認知症関連で損害賠償請求された場合の最高裁判決についても弁護士の考察

とりあえず目にした範囲の弁護士の考察をまとめました。
5
前へ 1 ・・ 3 4
たろう teacher @tomo_law_

木内裁判官の補足意見で、 「責任無能力制度は本人の保護制度であるが、本人が債務を負わされないということにとどまらず、本人の行動制限がされないことが重要である」 とある。 今回の判例のエッセンスは、この一文に集約されていると思う。

2016-03-01 19:59:52
たろう teacher @tomo_law_

もともと、我妻さんもいうように、714条は「誰かに責任を負わせる制度」で、それを監督義務者でよいのかという問題でもある。 平井先生は、名著「債権各論」で、同条は政策的規定なんだから、限定的に考えるべき とサラっと書いていて、平野先生はそれをわざわざ言及していて、おもしろい

2016-03-01 20:04:18
たろう teacher @tomo_law_

潮見先生の信山社の「法律学の森」の不法行為では、法定監督義務者であっても、実質的に監督の引き受けをしている者に限定すべきであり、逆に、法定監督義務者でなくても実質的な引き受けがあれば類推適用されうるとしていて、ロジックは違うが今回の判例と方向性は似ているのが面白い。

2016-03-01 20:06:51
たろう teacher @tomo_law_

手持ちの基本書を漁ってみると、ほとんどの教科書は法定監督義務者に「後見人」を含めている。今回の判例が明示的に外したことから、改訂の必要性が出てきた。つまり、稼ぎ時。

2016-03-01 20:09:21
たろう teacher @tomo_law_

色々基本書をあさったところ、今回の最高裁判例のロジックでの説明の本が1冊もなかった。ということは、この判例は、ものすごくインパクトのある判例で、監督責任者の不法行為の学説にめちゃくちゃ影響あるんじゃないかと思う。

2016-03-01 20:13:54
たろう teacher @tomo_law_

「法定監督義務者」の根拠条文は明確かつ実質的な内容を要求する。成年後見人は該当しない。 そこからはみ出た場合について、「これに準じる」として類推適用があるかを考える。 こういったロジックが最高裁から明示された。 今後は、このロジックを前提に実務が動いていくんだろうな。

2016-03-01 20:17:08
たろう teacher @tomo_law_

これも個人的な読み方だけど、「成年後見人じゃないから、責任おわなーい」というものではない。あくまで「ただちに法定監督義務者に該当しない」としているのも注意。 個人的には、成年後見人の身上監護が粗雑だった場合、「成年後見人の注意義務違反」からの責任が問われるのではないかと思う。

2016-03-01 20:22:48
前へ 1 ・・ 3 4