直訳すると「栗ご飯」になるオーストリアの謎スイーツ Google翻訳に任せっきりで作ってみた

もちろん日本の「栗ご飯」とは別物…だよね?
12

こんにちは、ライターの千鳥あゆむです。

オーストリアの料理で、日本語に直訳をすると「栗ご飯」になるという謎のメニューがXで話題になりました。

拡散の起点となったのは、オーストリア在住の日本人Xユーザーによる投稿。料理の名は「Kastanienreis」で、「Kastanienが栗で、Reisがご飯」の意味だそう。つまり直訳すると「栗ご飯」になるわけですが、実際に頼むと「モンブランの化け物」みたいな料理が出てくるようです。気になる!

というわけで、実際に作ってみることにしました。

しかし、レシピの言語はドイツ語。私はあいさつすらわかりません。でも大丈夫!これまでもGoogle翻訳を使って知らない言語のレシピに挑戦してきました。今回も、Google翻訳に任せっきりで調理をしていきます。

▼これまでのGoogle翻訳任せっきりクッキングはこちら

細切れのモンブラン?

画像はGuteKueche.atより

今回は、 「GuteKueche.at」というレシピサイトのつくり方を参考にしていきます。

写真を見ると、日本でよく提供されるモンブランから、内部のスポンジを抜いたようなビジュアルにも見えます。また日本のモンブランは滑らかな線状になるものが多いですが、こちらはそぼろのよう。味や材料はモンブランとは違うのでしょうか?

生栗を用意しなくては

Google翻訳にレシピをそのままコピペする

レシピ本文をGoogle翻訳にコピー&ペーストしていきます。

ちなみに、元となったレシピサイト内では、何人前かを入力すると、自動で分量を表示してくれます。日本のレシピサイトは分量が固定のケースが多いので、地味ながらうれしい機能です。今回は2人分の材料で作っていきます。

材料 2人分
栗 1/2kg
水 62 1/2ml
砂糖100g
ホイップクリーム 1/2カップ
ラム酒 200ml

材料は栗、砂糖、ホイップ、ラム酒といたってシンプル。「水 62 1/2ml」は4人分の水の量が124mlなので、62.5mlということのようです。ちなみに、材料に「米」はありません

また、所要時間は45分程度とのこと。「合計45分、うち準備に15分、調理と休憩時間に30分」と、発生する作業時間の内訳まで載っていました。日本の料理サイトだと作業時間の内訳まで載せていることはあまりないので、新鮮に思えました。

それにしても「休憩時間」ってあるんだ。生地を寝かす時間とかなのかな?それとも本当に休憩?

さらに、作り方の手順を見ていくと

「皮を剥いた栗を加えてジャガイモプレスで押し固めると、いわゆる栗ご飯が出来上がります。」

と書かれています。

栗の皮むきが必要ということは、つまり、生栗が必要…?そもそも12月に売ってるのかな、生栗。

材料を並べてみた。シンプル

売ってました。通販で農家さんから取り寄せることができました。ただ、栗の調理はしたことないけど大丈夫かな。そもそも栗の皮むきってどうやるんだろう。

材料集めの時点で、不安が高まります。

お菓子作りって、砂糖をたくさん使いますね

また、砂糖は1包あたり5gのスティックシュガーしか用意していなかったので、100g分を開封。スティックシュガーのゴミだらけになりました。普通の袋入りの砂糖を用意したほうが良かったですね。

栗が手強い

では、材料がそろったので早速調理開始です。まずは、栗を茹でていきます。

「栗は十字に切り、たっぷりの水の入った鍋で15分ほど茹でる。 」と指示されています。さっそく、栗に包丁で切れ目をいれていきます。

ほぼ無傷の栗

…全然切れない。

私の力ではびくともしません。表面に浅い傷がついたくらい。

先に茹でてしまえ

栗の皮に勝てる気配がないので、茹でればどうにかなると信じて次の工程に進みます。鍋に水を張り、15分ほど茹でていきます。

煮えたぎっています。
茹でると皮が柔らかく

茹でて冷ますと、ようやく皮に包丁が通るようになりました。よかった…。

皮むきだけで想定の調理時間を超過

次の工程は「冷まして皮をむきます。」

私は、栗の皮むきははじめて。そもそも栗の調理自体も初体験です。しかしレシピには皮むきの詳細までは書いていないので、フィーリングでやるしかありません。

栗がどんどん崩壊していく。

ボロボロ。

栗に申し訳ない気分になります。

50分の練習の成果。改善はされたが、ゴツゴツしている

5個くらい練習して、なんとか形がある栗を取り出せました。

しかし、この段階で皮むき1個あたり10分くらいかかっています。調理時間の45分はとっくに過ぎています。栗の調理に手慣れている人なら休憩までできるのかもしれませんが、初心者なのでそんな余裕はなさそうです。

 

これ全部剥くのか…(ゲッソリ)

さて、まだまだ、栗はたくさん残っています。500g分の栗をどうにかしなくてはなりません。

この状態で30分くらい放心してしまった

爪の間に栗の皮が入って手は痛いし、全然作業は進まない。すっかり途方に暮れてしまいました。うーん…。

えいや!!!

スプーンで中身をほじくり出そう!

日本の栗ご飯なら、丸ごと栗が入っていてほしい時もありますが、モンブランに近い料理なら丸ごと剥けなくても問題ないはずです。「どうせ崩すんだから、とにかく栗を取り出せればよいのだ」と開き直ることにしました。

スプーンって素晴らしい

綺麗に取れる!作業時間が1分ほどに短縮されました。

そんなわけで、ほじくり出した栗がこちら。渋皮が混じってますが、食べても問題ないらしいのでOKとします。ちなみにこの時点で調理開始から3時間くらいかかっています。

栗のペーストを作る

どうにか栗の下準備が終わりました。次の工程は…。

水と砂糖を混合物が濃くなるまで沸騰させます。 次に生クリームとラム酒を加えて混ぜます。
皮を剥いた栗を加えてジャガイモプレスで押し固めると、いわゆる栗ご飯が出来上がります。

ここからは、クリームを用意して栗に混ぜていきます。

砂糖を鍋にドサー

「水と砂糖を混合物が濃くなるまで沸騰させます。」とあるので、砂糖水を熱します。

粘り気がでてきました。
クリームイン

その後、クリームとラム酒を投入して混ぜます。ラム酒を入れた瞬間、キッチンがモンブランの香りに包まれました。モンブランらしい香りの正体はラム酒だったのか!

栗もドサー

続いて「皮を剥いた栗を加えて」とあるので、栗を投入。

水気が多すぎる

まとまってきましたが、液体感が強い。デュルデュルした生地になってしまいました。これでは栗ご飯どころか、「栗おかゆ」です。どうしよう。

「栗ご飯を冷凍し、冷凍したら、細かいご飯をおろし金ですりおろして、皿の上に典型的な栗ご飯の模様を作ります」


と、補足アドバイスがあったので、祈る気持ちで1時間くらい冷凍庫に入れてみました。どうにか、まとまってくれました。

ピンチ!栗を絞りだせない

いよいよ「栗ご飯」の仕上げです。

これがジャガイモプレスだ

「ジャガイモプレスで押し固めると、いわゆる栗ご飯が出来上がります。」とあるので、ジャガイモプレスを用意しました。

穴、けっこう大きくない?

ジャガイモプレスに出来上がった栗ご飯の生地を入れプレスし、栗のペーストを通していきたい。のですが…。

全然通りません。粒が大きすぎて、詰まってしまいました。

「ハンドブレンダーを使用することもできます。これは非常にクリーミーで細かいものになる傾向があります。または、フォークで米を単に潰すこともできます。」

とあるので、フォークで潰してみようと試みるも、栗が硬くてなかなか小さくなりません。ミキサーがあると良かったんですかね…。そこで…

ガンガンガン!めん棒で潰しました。

どうにか…完成?

めん棒で力づくで潰した結果、マシにはなりました。その後、めん棒でつぶした生地を再度マッシャーにくぐらせたのですが、穴を通過するというよりは、ブチブチ切れてしまいました。

それでもめげずに盛り付けていきます。

「ホイップクリームを飾り、お召し上がりください」

とあるので、ホイップクリームを添えてみました。栗がゴツゴツしていますね…。鬼饅頭みたい!そして、栗のペーストを小さくする作業や栗を冷凍する作業などで、何度もいろいろな器に移し替えた結果、すっかり量が減ってしまいました。

味は普通にモンブランだった

というわけで、食べてみました。

見た目は、ゴツゴツしているのですが、味はモンブランです。特に、ラム酒が入ってることでモンブラン感が強まっているように思えます。ホイップクリームと合わせて食べるとスイーツ感が増します。栗の味も濃厚です。

また、食感はペーストが粗かったため栗のつぶつぶが目立ち、歯ごたえが出てしまいました。モンブランのようななめらかな舌触りは再現できませんでしたね…。

食感はやや気になりますが、おいしいデザートとして食べることができました。

次ページ:動画で作り方の答え合わせをする

12
書いた人
千鳥あゆむ

ふだんは会社員。インコと消しゴムはんこが好きです。少しだけ小学校の非常勤講師をしていた過去もあります。