『女性は自分より年収の高い男性としか結婚したがらないのは何故か』にまつわる議論、補足

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

「結論を敢えて単純化して言えば、結婚は男性に富裕化の機会をあたえ、女性に貧困化の機会をあたえるということになる。」

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

なお、現在の日本において、男性の結婚プレミアムは、高所得女性との婚姻であるほど高いと報告されています。逆に、女性の結婚ペナルティは、配偶者男性が高所得であるほど減少し、とくに配偶者男性の所得が低いほど顕著になる、という資料があります。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

鹿又伸夫氏の論文です。 koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/module…　@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

以上の事実は、このファクトへの説明になると考えます。「同一賃金帯で片方がキャリアを降り、片方が継続する」のであれば、結婚ペナルティが大きい現状、女性だけがキャリアを継続することはリスクが大きい。 twitter.com/kyslog/status/…　@kyslog

ショーンKY @kyslog

ファクトとしては ・高所得女性の婚姻率は低い（先生の持ち出したデータ） ・バリキャリ女性が自身よりハードワークな相手を選んでしまい相手のキャリアを優先してしまうというフィールドワーク があります。ファクトに対してどう説明を与えるか。 @kabutoyama_taro

2016-05-05 19:48:20

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

なお、鹿又氏の論文からの孫引きとなりますが、高収入女性・高収入男性の行動パターンの変化に対して、ふたつの説があります。ひとつめはBeckerの経済自立説です。女性の就業率や賃金が上がり、経済的自立が進むと、婚姻率が下がり少子化が進行する、というものです。　@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

そして、それに対し、Oppenheimerが、社会全体の性別役割分業が緩和された場合、女性の経済的自立は結婚を促進する、という説を提示しています。　@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

後者を裏付けるものとして、国際比較研究では女性の就業パターンが男性に近づき、性役割分業が弱まった欧米では、配偶者の選択基準が男女において同質化し、所得の高い(＝稼得量の高い)女性は 結婚を促進されるようになった→@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

一方で日本では性役割分業が持続しているため、高収入の女性の結婚が抑制されている、という国際比較研究データがあるようです(以上、孫引きでBlossfeld 1995;Ono 2003;福田 2007a)　@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

ただし日本女性の場合でも、年収400万円以下の層では、年収が高まるほど結婚相手としての需要が高まっているとの指摘もあります。(福田 2007b)@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

つまり、《女性は自分より年収の高い男性としか結婚したがらない》という状況そのものが、日本国内の強固な性役割分業制と、育児・出産の機会コストを「結婚ペナルティ」の形で女性が負わされる社会構造によって作り出されている、ということになります。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

現状で女性の低収入男性との婚姻が実現性しづらいのは、根強い性役割分業により、女性の結婚ペナルティが軽減されないどころか、有配偶女性の結婚ペナルティは、男性側が低収入であるほど高くなるためと考えられます。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

また、山口氏の研究では、仕事と育児の両立度と「職の柔軟性による両立度では、後者のほうが出生率への影響が大きいと指摘されています。つまり、社会全体で本来の意味での男女平等が実現されないと、高収入女性と低収入男性が実現しづらい、という状況は改善されない。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

これを、「選択次第でどうにかなりますやん」というような、高収入キャリア女性の意思決定の問題に帰結させるのは浅慮すぎるかと思います。パワーカップル生成を後押ししているのでは、「真の男女平等」を実現できていない、社会構造そのものです。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

それどころか、育児・出産の機会コストが軽減されれば、男女の婚姻行動傾向そのものが変化し、少子化も軽減される可能性が高い、ということになるかと。@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

ええと、まとまった指摘としては以上です。社虫太郎氏(@kabutoyama_taro)が言及されていたのも大枠としては同じようなラインの話であるような気がします@kyslog

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

142人に一人の確率だったら、そら女性側から見てもリスクがない男性のほうが選ばれやすいやろな、という感想 twitter.com/chat_le_fou2/s…

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

高収入女子と“逆玉結婚”確率は？　r25.jp/topic/00048380/ 「25歳以上35歳未満で、かつ年収1000万円以上の女性と結婚できる確率は、 88.22％×0.8％＝0.71％。 つまり、142人に1人の確率です」

2016-05-06 19:05:32

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

でも、明確に相関が指摘されている以上、れっきとした社会全体の問題。それを「気の持ちよう」で片付けてしまうのは、当事者一方に問題を押し付けるのと同じやろ、と思う

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

あらためて以上です。

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

あと二日ほど修羅場が続く(三日目はたぶん死んでる)ので、レスポンスが途切れがちになりそうな点、ご容赦ください。 あと、話の本筋には関係ないんですが、深く同意させていただきます。twitter.com/kyslog/status/…

ショーンKY @kyslog

【本アカウントの指針】ツイッターとは大衆に自分の正しさを訴える場所と考えると世界が狭くなるので、ツイッターとは集合知によって私の誤りを指摘してもらえるところなのだと心得ています。

2015-12-08 23:30:03

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

論点に抜けや荒い場所などありましたら指摘いただけると、後でまとめるときに参考にできるので、わたしが助かります。。

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

作者です、を筆者です、にリライトしたら、修正前のほうで消し忘れました…twitter.com/chat_le_fou2/s…

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

後追いで補足エントリを読ませていただきました。「まっしろな嘘」問題のエントリの作者筆者です。→ twitter.com/kyslog/status/…

2016-05-07 02:08:29

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

「社会全体で本来の意味での男女平等が実現されないと、高収入女性と低収入男性の婚姻が実現しづらい」（修正） twitter.com/chat_le_fou2/s…

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

タイポ、どっかにもういっこあった気がしたんだけど思い出せない

ヤヤネヒ / YAYANEHI -Kamisama ꒱,,∂_∂,,꒱ @ya_ya_ne_hi

「こうじゃないと確からしいって言えない」「仮説検証にはこれとこれが必要、否定するにはここを突かなきゃいけない」あたりの学術思考訓練が圧倒的に足りてない自覚はあるので、なんだか非常に胃が痛い。