教科書にエレン先生がデビューするまで

0
It happens sometimes @ElementaryGard

1)エレン先生の騒動に刺激されて色々調べたくなったことがあります。語学補助教員、いわゆるALT(Assistant Language Teacher)が中学英語教科書に登場するようになったのはいつからか?

2016-04-22 17:58:09
It happens sometimes @ElementaryGard

2)昭和62年(1987年)からだそうです。ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96… 外国語青年招致事業の一環としてスタート。

2016-04-22 18:01:17
It happens sometimes @ElementaryGard

3)>主な参加要件としては、40歳未満であること、3年以上の日本在住歴がないこと、などが挙げられる。参加者の90%が外国語指導助手として従事することになる。 ちなみに街の語学教室の教師より高給です。

2016-04-22 18:01:49
It happens sometimes @ElementaryGard

4)エレン先生が出演している東京書籍の、昭和62年度の中学英語教科書を見てみましょう。 pic.twitter.com/hk05impwgs

2016-04-22 18:06:11
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

5)現在の中学英語の教科書は六社ともなんちゃってインターナショナルスクールが舞台ですが、この昭和62年度のものもすでにインスク設定なのか…と早とちりしてはいけない。この子たちは同じ学校には通っていないのです。 pic.twitter.com/Y2dDqzwKbm

2016-04-22 18:08:18
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

6)アメリカからやって来たマイクは日本のアメリカンスクールに通っていて、一方でケンとジュンコの二人は日本の中学校の生徒です。そしてなんの脈略もなく声をかけあう仲になってしまいました。 pic.twitter.com/EkO5w7zPTL

2016-04-22 18:11:29
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

7)ケンとジュンコが通っている中学校とはまた違う学校のようですが(少なくともイラストを描いたひとは違う)この教科書で描かれる英語教師はこのとおり日本人です。 pic.twitter.com/DJ13DRNPBA

2016-04-22 18:13:25
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

8)この頃はまだ Ms っていわなくて Miss だったんですね。これより数年前に朝日新聞に載っていた『フジ三太郎』のなかで女性上司の二人から「これからはミズと呼びなさい」と言われた三太郎が「見ずなんて失礼でしょ。いい女は見たいんだから」とボケるネタがありましたが。

2016-04-22 18:15:33
It happens sometimes @ElementaryGard

9)マイクは中一教科書の終盤でアメリカに帰国して、中二教科書ではサンフランシスコに戻ってきます。 pic.twitter.com/cwrvBZLGcQ

2016-04-22 18:18:24
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

10)サンフランシスコの学校には日本人の女の子が在籍していてマイクと級友になります。今の東京書籍の版でも中二ではアメリカにホームステイする、つまり舞台がアメリカの学校に移ってエレン先生の出番がなくなるわけですがこの頃からの伝統か? pic.twitter.com/MWYXG4p807

2016-04-22 18:21:12
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

11)左のページは日本の中学校で Classroom English だそうです。なんだろうくらするーむいんぐりっしゅって?それはいいとして右のページはサンフランシスコに戻ってきたマイク。 pic.twitter.com/70VsnWRDd3

2016-04-22 18:24:05
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

12)モノホンの英語に直接触れる物語設定としては、アメリカンスクールの生徒という、出島のオランダ人みたいな人物を設定して仲良くなるか、向こうに引っ越して向こうの学校に通っているかしないと成り立たないと判断したようです。

2016-04-22 18:25:57
It happens sometimes @ElementaryGard

13)その一方で、カセットテープ教材で英語を学ぶ教室の様子をしっかりイラストで描く。出島も引っ越しもしょせんはおとぎ話ですよ皆さんはテープ教材で我慢してねと白旗を振っている、または良心を見せている。

2016-04-22 18:27:49
It happens sometimes @ElementaryGard

14)こっちの話はおとぎ話ですからね、と日本のミスサトウ先生は生徒たちにくぎをさしているわけです。 pic.twitter.com/Kxw2MzkH1c

2016-04-22 18:31:28
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

16)あか抜けたアメスクの生徒と日本のだっさい中学校の生徒が仲良くなる設定はなくなって、マイクは日本のインターナショナルスクールの生徒ということになっています。中一の終盤で帰国する設定は踏襲されていますが。 pic.twitter.com/PZ8TSChco2

2016-04-22 18:42:01
拡大

17)私服姿です。制服ではなく。ここが興味深い。

It happens sometimes @ElementaryGard

18)面白いことに、この設定とは別に、日本の中学校のイラストもあるんですよ。例によってミスサトウと生徒たち。学ランとセーラー服。この教科書で学んでいる子たちはこれで現実に引き戻される。 pic.twitter.com/T7yy9PuqfZ

2016-04-22 18:47:17
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

19)中二篇では旧版と同じくサンフランシスコの中学校が舞台になって、そこに日本人の女の子がどういうわけかいる設定です。 pic.twitter.com/43I3FW3bb9

2016-04-22 18:50:47
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

20)中三篇でようやくALTと思われる教師が出てきます。アメリカにホームステイしたいと思うカズオが Ms May なる女性の英語教師に相談している。中一篇では Miss Sato だったのに中三篇では Ms 呼称になってる。不思議。 pic.twitter.com/o2pKZNYcCt

2016-04-22 18:55:54
拡大
It happens sometimes @ElementaryGard

22)先ほど1990年版のみ人物紹介で「舞台は日本のインターナショナルスクール」と明記されていると述べましたが訂正します。この1993年版ででてきます。この版のみですこの明記は。 pic.twitter.com/2R8h1SaEDa

2016-04-22 19:01:42
拡大

インターナショナルスクールに通っている外国人の子弟と、日本の中学校に通っている子たちがどういうわけか親交を結ぶという設定です。ずっと前の版と同じ設定に戻ったわけですが、アジア系の英語ネイティヴが出てきたのは興味深い。

It happens sometimes @ElementaryGard

23)シンガポールから来たメガネの男の子が出てきます。アジア系で英語ネイティヴの子が出てくるのはこの版が最初です。ちなみにドラえもんがこの教科書で紹介されます。のび太くんにひっかけたのかなこのメガネくん。

2016-04-22 19:03:19
It happens sometimes @ElementaryGard

24)クールジャパンと国が言い出すよりずいぶん前です。東京書籍、なかなか時代の先を行っていますね。

2016-04-22 19:03:57