森村泰昌連続講座「新・美術寺子屋/自画像の話」第3回「ベラスケス~画家はなぜ絵の中に登場したのか」

Ustreamでリアルタイムストリーミングされた講義を聴取しつつ実況ツイートしたのでまとめ 2016年4月17日(日)14:00~ 国立国際美術館 http://morimura2016.com/event.html
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みそむーおでん @misoni_2013

森村「さまざまな説がありベラスケスは寡黙で何も述べてないので仮説となるが、私は2つの意味の裏表があり、裏の意味とはこの絵の中にあると思う

2016-04-17 15:58:56
みそむーおでん @misoni_2013

森村「絵によって覆い尽くされた部屋だがそれを暗くし何も無いようにしている。人間がここにいるなら赤線下が地上でありその上が天上だ。祝福すべき絵なら天使や神がいるがフォールが言うよう悲しい世界にベラスケスは生きておりカラヴァッジョ同様闇の世界であり何も描かれない

2016-04-17 16:01:16

[補足]
Ustream広告で中断され詳細は不明であるものの、「赤線」との言葉は、これは講義中にラス・メニーナス画像を出しそこに補足として赤線を入れており、それは人物の頭部周辺を水平線で分けた線で、人物の世界と絵画のみある画面上部の世界に分けたもの

みそむーおでん @misoni_2013

森村「フォールは「ベラスケスは夜の画家であり広がりと沈黙の画家である」という。だから天上は暗闇だと。 では聖ルクレイティアの埋葬の絵をみるが、やはりこれも天上がまっくらけだ

2016-04-17 16:02:29
みそむーおでん @misoni_2013

森村「カラヴァッジョの絵は斜めに天上がまっくらであり、墓掘り人が両端におり真ん中にルクレイティアがいる。 これをまねたと言うのではなく、カラヴァッジョの宿題をベラスケスも抱えていたのだろう、と

2016-04-17 16:03:31
みそむーおでん @misoni_2013

森村「ラスメニーナスの人物配置をみる。地上天上を分かつ中心に大人が配置されている。天上こそ何者かを絶対的に支配するものだがその境界にならんでいる、と

2016-04-17 16:04:40
みそむーおでん @misoni_2013

森村「最も光輝いているのが女性たち。真ん中にマルガリータ。右端には背が低い二人。最も前であり最も大きく描かれるのが犬。 つまり子どもたちの遊び場が画面の一番明るい場所として描かれている、と

2016-04-17 16:05:42
みそむーおでん @misoni_2013

森村「さてラスメニーナスのベラスケスの位置だが、顔から下へ目線を動かすと、向かって左側の侍女のスカートの裾を見て欲しいが大きなキャンバス前に来ている、となれば、ベラスケスとキャンバスの間に侍女がいるという状態だ

2016-04-17 16:06:44
みそむーおでん @misoni_2013

森村「画家の位置、宮廷で最も周辺的な人々、その間に割りこむようにおり、そして大人の位置にもいる、とそのクロスオーバーな状況でベラスケスはラスメニーナスの中にいる 観念世界における逆遠近法だ。

2016-04-17 16:07:54
みそむーおでん @misoni_2013

森村「近景には犬や道化、中景には大人で、その間にベラスケスはいる。 遠景に鏡がありそこに国王があり今ににかききえんとばかりそこにいる

2016-04-17 16:08:45
みそむーおでん @misoni_2013

森村「観念世界の逆遠近法とはつまり、最も値打ちのあるものがそこでそうでないものがそこだ、と。 もっとも目につくところに障害者や犬がいる。これは宮廷画家として許されるものでなくその逆王様が最も大きくその他が背景に沈んでこそオーソドックスだがその逆になっている、と

2016-04-17 16:10:00
みそむーおでん @misoni_2013

森村「王様に「あんた終わってますねえ、ラスメニーナスの前にいる人達が正しいですねえ」なんて言えるわけはない。そこでリバーシブル。2つの相手に向けて違ったメッセージを送っている。 では誰に向かって語りかけているか

2016-04-17 16:11:08
みそむーおでん @misoni_2013

森村「さて、私の作品の中から選んだものから一点。 ベラスケスのみならず肖像に描かれた人物どころかスペイン・ハプスブルクも消滅した。それを近代人の私が見に来た。そんな近代人に対して眼差しを向けこのような絵を描いたのは私ベラスケスだと語りかけている。

2016-04-17 16:12:28

[参考]
森村泰昌展「ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」

資生堂ギャラリーhttp://imaonline.jp/library/exhibitions/521192b86a8d1e2cdc000001/
産経新聞美の扉
http://www.sankei.com/life/news/131020/lif1310200012-n1.html

ブログ
http://blog.goo.ne.jp/kogiku-tamae-tibi/e/dcd33b65d32649f718dd58f12adcc2de

みそむーおでん @misoni_2013

森村「さて、これが裏の意味だとするなら、表の意味はなにか。

2016-04-17 16:12:47
みそむーおでん @misoni_2013

森村「さて、ラスメニーナスの空間配置を見るとこうなる。

2016-04-17 16:14:40
みそむーおでん @misoni_2013

・・・・ 森村「画家の位置のところに入れ替わり国王が位置する、そうするとラスメニーナスの情景が出現する。

2016-04-17 16:15:44
みそむーおでん @misoni_2013

森村「ラスメニーナスというタイトル、これはプラド美術館所蔵だがその台帳につけるためにそうなったが、その前は「フェリペ四世の家族」、そしてベラスケスが亡くなる6年前には「国王の夏の執務室に飾られていた」、と

2016-04-17 16:17:09
みそむーおでん @misoni_2013

森村「オフィシャルな場所でなく、国王の執務室、つまりなかばプライベートな場所に飾られていた。

2016-04-17 16:18:13
みそむーおでん @misoni_2013

森村「フェリペ四世がベラスケスに執務室にいい絵がほしいんだけどなんかない?と聞きそれに応えたものだろう。

2016-04-17 16:19:18
みそむーおでん @misoni_2013

森村「この絵はある場所から見るとイリュージョンが発生する。そこから皇太子の間が発生するような。タブローでしか無いしかし画家が描いてた場所に国王のテーブルを置きそこからふと目線を画面に向けたところ奥行きのある皇太子の間が絵から出現する、と。それが執務室に飾られている。

2016-04-17 16:20:55
みそむーおでん @misoni_2013

森村「では執務室に座るのは誰か。それはフェリペ四世しかない。彼しかしかるべき形で見るものはいない。描かれてるのはハプスブルク家の血を純粋に引くマルガリータ王女と彼女が遊んでる姿でありふっとフェリペ四世を振り向いている、と

2016-04-17 16:21:48
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