2022年9月9日

電車の音は「ヒューン」!耳の聴こえない人が駅で知った「正解の音たち」を描いた漫画に反響

お互いの生きる世界を共有しあえる未来装置
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Twitterに投稿された「正解の音たち」と題された漫画が10万件近くのいいねを集め、「涙が出ました」「感動しました!」との声が寄せられている。

この漫画の作者、うささ(@usasa21)さんは耳が聴こえない。ある日、JR上野駅ホームに期間限定で設置されている「エキマトぺ」を通じて、駅のホームで流れるさまざまな音の存在や正体ー正解の音ーを知ったという。

「エキマトぺ」とは、駅のホームに流れるアナウンスや電車の発着音などの環境音を手話の映像や、オノマトペに変換して専用ディスプレイに表示する装置。

2021年9月に実証実験としてJR巣鴨駅に設置された際にも話題となり、当サイトでもプロジェクト担当者にインタビューを行っている。

音が全く聴こえないか、なんとなく何かが鳴っているな、と感じる程度で暮らしているという

エキマトペをデザインした方のツイートで上野駅に設置されていることを知ったそう
環境音が鳴ると同時にアニメーションがそれに応じて動く仕組み。ホームアナウンスは文字で表示される

「エキマトぺ」によって、聴者に近い形で「正解の音たち」を知った時の感想を、うさささんに伺ってみた。

漫画にない音は「音が出ない」と思っていた

漫画で描かれた以外にも発見したことや驚いたことはありますか?

電車の到着アナウンスについてです。私はてっきり「上野駅、上野駅」と言っていると思っていたのですが、実際は「上野、上野」なんです! ほんの小さな、ごく些細な違いなんですが、今まで思い描いていたものとは違う正解を知り興奮していました笑

また「危ないですから黄色い点字ブロックまでお下がりください」といった注意のアナウンスにも驚きました。注意のアナウンスなんて漫画には決して登場しないセリフなので。

普段の生活でも、これはどんな音がしているんだろうと想像したりしますか?

私は漫画を読むことで「音」の存在を知りました。漫画に音の描写のないものは「音が鳴らないもの」と思って過ごしています。

ある朝、耳の聴こえる娘がトースターを指さし「おとがなった」と教えてくれたんですが、何しろトースターが鳴るなんて描写は漫画では見たことがない。それゆえ「トースターは音を出さないもの」と思い込んでいたので、娘の言葉にとても驚いてしまったことがあります。

駅に設置されているエキマトぺですが、他の場所にもあったらいいなと思うことは?

私にとって日常に溢れる全ての音は予測なので、回答が難しいです…。
ただ、「エキマトペ」を体験して、すべての音が知りたいという感情がわいてきました

聴覚障害を持つ人にとって「音」がどういう存在なのか、うさささんの漫画を通して初めて知ったことも多いのではないだろうか。それぞれ立場の違う人たちがどんな世界を生きているのか、お互いにわかりあえる時はもうやってきているようだ。

「エキマトぺ」は2022年12月までJR上野駅1番線・2番線ホームにて実証実験中とのこと。興味のわいた人はぜひ体験しに出かけてみては。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

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