クルーグマンの金融財政政策の考え方について KF氏と望月夜の議論

通俗的な(リフレ派などによる)喧伝と異なり、クルーグマンと言えば、典型的な金融政策無効・財政政策有効論者であることがまだまだあまり知られていないということを確認した。 (金融政策無効という前提を保ちつつ、インフレ目標の必要性を論証しているところがクルーグマンの特筆すべきところ)
1
API @API0612

@motidukinoyoru クルーグマンのその文章、あくまでも金融政策でインフレ期待を喚起出来なかった場合を論じてるだけで、金融政策でインフレ期待を喚起する事は不可能とは読み取れ無いのですが。

2016-09-08 18:59:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

その文章というのがどの文章かはわからないのだが、日本再考できちんと「金融政策でインフレ期待が喚起できていない事実」と「なぜインフレ期待が喚起できないのかを説明する理論構造」を概説しているので、一読をすすめる。 @KF0612

2016-09-08 19:02:43
API @API0612

@motidukinoyoru 日本再考で論じられてる事も、復活だぁと同じくインフレ期待を喚起する事が難しい場合には財政政策が必要だと言ってるだけで、中央銀行がインフレ期待を喚起出来るなら景気を刺激出来るとしてるのは同じ。

2016-09-08 19:07:52
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

今問題になっているのは、そもそもクルーグマンが、「中央銀行単体でインフレ喚起を実現すること自体、不可能だ」と明確に論じていることだと思うのだが。 @KF0612

2016-09-08 19:12:21
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もう少し詳しく言うと、イッツバックでは、「もし仮に金融単体で無理なら財政で補正できる」と論じていて、日本再考では「日本では金融単体で無理になっている。その理由はこれこれこの通り。したがって財政が必須」と論じている。 この違いがわかるだろうか。 @KF0612

2016-09-08 19:14:39
API @API0612

@motidukinoyoru 不可能とどこで言ってるんです?

2016-09-08 19:18:48
API @API0612

@motidukinoyoru クルーグマン「金融政策で大事なことは、多くの国民に物価が上がるということを信用してもらうことです。言い換えるならば、4%という大胆な目標を掲げて初めて、2%の物価上昇が実現できるわけです」

2016-09-08 19:19:23
API @API0612

@motidukinoyoru クルーグマン「それが、黒田総裁は2%という消極的な目標設定をしているので、物価上昇率は1%以上にも達しない。金融緩和という政策自体は妥当なものでも、その実行の仕方が中途半端なため、経済的にも政治的にも裏目に出かねないわけです」

2016-09-08 19:20:17
API @API0612

@motidukinoyoru インフレ目標2%では消極的すぎると言ってるだけですよね。

2016-09-08 19:20:54
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そこらへんのメカニズムを詳しく説明してみよう。 設定: ①財政政策―一時的に拡張、後々緊縮 ②金融政策―インフレ目標2% ③自然金利―マイナス4% この場合、リカード家計を想定すると、最終的な財政緊縮時のインフレ率に収斂することになる。 @KF0612

2016-09-08 19:24:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もちろん、現実には非リカード家計が有意に存在するので、インフレ率2%に限りなく接近する可能性もあるが、財政緊縮に転じれば再び下がる(財政の助けがないときの自然なインフレ率水準に戻る)という点ではあまり大差はない。 @KF0612

2016-09-08 19:25:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ここで設定をいじる。 ①財政政策―一時的に拡張、後に緊縮 ②金融政策―インフレ目標4% ③自然金利―マイナス4% こうなると、財政政策が仮に一時的な拡張であっても、インフレ目標が「金融政策単体能力を取り戻すのに十分な水準」になっているので収斂する値が変化する。 @KF0612

2016-09-08 19:27:48
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

実現するインフレ率は、その時行われている財政政策の大きさに依存するが、4%までは(財政支出の大きさに応じて)スムーズに上昇する。その後仮に財政政策がキャンセルされても、金融政策だけで総需要コントロールが可能になっているので、人々は再び不況に陥るとは予想しない。 @KF0612

2016-09-08 19:29:41
API @API0612

@motidukinoyoru blogの内容もそうですが、望月さんの解釈であって、クルーグマン自身が金融政策でインフレに出来ないと論じてる所は皆無だと思いますが。 消極的すぎると言ってるだけですよね。

2016-09-08 19:30:43
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ただし、「インフレ率4%に達するより前に絶対に財政緊縮が起きる」と予想された場合は、当然のことながら、どれだけ一時的な財政支出が大きくても何も起きない。(繰り返すが、非リカード家計が有意に存在する場合は、一時的な支出でも総需要効果が出る場合はある) @KF0612

2016-09-08 19:30:56
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

twitter.com/motidukinoyoru… 一応強調しておくけど、ここで引用しているのはすべてクルーグマン自身の発言。 @KF0612

2016-09-08 19:32:29
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

クルーグマンbotがもし出来たら、組み込んでほしいクルーグマンのコメントをまとめてみた。 twitter.com/motidukinoyoru…

2016-02-19 22:47:16
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

仮に「金融政策単体でインフレ目標を達成できる」という考えだと仮定すると、「4%目標を設定しなければ2%すら実現できない」という言葉の意味が全く理解不可能なはず。 もし単体で達成可能なら、4%設定でそのまま4%を達成できる。しかし彼はそれは無理だと述べている。 @KF0612

2016-09-08 19:36:51
API @API0612

@motidukinoyoru クルーグマンの財政再建を前提にしてるため、インフレ目標を高めにした方が良いって話は、財政支出を前提にしてるとは書いてないですし、金融政策でインフレにした場合でも同じだと思いますね。

2016-09-08 19:37:25
API @API0612

@motidukinoyoru 財政再建のために実質利子率をよりマイナスにしろと言ってるだけですよね。

2016-09-08 19:39:12
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そして実質金利をマイナスするには財政出動が不可欠だとも述べている。 @KF0612

2016-09-08 19:49:41
API @API0612

@motidukinoyoru 其処まで言ってますかね。 中央銀行が期待の喚起が困難な場合のみ財政拡大なんでしょ。 期待を喚起出来るならせいぜい財政中立なのでは。 この辺ははっきりと述べてないのでわかりませんが。

2016-09-08 19:55:55
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

当該記事単体ではメカニズムが理解不可能なので、他の記事等でのクルーグマンの記述で補完する必要はある。 まあ、当該記事の記述だけを読んでも、すでに指摘した通り、「金融政策単体でインフレに出来る」という考えとは矛盾してしまうのではあるが。 @KF0612

2016-09-08 19:56:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

すでに引用したが、いかに中央銀行単体では不足で、財政政策が必要不可欠であるかは、クルーグマンがかねてから強調してきた論点である。日本再考において極めて明確になった。 @KF0612

2016-09-08 19:56:59
API @API0612

@motidukinoyoru だから中央銀行による期待喚起が困難な場合のみでしょ。 クルーグマンもリフレ派も財政中立であれば、金融政策単体でインフレに出来ると思ってる事に変わりはないと思いますが。

2016-09-08 20:00:53
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

再掲する。 twitter.com/motidukinoyoru… クルーグマンは、金融政策単体ではインフレに「出来ない」とここ数年以上継続的に強調してきた論客である。 その点で、今般の通俗リフレ派とは極めて異なる性質の論客であると理解すべきである。 @KF0612

2016-09-08 20:10:30
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

クルーグマン「もし政府が数兆ドル規模の買い物を行えば、仕事がたくさん作られる。反面、FRBが数兆ドル規模の長期債購入を実施しても、効果はまるで不透明だ。」 「実際のところ、ゼロ金利下で中央銀行が政策効果を得るのはとても難しい。」 d.hatena.ne.jp/himaginary/201…

2016-02-19 22:42:54