2016年3月11日 被災者の目から見た5年めの被災地の現状

去年と同じ質問事項について、あのとき考えていたことをまとめました。 3月12日に暫定的にまとめたものなので、今後見やすく編集させていただきます。
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みんティアさん®︎ @hicapamin

さて風呂も入って心身ともに清めてきましたので、いただいた質問に対していくつか回答させていただきます。

2016-03-11 22:39:34
みんティアさん®︎ @hicapamin

「震災前と比べて仕事の給料面、人数、業種はどう変わった?」(P.N.パピコ) 市がまとめた復興のデータで説明します。 有効求人倍率 2011年2月・・・0.57倍 ↓ 2013年2月・・・1.46倍 また、2016年現在の県内平均求人倍率はおよそ2.0倍(夕方のニュースより)

2016-03-11 22:46:41
みんティアさん®︎ @hicapamin

震災直前とその2年後においての推移です。 事務系の求人は震災以前から現在に至るまで0.5倍弱の低水準が続いています。 製造業の求人倍率は0.55倍→1.7倍、とくに水産加工など食料品は2倍を超えています。 また、土木工事や運輸業は0.7倍→2.24倍。

2016-03-11 22:52:27
みんティアさん®︎ @hicapamin

@hicapamin 現在の詳細なデータが手元に無いため主観の意見ですが、事務系の求人は変わらず低調。 食品加工や水産は工場の再建や再稼動が進みますます求人が激しくなる見込み(夕方のニュースでは県内で5倍とも)。 土木関係は暖かくなって出稼ぎ層が北へ帰ればまた増えるかもしれません

2016-03-11 22:56:05
みんティアさん®︎ @hicapamin

訂正 土木関係は今後東京オリンピック関係で人材が関東方面に流れそうなので、必然的に働き手が減るだろうというのが被災者共通の思いです。 また、全国的な問題ですが介護職の働き手も不足しています。

2016-03-11 22:58:58
みんティアさん®︎ @hicapamin

「農作物の風評被害はどのくらい減った?」(P.N.トゥー) 風評被害に関しては、とりあえず福島のほうが深刻だからトウホクシティはあまり気にしていない感じがします。もっとも、食品中の放射能測定はちゃんと行っていて、測定結果が毎月広報に表示されています。

2016-03-11 23:01:27
みんティアさん®︎ @hicapamin

被災3県は放射線測定をかなり厳重に行っていて、福島なんかは国が定めた安全値をさらに下回る数値で無ければ出荷しない、という大変厳しい検査をしていると聞きます。放射線の情報はいろんな書籍やデータがあるので自分で調べられるかもしれません。少なくとも「福島の食品は世界一安全」に嘘は無い。

2016-03-11 23:06:51
みんティアさん®︎ @hicapamin

トウホクシティでも震災後水揚げされたタラから放射線が測定され、長期にわたってタラの出荷が停止されたという経歴もあります。風評被害の根絶のために漁協や農協はかなり労力を割いていますので、市場に並ぶ商品はそうした労力の結果出荷された安全な食品です。

2016-03-11 23:11:47
みんティアさん®︎ @hicapamin

「世間の目、即ち被害を受けなかった人たちからどう思われているように感じますか」(P.N.鈴藤) この質問はちょっと重いので丁寧に答えます。 なお、「被害を受けなかった人たち」は「被災者と同じ被災地に居住しているけど津波や地震の被害が無かった人たち」と仮定しています

2016-03-11 23:16:42
みんティアさん®︎ @hicapamin

ぼくの所属する仕事チームの一人、とりあえずAさんと仮称します。 Aさんは高校生の子どもを育てながら仕事をしている女性です。家は山間にあり津波被害も地震被害もありませんでしたが、家は電気や水道も長期間ストップし、彼女の職場も被災して解雇された身の上です。

2016-03-11 23:21:33
みんティアさん®︎ @hicapamin

皆さんはAさんのこの状況を見て、彼女とその家族は被災者であると思いますか?

2016-03-11 23:23:24
みんティアさん®︎ @hicapamin

残念ながら、Aさんは「自分たちが被災者ではない」ことを自覚しており、その他の被災者全般に対してちょっとした負い目と妬みを感じているようです。

2016-03-11 23:27:23
みんティアさん®︎ @hicapamin

被災地において被災者とは「罹災証明書」が発行された人のことであり、「罹災証明書」とは家屋の損害が一定以上の世帯に対して交付される、一種の被災した証明書にあたるものです。 国や赤十字の災害支援金も、仮設住宅に入居することも、この「罹災証明書」を持つ被災者がすべて権利を有します。

2016-03-11 23:31:59
みんティアさん®︎ @hicapamin

つまり被災者とそうでない人の区別は「家が壊れたか壊れてないか」が根源であり、その条件で言えばAさんはいくら生活や経済にダメージを受けても被災者の要件は満たしていないことになります。

2016-03-11 23:33:33
みんティアさん®︎ @hicapamin

その結果、Aさんはまったく支援らしい支援を受け取ることもできず、仕事を探し手働いて、今年になってようやく子どもを高校卒業まで養いきりました。

2016-03-11 23:36:49
みんティアさん®︎ @hicapamin

その一方で、ぼくの高校の先輩は当時沿岸部のアパートの2階に入居していて、津波が来ても波が届かず被害を免れましたが、その土地が「津波危険区域」に指定されて立ち退くことになり、罹災証明書を貰って現在も仮設住宅に入居しています。批判ではないですが、彼の家具に一切の被害はありませんでした

2016-03-11 23:44:23
みんティアさん®︎ @hicapamin

Aさんと先輩の比較をすることは野暮でしかないのは事実ですが、こうした被害状況のミスマッチが被災者とそうでない人の軋轢になっていることは事実です。

2016-03-11 23:46:43
みんティアさん®︎ @hicapamin

被災当初も、避難所に届いた食料品や支援物資は避難者に配られていました。しかし、商店も被災して買い物もまともにできなくない状況で家のある人も同じくらい苦労しました。避難所に支援を求めた時、避難者に「家のある人が何しに来た」と侮蔑の言葉を吐かれた、という話を当時聞ききました。

2016-03-11 23:52:34
アリの人(挨拶は気まぐれ) @arino_hito

@hicapamin 被災者という定義を広範囲にすると関東でも停電と自粛のせいで同業他社が複数潰れてしまいました。自分も3ヶ月近く関西の仕事を除いて仕事を全部キャンセルされて貧窮しました。本当は経済を回して元気にならなきゃよそに手を差し伸べられないのに…

2016-03-11 23:55:13
みんティアさん®︎ @hicapamin

帰るべき場所を失った悲しみや苦しみは万人が想像するところですが、その一方で帰る家が残っていたせいで他の支援が受けらず苦しんだ家族もいました。 Aさんは初めの頃こそ被災した子どもの友だちの見舞いに行ったり、一時的に水道が通るようになった時は数人の知人に汲ませたりしたそうです。

2016-03-11 23:57:15
みんティアさん®︎ @hicapamin

しかし「Aさんの家は水道が使える」という情報をどこからか得た知らない人が汲みに来るようになり、挙句「この家で水が汲めるらしいぞ!」と家の前で叫ばれたこと、そして程なくして水の出が悪くなってきて水汲みを断らざるを得なくなったことを話ボヤキ気味に話していました。

2016-03-12 00:01:53
みんティアさん®︎ @hicapamin

みんなあの時だけは生きるのに必死でした。その中でちょっとした善意を見せていたAさんは、結果として多くの人の要求に応えなければならなくなり、その厚かましさに辟易したということです。 それ以来、Aさんは時々「いつまで自分たちが被災者だと思っているんだ」という言葉を口にします。

2016-03-12 00:04:51
みんティアさん®︎ @hicapamin

このツイートをまじめに読んでいる皆さんは賢明な方だと思うので、きっとAさんも厚かましい被災者も責めることはできないと思います。 ただ、家の被害だけで被災者かどうかは制度上決められても、それ以外の面で受けた被害はみんな共通していたことは間違いありません。

2016-03-12 00:07:32
ぱーる @aoisoranomasita

3月12日大震災の翌朝3時59分15秒 長野県北部と新潟県中越地方に最大震度6強の地震があったんだ。あまり知られていないけれど、地元は人が生き埋めになったり相当大変だった。 新潟の実家は人災はなかったけれど 家が結構壊れて 今も傾いてる。長野県北部地震の被災地にも思いを寄せて。

2016-03-12 00:09:13