- ElementaryGard
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26)これを見て面白いと思った点が二つあります。一つは、国語が一年生の時点では理科も兼ねているということ。理科を習いだすのは小3からですからね。一つは、子どもたちは文法をほとんど習わないでも観察文が書けると想定されていること。 pic.twitter.com/XCtBBySUP5
2016-04-11 13:31:3827)で、挿絵をよくご覧ください。観察文を書く人間が描かれています。吹き出しがついていますね、つまりこれは話しことばです。話しことばはもう子どもの体に実装されているのでいちいちゼロから教え込むまでもないわけです。
2016-04-11 13:34:3828)そして「です・ます」体を使って、話しことばを書きことばにアダプテーションする技をここで教え込むわけです。ことばはまだことばとして自律しておらず、話者の身体の一部としてあることがおわかりいただけるでしょうか。話が難しい?ごめん。
2016-04-11 13:36:5129)ことばがまだ話者(〈書き手〉になる手前の段階にいる)の体の一部であるように、その文がちゃんと書けている、つまり文法的に正しいかどうかの判定も、文法という自律したシステムではなく親が行っている。ここが興味深い。 pic.twitter.com/mcLW1OZTfa
2016-04-11 13:41:4930)ところが次のページで保護者が消える。文が正しいかどうかの判定は、保護者や親ではなく自分で行えと命じられる。このとき生徒は文法の存在にうっすら気が付いていく…そういうつもりで編纂されているのかなこの箇所。 pic.twitter.com/rj9eCXjiwA
2016-04-11 13:45:2931)ここではもう正しい正しくないの判定は、話者の身体的感覚でもなければ保護者の暖かい目線でもなく、冷徹なシステムによって機械的に行われるのだと生徒に突きつけられています。 pic.twitter.com/BBmDZ1QlwU
2016-04-11 13:49:2332)少し自分の思い出話をします。小学校に上がる少し前、自分は公園で転んで腕の骨を折ってしまい、それが関節部分の骨折だったために治療が難航しかなり長い間入院していました。たかが片腕と思わないでほしい。寝返りも許されない生活を強いられました。
2016-04-11 13:52:5534)当時の自分はそこまで深くは考えなかったと思うのですが、あれはつまり人間も機械でしかないと子どもに突きつけるのと同じでした。いえ医者が残酷だとかそういうことではなくて、哲学的に深く考えてみるとということです。
2016-04-11 13:55:0235)子どもにとって呼吸と同じくらい当たり前になっている、聞く話すという行為を、次第に人体の骨格標本とかレントゲン写真のように眺めるよう誘導するのが、国語教育の定めなのだともいえそうです。
2016-04-11 13:56:5036)小1でそこまではいかない。やはりまず身体の延長として言語活動をさせていくわけです。 pic.twitter.com/uCHkis61zY
2016-04-11 13:58:2837)ことばの基本はもののなまえ。なまえ(名詞)にも種類というか階層の違いがあることを子どもらに気づかせるのは大切です。この導入はうまいですね。 pic.twitter.com/eMhCNPkukX
2016-04-11 14:02:1738)昔読んだまんがで、小人というか妖精の女の子がいて、人間の成人男子と知り合って「ニンゲン!」と呼びかける。「ぼくはスコット・フェリーっていいます。人間というのはぼくらの総称でね」と返すやり取りがおかしかった。
2016-04-11 14:04:0939)ここまでで小1です。やはり〈こくご〉であって〈にほんご〉は教えられていないわけです。それはもっと後で行うことだから…と思ったらこの後全然教えられないという悲劇。
2016-04-11 14:07:0640)ことばはまず身体の一部としてある。座ったり立ったりすねたり怒ったりするのと同じように。はなしことばはやがてかきことばに変換される。かきことばになることではじめて文法が発見される。知らずに使っている・縛られているルールというか構造が意識される。
2016-04-11 14:09:5741)ああこれってみかん3こが入ったパック四つだとぜんぶでみかんは何個でしょうという問題を解くのに、小学校の算数では3×4=12と答案に書くと正解とされるのに4×3₌12と書くとバツにされるというあの問題と関係してくる気がする。
2016-04-11 14:12:2042)4×3でも3×4でも答えは同じ。これは交換法則といって、数学の基本構造。ここをさらに掘り下げると群論という面白い数学ジャンルに進める。そのかわり日常生活で身についた感覚から遊離していく。天動説から地動説にパラダイムシフトするように。
2016-04-11 14:15:4944)そうそう「だ・である」体と「です・ます」体が、小1国語では面白い使われ方をしている。前者は絵本や歌の文体で、つまり子どもにすれば天下りでやってくる。ところが後者は自分からひとに語りかけるときの文体。
2016-04-11 14:40:5045)モルモットの観察文とか、級友相手の発表会で、自分からひとに語りかけるとき使われるのが「です・ます」体。すでに体に実装された〈話しことば〉を、この「です・ます」体によって〈書きことば〉に変換する技を小1後半に教えこむ。
2016-04-11 14:43:42