【ミイラレ! 青行燈のこと】

リメイク版な。不可思議な存在、怪異が押しかけてくるお話です。
0
ニックリストはクレストを支持します @nj_blacklist

やっぱりそうだ、蜘蛛の力がないことになってる #4215tk

2016-04-25 21:01:58
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

突然飛び出してきた耳慣れぬ単語に、四季は思わず首を傾げた。巡の目が丸くなる。いかにも意外と言った様子で。「おや、ご存じない?お聞きになったことくらいはあるかと」「いや、単語としては知ってるけど……怪異にとってどういう意味があるか、までは知らないよ」13 #4215tk

2016-04-25 21:04:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

正直に答える。まじまじと四季を見つめていた巡は、やや間を置いてから手を打った。「ああ、そうでした。四季殿は人間でいらっしゃいましたねえ。一応」「一言多いよね?なんで一応って付け足したの」「怪異にとって寄り合いというのは大事なものでしてね。百鬼夜行もその類です」14 #4215tk

2016-04-25 21:08:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

半眼になる四季を気にした様子もなく、巡は言葉を続ける。「詳細は後で話しますが、百鬼夜行の復興ともなるとあたしの力だけではどうしても及ばない。そこで四季殿の出番というわけです。その人間にしておくにはもったいない霊気と怪異からの人望を、ぜひお貸しいただきたい」15 #4215tk

2016-04-25 21:12:15
ゴリラ入間 @saiteiyarou2

むむ…?百鬼夜行の復活?今は無いんだ…… #4215tk

2016-04-25 21:19:21

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(文章はまああんな感じです。バトル要素を減らしたりとか……そのかわりキャラのやりとりを増量したりとか……時系列をシャッフルしたりとか……いろいろ試していきたいと思っている。が、それよりもまず今後の連載のなんかについて説明した方がいい気がした) #4215tk

2016-04-25 21:19:56
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(今のところ、連載は朝ドラ方式で進めていければと思っている。つまり平日中はツイッターで更新し、まとめてひょっときたら改良したものをどっかの投稿サイトに投下する。たぶん『小説家になろう』にするんじゃないかなあ。近日中に向こうのやつも整理します。ご了承ください) #4215tk

2016-04-25 21:22:24
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(あと実況をあとで見返してにやにやしたいので、トゥギャッターの方も実況付きでまとめる予定です。「困る……」そういう方がいたらご連絡ください。その分の呟きは抜かします。いずれにせよのんびりやる。どうぞよろしくお願いいたします)(終) #4215tk

2016-04-25 21:23:44

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

巡が四季を見据える。四季はそれを受け止め、少し考え込んでから口を開いた。「その百鬼夜行っていうのは……ええと、巡さんにとって大切なものなの?」「この上なく」間髪入れずに答えられ、彼は鼻白む。鬼女の顔は真剣そのものだ。「復興のためなら、どんな手でも使いましょう」16 #4215tk

2016-04-26 20:12:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

静かに言う。しかし、その内に秘められた決意には鬼気迫るものがあった。自身でもそのことに気づいたか、巡がやや表情を和らげる。「と言いますのも、まあ理由は様々ありますが……一番はあれです。恩返しですよう」「恩返し?」また思わぬ言葉が出てきた。17 #4215tk

2016-04-26 20:16:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怪訝な顔をする四季に鬼女は小さく頷いてみせた。「あたしがいた百鬼夜行は山ン本(さんもと)組と呼ばれておりました。自慢じゃありませんが、少し前まではこの国でも一、二を争う規模でしてねえ。故あって当てもなく放浪してたあたしを、先代はこころよく迎えてくれたもので」18 #4215tk

2016-04-26 20:20:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

懐かしげに笑みを浮かべる鬼女。その目に一瞬だけ怒りの色が浮かぶ。「……あの退魔師の馬鹿どもが裏切りさえしなけりゃあ、今でも今世一の百鬼夜行でいただろうに。まったく忌々しい……!」しゅう、と荒い息を吐く。その息に青白い炎が混じり、わずかな間だけ暗闇を照らした。19 #4215tk

2016-04-26 20:24:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

四季は小さく身を引く。それに気づいたか、巡はまた扇子で口元を覆い隠した。「失礼。あのことを思い出すとどうしてもね……ともかく、山ン本組は壊滅。生き残った連中も散り散りとなり、今は何をしていることやら。かく言うあたしも、組の印を託されて逃げていた身なんですがね」20 #4215tk

2016-04-26 20:28:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「印って?」四季は首を傾げる。巡が懐を探り、取り出してみせたのは古びた小槌だ。「組に伝わる家宝とでも言いましょうか。これを継ぐ者が組を継ぐと、そういう決まりになっておりまして」「へえ……あれ?それじゃあ、今は巡さんがその山ン本組を継いでるの?」「名目上は」21 #4215tk

2016-04-26 20:32:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

小槌をもてあそびながらも、巡は苦い顔をする。「とはいえ、ねえ。頭領という役目はあたしにはちと荷が重いのですよ。先代と比べちまうというのもありますし、何より……なんだ、あまり人望もなかったもんで」そういうものなのだろうか。なんとなく疑わしい。四季はふとそう思う。22 #4215tk

2016-04-26 20:36:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

とはいえ、そこをつつき回す必要はないだろう。四季は代わりに別の話題を持ち出した。「それで、どうして俺に?よくわからないけど、百鬼夜行って怪異のものなんじゃないの?」「いい質問ですねえ」手の内で小槌を回していた巡が、にやりと笑みを浮かべた。23 #4215tk

2016-04-26 20:40:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「先ほども言いましたでしょう。この小槌を持った者が山ン本組を継ぐと。つまり、こいつに認められれば怪異だろうが人間だろうが問題ないわけです。実際、一時期人間に貸し出されていたこともありましたし」なるほど、そういう抜け道があるらしい。妙なところで融通が利くようだ。24 #4215tk

2016-04-26 20:44:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そして先回りしてお答えするに、怪異を集めるという一点で見れば四季殿の方があたしより長けていると、そう見たわけです。いや、今どき珍しいんですよう?怪異を見るだけでなく、ほとんど対等に接することができる人間というのは」「……まあ、そうかもね」四季は曖昧に頷いた。25 #4215tk

2016-04-26 20:48:06