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岡山大学の論文不正問題についての整理

「研究不正を告発した教授らを岡山大学が解雇処分に」(http://togetter.com/li/923714) では内部告発に対する岡山大学の対応についてまとめたが、こちらでは告発された論文不正そのものに問題をしぼって整理した。(まだ途中ですが) 「論文不正」と一言でまとめてしまっているが、その中に「薬学部の博士論文」の話と「医学部の学術論文」との話があるので注意。
科学 岡山大学 研究不正 論文不正
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目次
  • 薬学部における博士論文の剽窃疑惑
  • 医学部における投稿論文の不正疑惑
  • 告発された論文不正に対する調査の状況
  • 本調査の対象となった5論文
  • 調査状況についてのコメント
  • 画像解析業者への委託
  • 不正調査に関する公開済み文書
  • 論文不正についての一般的な説明

片瀬久美子🍀 @kumikokatase
博士論文と学術誌に掲載される論文は別ですよ。。。 (混ぜるな危険)
薬学部における博士論文の剽窃疑惑
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
【岡山大学の件】最初の発覚は博士論文不正。 1.薬学部での学位審査システムの改革により、透明性を高めた。 2.学位審査で博士論文に不審点。調査したら不正が見つかり学位は授与されず。 3.既に学位授与された博士論文を調査すると2件不正が見つかり告発。4年経つが、大学はまだ対応せず。

『岡山大学における研究不正の告発(時系列)』(https://sites.google.com/site/investigationofokayamau/history)より該当部分を抜粋

平成24年1月
薬学部の研究室において博士論文の剽窃問題が発覚。薬学部教授会により調査、医歯薬学総合研究科長に報告される。榎本教授が大学法人監査室に学位論文に係る不正について告発する。研究科長および数名の研究科教授による不正調査が実施される。
平成24年3月
研究科長主導の上記の調査委員会が森田潔学長に報告書を提出する。

既に不正が発覚して以来3年以上が経過しているが、本件は未だ正式な取り扱いが行われていない。これは、研究の実態がない博士院生(社会人)が、研究室に所属している修士の研究成果をとりまとめて、自らの博士論文として申請し、不正に学位を得ていたというものである。複数の修士論文のほぼ全体が剽窃されていたこと、両者には研究室内における指導関係などもないことから、早々に学位の取消処分と、指導教員への懲戒処分が下されることが予想されていた。当該研究室には実験ノートが存在しないことも同時に明らかにされている。

医学部における投稿論文の不正疑惑
告発された論文不正に対する調査の状況
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
私のブログの方はダイジェスト版なので、不正告発の詳細等はリンク先に情報が詰まっています。 d.hatena.ne.jp/warbler/201509… d.hatena.ne.jp/warbler/201509… d.hatena.ne.jp/warbler/201510… d.hatena.ne.jp/warbler/201511…
リンク はてなダイアリー 岡山大学医学部不正調査の問題点 - warblerの日記 SUSPECTED MISCONDUCT IN RESEARCH PAPERS INVESTIGATED BY OKAYAMA UNIVERSITY 岡山大学で調査された論文..
リンク はてなダイアリー 岡山大学医学部不正調査の問題点2 - warblerの日記 SUSPECTED MISCONDUCT IN RESEARCH PAPERS INVESTIGATED BY OKAYAMA UNIVERSITY 2 岡山大学医学部不正調査..
リンク はてなダイアリー 岡山大学医学部不正調査の問題点3 - warblerの日記 「岡山大学医学部不正調査の問題点」 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20150901/1441033645 では、特に本調..
リンク はてなダイアリー 岡山大学の法人文書部分開示決定通知書に対する異議申し立ての内容 - warblerの日記 「各調査委員会の議事」、「著者から提出された画像」、および「解析を委託した業者に支払った金額」につい..
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
【岡山大の件】非開示とされた部分や文書を開示するよう異議申立てした件、 d.hatena.ne.jp/warbler/201511… 大学から内閣府の審査会に諮問したと連絡を頂きました。 www8.cao.go.jp/jyouhou/index.… 諮問の流れ www8.cao.go.jp/jyouhou/gaiyou…
本調査の対象となった5論文
  • 論文9
    書誌情報: Cancer Res. 2008 Oct 15;68(20):8333-41
    タイトル: Down-regulation of inhibition of differentiation-1 via activation of activating transcription factor 3 and Smad regulates REIC/Dickkopf-3-induced apoptosis.
    著者: Kashiwakura Y, Ochiai K, Watanabe M, Abarzua F, Sakaguchi M, Takaoka M, Tanimoto R, Nasu Y, Huh NH, Kumon H.
    データ(PubMed): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18922905
    全文: http://cancerres.aacrjournals.org/content/68/20/8333.long

  • 論文10
    書誌情報: Int J Oncol. 2012 Aug;41(2):559-64
    タイトル: REIC/Dkk-3-encoding adenoviral vector as a potentially effective therapeutic agent for bladder cancer.
    著者: Hirata T, Watanabe M, Kaku H, Kobayashi Y, Yamada H, Sakaguchi M, Takei K, Huh NH, Nasu Y, Kumon H.
    データ(PubMed): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22665039
    全文: http://www.spandidos-publications.com/ijo/41/2/559

  • 論文1
    書誌情報: Circulation. 2008 Nov 18;118:2146-2155
    タイトル: Collectrin is involved in the development of salt-sensitive hypertension by facilitating the membrane trafficking of apical membrane proteins via interaction with soluble N-ethylmaleiamide-sensitive factor attachment protein receptor complex.
    著者: Yasuhara A1, Wada J, Malakauskas SM, Zhang Y, Eguchi J, Nakatsuka A, Murakami K, Kanzaki M, Teshigawara S, Yamagata K, Le TH, Makino H.
    データ(PubMed): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18981302
    全文: http://circ.ahajournals.org/content/118/21/2146.long

  • 論文30
    書誌情報: Endocrinology. 2006 Jun;147(6):2681-9
    タイトル: Involvement of bone morphogenetic protein-6 in differential regulation of aldosterone production by angiotensin II and potassium in human adrenocortical cells.
    著者: Inagaki K, Otsuka F, Suzuki J, Kano Y, Takeda M, Miyoshi T, Otani H, Mimura Y, Ogura T, Makino H.
    データ(PubMed): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16527843/
    全文: http://press.endocrine.org/doi/10.1210/en.2005-1250

  • 論文31
    書誌情報: Oncol Rep. 2011 Apr;25(4):989-95
    タイトル: Intraperitoneal administration of an adenovirus vector carrying REIC/Dkk-3 suppresses peritoneal dissemination of scirrhous gastric carcinoma.
    著者: Than SS1, Kataoka K, Sakaguchi M, Murata H, Abarzua F, Taketa C, Du G, Yashiro M, Yanagihara K, Nasu Y, Kumon H, Huh NH.
    データ(PubMed): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21249317
    全文: http://www.spandidos-publications.com/or/25/4/989

調査状況についてのコメント
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
論文9は、Cancer Res. 2008 Oct 15;68(20):8333で、癌治療薬として治験が進められているREICの主要論文の1つで、画像加工が指摘された図は結論を導くメインデータです。 d.hatena.ne.jp/warbler/201510…
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
【岡山大の件】不正調査委員会の判定で、まずぶっ飛んだのが 「バンド像が不自然であるという点については、査読を受けて受理されている論文に対して合理性のある指摘と言えない」の一発目。 査読を受けた論文でも不正が発覚しているのは周知の事実。調査委員が自分で判断する事を放棄しています。
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
これはアウトでしょう。大学の調査でのシロ判定は無効です。→病院幹部「1枚の連続的な写真ではない。代表的なバンドの写真を参考として添付した」 / 論文不正:告発に生データ見ず「適正」 岡山大調査委 - 毎日新聞 mainichi.jp/articles/20160…
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
毎日新聞が取材で裏付けた「画像の切貼り」は、 mainichi.jp/articles/20160… 大学が委託した画像解析業者が「貼り付け操作」が「確認できない」と報告しています。 d.hatena.ne.jp/warbler/201509… 【論文30】この判定は、明らかにおかしいですね。
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
毎日新聞では“大学によると、病院幹部から「1枚の連続的な写真ではない。代表的なバンドの写真を参考として添付した」と説明があった”という事ですが、調査報告種は「パネルBとCは別の設定で行われた実験であること、また画像解析の結果から告発書における指摘は合理的ではないと判断する」(続)
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
本調査報告書では、「パネルBとCは別の設定で行われた実験であること、また画像解析の結果から告発書における指摘は合理的ではないと判断する」としてあります。(続) d.hatena.ne.jp/warbler/201509…
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
告発者はB,C各パネル内での画像の貼り付けを指摘しているのに、「別の設定で行われた実験である」とはぐらかしている上に、「画像解析の結果から告発書における指摘は合理的ではない」と画像切り貼りを否定しています。(続)
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
本調査報告書の画像切り貼り否定は、毎日新聞が証言をとった大学の説明と大きく食い違っています。 mainichi.jp/articles/20160… 大学の「早く報告する必要があり、報告書を簡潔にしようともしたため、言葉足らずな点があったかもしれない」という説明は非常に苦しいと思います。
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
【岡山大の件】産経新聞で依頼した「捏防」という業者が切り貼りの可能性を指摘していますが、私が依頼した別の解析スペシャリストが画像をFFT解析したところ、JPEGウィンドウが異なる別々の写真の画像貼り合わせが示唆されました。 d.hatena.ne.jp/warbler/201510…
片瀬久美子🍀 @kumikokatase
【岡山大の件】写真に切張りがあれば単純に不正とはなりません。例えば、電気泳動実験で同一ゲル内で比較したものを、余分なレーンを省いてクリッピングするのはセーフ。ただし、同一ゲル内でも泳動に歪みがあったりする場合があるので、きちんと揃っていることが前提。 ※生データ提示で疑念が晴れる
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コメント

大' @satodainu 2016年1月22日
論文不正そのものについてのこちらのまとめにも、文書非開示への異議申し立てが内閣府の審査会に諮問された旨を追記しました。
大' @satodainu 2016年1月26日
本調査の対象となった5論文の、書誌情報、タイトル、著者、URL などを追記した。
大' @satodainu 2016年2月1日
「論文不正についての一般的な説明」を追加。
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