今こそ布教したい「一人用ボードゲーム」の魅力(3)目指せ焙煎マイスター!「コーヒーロースター」編
カップテスト
カップテストは豆チップを10枚取り出し、取り出した豆の焙煎度の合計が目標焙煎度にどれだけ近づけられるかで採点を行う。
アルトゥール・オアハカの目標焙煎度は14。それより焙煎度が高くても低くても点数は下がっていく。ぴったり焙煎度14を出せるかどうかが肝なのだ。
「コーヒーロースター」の最も重要な部分はこの期待値の調整だ。焙煎を繰り返しながら、「このくらい焙煎すれば、焙煎度の合計が目標数値に近くなるんじゃないか」と思うところで焙煎を止め、カップテストに移る。このタイミングの見定めが難しいゲームなのである。実際のコーヒー豆の焙煎も焙煎具合の見極めが重要であり、その再現となっているわけだ。
黒い袋から1枚ずつ豆チップを取り出して、カップのパネルに載せていく。途中3枚までカップに載せずに破棄することができるので、じゃまな豆チップや焙煎度の多少の調整は行うことができる。果たして......
6枚取り出し、内5枚をカップに並べたところで焙煎度の合計は12。残り5枚でぴったりを出すためには、焙煎度の書かれた普通の豆は2ポイントまで、それ以外は点数に加算されないチップでなければならない。
目標値をオーバーする可能性のほうが高そうだぞ。
残り1枚を残して焙煎度の合計が理想値の14に。苦戦を覚悟したが、思いのほか順調!あとは、最後の1枚が「0」の豆チップか、加算されないフレーバーチップであれば目標焙煎度ピタリだが、どうだ。
よりによって3点豆かよ!!!!!!!!
最後の1枚で目標焙煎値を3点もオーバーしたことにより、獲得ポイントは4点まで下がってしまった。
詳細は割愛するが、カップに出した硬質豆やフレーバーチップも獲得ポイントの加算対象になる場合があり、今回はそれらも踏まえると、合計6点の獲得となった。
焙煎マイスターの道のりは長い
今回はお試しで1種類のコーヒーを焙煎したが、スタンダードルールでは3種類のコーヒーを焙煎し、その合計点で最終的な腕前が判定される。記事冒頭でお見せしたあの表である。
また今回は割愛したが、カップテストフェイズの得点の計算方法以外にも、焙煎フェイズ中の細かな特殊効果や特殊チップがわんさかある。それらを駆使していくことで、よりコントローラブルな焙煎が楽しめる仕組みとなっているのだ。
敵を倒すでもなく、誰かと競争するでもない。ただひたすら己と向き合い、己の焙煎を信じるゲーム、「コーヒーロースター」。焙煎する豆の組み合わせによっていくらでも遊べるので、まさに一人用ボドゲの粋と言えるゲームだ。
気になった方は、ぜひ焙煎に挑戦してみては。