自動化社会の行き着く果ては?「労働の義務」から「消費の義務」へのパラダイム転換

自動化社会が行き着けばほとんどの人が仕事を失う。収入がないから自動化社会が提供するサービスを誰も購入できなくなり、自動化社会が維持困難になり、崩壊してしまう。これを回避するには「労働の義務」という従来の発想を捨て、「消費の義務」という発想の転換が求められるかもしれない。
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shinshinohara @ShinShinohara

IT化が進めば多くの労働者が仕事を失うという予測がされている。自動車のグーグルによる自動運転が実現すれば、トラックやタクシーの運転手が仕事を失う。アマゾンの普及によってトイザらスや本屋が経営危機に陥り始めており、小売業の多くが雇用吸収力を失う恐れがある。

2016-02-17 22:56:58
shinshinohara @ShinShinohara

農業は大規模化が進められることで少人数による生産に切り替わりつつある。ホワイトカラーの仕事もパソコンとインターネット、そして人工知能の登場で人間が不要になりつつあり、仕事がなくなりつつある。安いサービスを追い求める企業は人を減らして自動化や人工知能に置き換えようと動いている。

2016-02-17 22:59:20
shinshinohara @ShinShinohara

ITや人工知能で置き換え可能な企業にとって、人件費はもはやコストでしかない。人件費を削れば、つまり雇用を減らせば安くサービスを提供できる。そこでどの企業もこぞって人を減らし、自動化を進めようとしている。すると合成の誤謬が起きる。そんな安いサービスさえ利用できない大半の貧乏な国民。

2016-02-17 23:04:12
shinshinohara @ShinShinohara

どんどん人を減らし、安いサービスを提供する企業は、シェアをどんどん獲得し、雇用を守ろうとする企業はコスト負担に耐えかねてつぶれる。そして失業者がますます増える。これが行き着くと、安いサービスさえ利用できない失業者だらけになって、そのサービスシステムも自滅する。

2016-02-17 23:08:04
shinshinohara @ShinShinohara

現在、お金のある投資家だけはグーグルやアマゾンに投資して、株の配当などで儲けられる。投資家は自動化を進めて人を減らし、もっと安いサービスを提供して市場を握れとせっつく。するとどうなるか。自動化を究極まで進めた企業は、失業者だらけの社会でお客さんを見つけられずに倒産してしまう。

2016-02-17 23:11:51
shinshinohara @ShinShinohara

グーグルによる自動運転システムやアマゾンによるネットショップが世界を席巻するためには、そのシステムを支えるに足る莫大なお客さんが必要。しかし自動化した企業が席巻すると、失業者だらけの社会になってお客さんがいなくなり、自動化したシステムの維持費さえ出せなくなり、自滅する。

2016-02-17 23:14:38
shinshinohara @ShinShinohara

投資家は、失業者がどれだけ出ようと自分さえ儲かればそれでよい、貧乏人は自動システムのサービスの対象外、金持ちだけが享受できるサービスであればそれでよい、と思うかもしれない。しかし国民のほとんどを失業者に追い込むほど巨大化した自動システムは、金持ちだけの利用だけでは維持できない。

2016-02-17 23:18:09
shinshinohara @ShinShinohara

多くの人々が利用するから、自動運転システムやネット販売システムのような巨大インフラが維持できる。なのに金持ち投資家は目先の利益を追い求めて、自動化して利幅を大きくする企業に投資してしまう。コストダウンという行動原理が、システム全体を破綻に追い込もうとしている。

2016-02-17 23:22:38
shinshinohara @ShinShinohara

自動化は、誰も働かなくても商品が製造され、配達される社会を実現する。しかしそのサービスを享受するには収入が必要。収入を得るには仕事が必要。しかし人間の労働をもはや必要としない社会では、仕事が極めて少ない。多くの人が、経済システムの埒外に置かれる。その結果、システムも自滅する。

2016-02-17 23:27:13
shinshinohara @ShinShinohara

自動化社会が実現してしまい、それを維持するには、多くの人々がそのサービスを利用できるようにしなければならない。誰も利用しないシステムなど維持できないからだ。しかしこれまでの社会は労働の対価として収入を約束する方式。労働が成立しない社会では、今までのやり方が通じない。

2016-02-17 23:29:55
shinshinohara @ShinShinohara

これまでの社会は、分配にあずかるためには「労働」を義務とし、その対価として収入を与え、サービスの分配にあずかれるという約束で維持されてきた。しかし自動化社会では、もしかすると、「消費を義務」とする社会にする必要が出てくるかもしれない。自動化社会を支える消費をする義務、だ。

2016-02-17 23:33:56
shinshinohara @ShinShinohara

食料だってパソコンだって自動車だって自動システムが製造してくれる社会では、労働が不要。むしろ、自動社会がスケールメリットをいかして機能を維持し続けられるように、一定の消費を全国民に義務付ける必要が出てくるかもしれない。労働の義務ではなく、消費の義務というパラダイム転換。

2016-02-17 23:36:16
shinshinohara @ShinShinohara

実は、現代人のほとんどは「生産」せずに「消費」ばかりしている。自動車もスマホも、地球が地下に溜め込んだ資源を掘り出して、最終的にゴミにしてしまう営み。工業生産という言葉は「生産」と言っているが、実際には、地球レベルで見れば単なる消費(エントロピーの増大)に過ぎない。

2016-02-17 23:39:16
shinshinohara @ShinShinohara

唯一、真に生産的な生産は農業。地球の地下資源を無駄に使わず、太陽エネルギーを取り込んで持続可能な方式をとるから。ただし現代農業は、かなりの割合で「消費」。石油や天然ガスのエネルギーを使ってトラクターを動かし、地下資源を掘り出して化学肥料を製造する。地球から見れば「消費」。

2016-02-17 23:43:25
shinshinohara @ShinShinohara

現代の経済システムが「生産」と呼んでいるほとんどの営みは、地球からすれば「消費」でしかない。紛らわしいのであえて造語するなら、「消耗性生産」。消耗性生産という意味では、最先端のスマホを製造することも、「いつもより多く回っています」という大道芸と大差ない。

2016-02-17 23:46:43
shinshinohara @ShinShinohara

化学肥料やトラクターを利用する農業も、残念ながら「消耗性生産」。真に生産的な生産、「生産性生産」は、地上で育つ資源だけでやりくりする農業だけということになる。となると、現代社会は、多くの人が働いているつもりになっているが、実は壮大な消耗性生産、つまり消費をしているだけだったのだ。

2016-02-17 23:50:07
shinshinohara @ShinShinohara

どうせほとんどの人が「消耗性生産」しかしてこなかったとしたなら、労働自体が実は「消費」でしかなかったということ。労働を義務とする社会から、消費を義務とする社会への移行は、実は考え方の転換というだけの話。自動化社会がそのパラダイム転換を可能にするなら、みんな考えを改めればよいこと。

2016-02-17 23:55:02
shinshinohara @ShinShinohara

消費を義務とする社会では、ベーシックインカム(基礎的収入)を全国民に分配することになるだろう。「働きもしないでお金をもらうなんて!」という旧来の考えがどうしても頭をもたげるが、自動化社会は人間の労働を必要とせず、消費だけを必要とするのだから仕方ない。

2016-02-17 23:57:34
shinshinohara @ShinShinohara

ただし、自動化社会とはいえある程度の人間の労働は必要だろう。より優れたシステムを考案する人々や、自動化するのが難しい分野の人が必要。こうした人々にはベーシックインカムの他に割り増し収入を保証する必要がある。

2016-02-17 23:59:49
shinshinohara @ShinShinohara

多くの人も、ただ安閑と消費するだけの存在で飽き足るはずがない。何かせずにはいられない。「人を喜ばせる」ことで「いいね」を押してもらい、それによって各人のベーシックインカムから幾分かを分けてもらうという「贈与経済」が起きるかもしれない。

2016-02-18 00:02:13
shinshinohara @ShinShinohara

「消費を義務とする」社会と言ったが、もはや地球は過大な消費を人類に許さなくなっている。従って自動化社会は、最低限の数の自動車で自動運転システムを構築し、運輸を円滑にすると同時に資源消費と環境負荷を最小限にすることが求められる。賢く消費することが義務付けられる社会になる。

2016-02-18 00:05:17
shinshinohara @ShinShinohara

好きなだけ消費するというこれまでの社会とは違い、ベーシックインカムで保障される消費より如何に小さく消費するか、ということが競われる社会なのかもしれない。多くの人々を喜ばせて収入を増やすものの、実際にはあまり消費をしないことで「貯蓄」した人が賞賛される社会。

2016-02-18 00:08:07
shinshinohara @ShinShinohara

かなりの発想の転換が求められることだし、実際には貧しい国が世界には多く、先進国だけで語られる夢物語で終わる可能性はある。しかし自動化社会は確実に進みつつあり、雇用、つまり労働を必要としない社会は確かに進行する。「機械が自ら考える」社会は、かなりの発想の転換が必要だろう。

2016-02-18 00:10:45
shinshinohara @ShinShinohara

産業革命以来、人類が「生産」と呼んできた工業生産は、実は「消耗性生産」、つまり地球から見れば地下資源を浪費するだけの「消費」でしかなかったことを忘れてはならない。だから、多くの労働は実は「消費」でしかなかったのだから、労働の義務を消費の義務に置き換えても地球レベルでは変化なし。

2016-02-18 00:13:58
shinshinohara @ShinShinohara

こうした発想の転換をもし成し遂げることができるなら、もしかしたら人類は地球が壊れる前に「消耗性生産」、つまり地球にとっての「消費」を減らし、持続可能な社会を作れるかもしれない。しかも、すべての人々に生きていくのに必要な消費を保証する社会を実現しながら。果たしてこれは夢だろうか?

2016-02-18 00:16:27