血に対してHTLV-1抗体のスクリーニングが行われていて、陽性血は破棄されます。これだけでも輸血を介した感染のリスクはほぼゼロに近くなります。
2016-01-07 22:57:38HTLV-1は成人してからの感染が非常に少なく、HIVのようにウインドウピリオドによる紛れ込みがほぼ考えられません。さらに現在はGVHD予防のため放射線照射してリンパ球を殺しており、ユニバーサルに白血球除去フィルターも通しているので、輸血で感染することは「ない」と言えるでしょう。
2016-01-07 23:00:38HTLV-1は精子を介して水平感染するのに胎盤を通した血液感染はしないってのが、なんだか違和感あるな。胎盤はリンパ球が通過しないって言ったって、膣壁や子宮内膜を精子が通過するわけでもなかろうに。
2016-01-07 21:51:38性交による水平感染についてのデータは乏しく、HIVほどにはその実態はよくわかっていません。精液にはリンパ球が含まれること、膣分泌液にはほとんど含まれないと考えられることから、男性→女性の感染リスクが高いと考えられています。HIV同様にコンドームの使用は有効と考えられます。
2016-01-07 23:23:45昨日お話ししたように、免疫不全など特別の背景がなければ、乳児期に感染したHTLV-1がATLを発症するまで約60年かかります。そのため、仮に成人してから水平感染を受けたとしても、生涯のATL発症リスクはきわめて低いと思われますが、HAMなどのHTLV-1関連疾患の問題は残ります。
2016-01-07 23:25:59現状では、挙児を希望するカップルのどちらかがHTLV-1キャリアとわかっている場合、専門家と相談しながら、リスクをどう考え受け入れるかによって選択するしかないというところで、未解決の問題です。
2016-01-07 23:29:35最後に、母乳を介した感染です。この経路は、6ヶ月以上の母乳保育を行うとおよそ20%のキャリア母→子への感染が起こるため、対策上最も重要な経路と考えられています。
2016-01-07 23:34:56母乳をやめ、人工栄養(いわゆるミルク)にすると感染率が2-3%に下がるため、これが最も有効な対策に位置付けられています。未熟児など免疫の問題でどうしても母乳が必要な場合、3ヶ月以内の短期母乳にするとミルク同様の結果が得られるとのデータもありますが、少数であり確率していません。
2016-01-07 23:37:20他に、母乳をいったん凍らせるとリンパ球が不活化して感染性が下がるので、この方法がとられる場合もあります。注意すべき点は、完全母乳でもすべての子が感染するわけではないこと、ミルクを選んだ場合に無理解な周囲の「母乳派」に苦しめられる場合があることです。母との十分なICが求められます。
2016-01-07 23:41:48母乳を中止しても2-3%の感染がありますが、これがなぜか原因がはっきりしていません。分娩時の暴露が考えられていますが、一部は経胎盤感染の可能性も否定できないと思います。@dokikoYAMAYOKO
2016-01-07 23:48:04リンパ球のGLUT1の発現は、成人では低いのに対し乳幼児期に高いことがわかっています。全くの私見ですが、胎児の免疫系は形成過程にあるので、感染を受けにくくなっている可能性があると思います。@dokikoYAMAYOKO
2016-01-07 23:49:46直後かどうか不詳ですが、長崎県でしょうか? 長崎では1980年代から継続して妊婦検診と垂直感染防止に取り組んでいて、妊婦のキャリア率を1/7に下げた実績があります。それ以上はちょっとここではごめんなさい。med.nagasaki-u.ac.jp/gyneclgy/now/n… @Ochan78
2016-01-07 23:56:03HTLV-1はどうやって増えるんだろな。ウイルス自身のRNAは一旦宿主リンパ球DNAには組み込まれてプロウイルス化しないと、そこから次世代のウイルスRNAを作り出せない?つまり増幅にはDNAインテグレーションが必須?
2016-01-07 23:02:53そんなにホイホイとDNAに組み込まれるなら、リンパ球ではなく生殖系列細胞にプロウイルスが組み込まれて「生まれながらにして(受精卵の時点から)HTLV-1組み込みDNAを持つ悲運の家系」とかありそう…。
2016-01-07 23:04:59HTLV-1もウイルスゲノム全長ではなく一部欠損したプロウイルス欠損クローンがいたり、特に5'LTR欠損した2型欠損でウイルス抗原taxタンパクが生産されず宿主免疫を回避するようになり、急性型やリンパ腫型のATLLを来すとか聞くと、面白そうで勉強するのがワクワクするな。
2016-01-07 23:49:09