近現代ジャーナリズムの示したもの：歴史を知ることが未来を見渡す力になる。情報・価値・自由の問題

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ１：村上直之先生の『近代ジャーナリズムの誕生・改訂版』、ジャーナリズムに関心のある人は必読だ。歴史を知ることが今と未来を見渡す力になる。http://amzn.to/g3E65M

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ２：村上先生の視点は、１９世紀英国で印紙税の廃止によって飛躍的に部数を伸ばした新聞が、じつは同時期に成立した新しい警察行政の「犯罪の予防」と、コインの裏表の関係にあった事実を明らかにしている。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ３：近代以前の英国では、ジャーナリズムの役割を果たしていたのは監獄の教誨師（宗教者）だった。人々の関心は起きた犯罪の速報ニュースではなく、裁判の行方と犯罪者の告白、その処刑についてだった。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ４：村上先生が切り抜きを送ってくださったが、日経に連載中の小説『等伯』にも、本山出張から戻ってきた和尚が本堂に集まった人々に京で仕入れた話をする様子が描かれている。近代以前、日本でも宗教者がジャーナリズムの役割を果たしていた。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ５：今日のマス・メディアは「推定無罪」という近代刑法の原則を無視して、逮捕時点で被疑者の氏名を公表し事実上犯罪者として扱う。これはジャーナリズムが皮肉にも警察の犯罪予防広報に組み込まれてしまった象徴的な姿。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ６：英国近代ジャーナリズム黎明期、多くのジャーナリストたちが貴族の秘密会議を盗聴して公表するなど、弾圧を覚悟で非合法活動を重ねた。ジャーナリズムが民主主義のパイオニアとされるゆえんである。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ７：英ガーディアン紙は、ウィキリークスのアサンジを１８世紀のウィルクスになぞらえた。当時の秘密議会を新聞に暴露し続けた新聞主幹でロンドン市長にもなった。村上先生は、さすがガーディアンは歴史を学んでいるねとおっしゃっていた。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ８：カダフィがネット遮断したリビアでは、人々が蜂起や弾圧の記録映像を国境付近で手渡しし、世界へと伝えている。２１世紀の無名のウィルクスたちが、歴史を変えようと身体を張って戦っている。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ９：国家や一部の特権者が独占している情報を、民衆の視点で公開・共有していくところにジャーナリズムの使命の本質がある。それを考えると官の記者クラブ制度に囲い込まれた日本は、正反対の方向にあると言わざるを得ない。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

近ジ10：中東や中国で広がり続けるネット革命の動き。尖閣ビデオの流出。新しいインターネット・メディアが世界を変え始めている。ジャーナリズムの歴史という鏡に映してみると、そこにいろんなものが見えてくる。（了）