ハンナ・アレント『責任と判断』読書メモ集
- arishima_takeo
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最善なのは、ただ一つのことだけが確実だと知っている人々です。すなわちどんなことが起ころうとも、わたしたちは生きるかぎり、自分のうちの自己とともに生きなければならないことを知っている人々なのです。byアレント「独裁体制のもとでの個人の責任」
2016-08-31 10:15:21「カントはこの定言命法という方式を、航海で船乗りが使うコンパスに譬えていました」(アレント「道徳哲学のいくつかの問題」)。あれ、そうだったっけ? だとしたら面白いな、純理では島や岸辺の比喩で悟性の活動領域を境界画定してたわけだから。出典どこだろ?
2016-08-31 15:32:00「傾向性や誘惑は人間の理性ではなく、人間の本性に根ざすものですから、人間が自分の傾向性にしたがって、悪しきことをなすように誘われるという事実を、カントは「根源悪」と呼んだのです」(アレント「道徳哲学のいくつかの問題」)。それな。
2016-08-31 15:35:25「道徳的な行為とは、普遍的に妥当する法を定める行動であり、〈命題〉としてではなく〈命法〉として表現される方であるとされているのです」(アレント「道徳哲学のいくつかの問題」)。命題じゃなくて命法って説明分かりやすいな。私もいつかどこかで使う。
2016-08-31 15:47:25素人っぽい疑問なんだけど、アレントのいう人格概念って、ペルソナ=仮面で、複数性に開かれた人間たちの役割的世界観に通じてると思うんだけど、それって和辻の間柄論と殆ど同じと考えていいのか? 人間の本質は人「間」にある、的な。
2016-08-31 17:05:17その場合、レヴィナス的顔(素顔?)はアレントにとって極めて私的なものでしかなく、彼女の哲学にとって大きな位置を占めていないようにみえるんだけど、そういう理解で大丈夫なんだろうか。類比的にいえば、固有名は確定記述の束に置き換え可能と考えているのかどうか。
2016-08-31 17:08:18「カントは毎日まったく同じ時間にケーニヒスベルクの街路を散歩したのは有名ですが、散歩の途中にであった乞食に施しをする習慣があったことはあまり知られていないでしょう」(アレント「道徳哲学のいくつかの問題」)。たしかに。知らなかった。
2016-09-01 14:36:01「そして(現代風に表現すると)道徳性についての厳密な探求をやめて、最善の統治とはどのようなものかという政治的な問いに移るのです。その理由としてソクラテスは、小さな文字よりも大きな文字の方が読みやすいからだと弁明します」(アレント「道徳哲学のいくつかの問題」)。なに? 老眼なの??
2016-09-01 14:38:33最大の悪者とは、自分のしたことについて思考しないために、自分のしたことを記憶していることのできない人、そして記憶していないために、何をすることも妨げられない人のことなのです。byアレント「道徳哲学のいくつかの問題」
2016-09-01 14:41:24善と悪に関するわたしたちの決定は、生活をともにしたいと思う人々の選択にかかわる問いなのです。byアレント「道徳哲学のいくつかの問題」
2016-09-02 10:50:28アレント『責任と判断』読了。ソクラテスは思考という活動を風の比喩で譬えたことがあり、それをハイデガーは踏襲して「思考の嵐」を語ったことがあるそうだ。へぇー。あと、判断力批判を政治哲学的に読む、アレントのカント講義は、ちゃんと読まなくては、と思った。
2016-09-04 15:53:40