飯山幸伸著『弱小国の戦い 欧州の自由を求める被占領国の戦争』感想

知った気でいて全然知ってない、WWⅡに巻き込まれた中小国の戦いをまとめた本書。その概略と感想です。
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多足 @tasoku04

その土地に住み、畑を耕し、そこで得た産物を生活の糧とし家族を養ってきた人々に対し、その土地を離れろだの分け合えだのと、外野が言うのはホント簡単なんだけど、じゃあお前はその立場を味わったことあるんか? って話に当然なるよねえ。理想と現実の乖離が凄い。

2016-02-19 10:03:41
多足 @tasoku04

結局、バルカン半島はそういう入り乱れた状況だから、多数の国に別れるのも当然なんだろう。旧ユーゴスラビアって今何か国に別れてるのよ?? それぞれの集団に、その発祥地方面から支援があり、別勢力を伸ばしたがる諸外国の介入がある。サラエボ事件を理解するのに必要な知識量といったらもう…

2016-02-19 10:06:56
多足 @tasoku04

WWⅡでバルカン諸国は、イタリアによる侵攻をきっかけにドイツ軍の介入と占領、って流れだけどもその過程で親ファシズム政権がクーデーター起こしたり起こされたり、イギリスの介入まで招いたりで短期間ながら密度がなんかおかしい。

2016-02-19 10:10:24
多足 @tasoku04

イギリスの支援を受けたギリシャレジスタンスがドイツ軍を追い出したかと思えば、民族自立の意思の強い勢力に親英レジスタンスが拒否されたり、共産系レジスタンスと喧嘩になったり、ソ連が南下してきたり… 一体誰と戦っているんだ? というくらい「敵」が多い。味方とは何だ?

2016-02-19 10:13:06
多足 @tasoku04

それ考えたら多民族をまとめあげ、東西両陣営からの圧力と支援のバランスを取り、一つの国家とし40年まとめ続けたヨシップ・チトーって何者だったんだろう… それとも、まとめきれて無かったからこそのユーゴ崩壊だったんだろうか?

2016-02-19 10:15:21
多足 @tasoku04

まとめに入ると。 小さな国が沢山ある地域、ってのが世界中にあって、それぞれが紛争を抱えてる地域も多い。それに対しつまらんことでいがみ合うな、と言って平和を呼びかける人も多いけれど… そりゃ、平和が一番だろうが、それが出来ない背景ってものを軽視してないか、と強く感じるんだよね。

2016-02-19 10:21:02
多足 @tasoku04

恵まれた立場から理想論を訴えても、当事者にはまず届かないだろう。 じゃあ理想論は愚かな考え方かというと、さにあらず。現実の背景を探り、理想との落としどころを見つける努力こそが重要なわけで、「問題は根深いから解決はムリ」と達観したような事言うのはホント無益だと思う。

2016-02-19 10:27:37
多足 @tasoku04

WWⅡにおいて、欧州の小国各国の動きってのはなかなか知られていないと思う。飛び抜けたエピソードがあれば注目されるけれども、それはあくまでもそのエピソードのみがピックアップされるだけで、背景には無関心のままなんだよね。シモ・ヘイヘの件なんか顕著だろう。

2016-02-19 10:29:11
多足 @tasoku04

本書『弱小国の戦い 欧州の自由を求める被占領国の戦争』は、まさにそういう背景を深く知るためのガイドとして優秀だと思う。より深く、興味を掻き立てられる。 「知ったつもりでいるWWⅡ」に焦点が当てられているんじゃないかな。

2016-02-19 10:31:59
多足 @tasoku04

『弱小国の戦い 欧州の自由を求める被占領国の戦争』と併せて、同じく飯山幸伸著『中立国の戦い スイス、スウェーデン、スペインの苦難の道標』はかなりオススメの本です。 WWⅡと現代では状況は違うから単純比較はできないけれども、色々と現代の情勢を考える助けとなる本です。

2016-02-19 10:35:24