ドイツ歴史学界での業績評価の仕方

ドイツの歴史学界で、どのように業績を評価をしているのかについて書いたつぶやきをまとめてみました。私の知見は偏っているので、より多くの方の意見を聞きたいです。よろしくお願いします。
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Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

こちらに来てから史料調査の合間の時間を使って、色々な人にドイツでの論文の書き方や業績評価の仕方を聞いている。まだこちらの学界の文化が良く分からないのだが、話を聞いていて印象的だったのが、ドイツには余り雑誌文化がないのではないかと言うことだった。

2011-03-05 20:10:08
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

日本だと、研究業績評価に関しては、権威ある査読誌に論文を載せることが最も重要だと思うけど、ドイツでは凄い雑誌に論文を載せたら、それで凄く評価されたり、就職できるというわけでもないらしい。

2011-03-05 20:13:34
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

それだけでなく、大学のプロジェクトでポストを得て仕事を任されたり、シンポジウムに参加して講演し、そのシンポジウムの論文集に論文を載せたりすることが、業績に評価に関わるという話だ。仕事をしたことがあるという経験が買われるというか。

2011-03-05 20:14:42
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

そもそもドイツでは博士論文は未発表でなければならないので、博士課程にいる間は雑誌に論文は書かないのが普通。博士号を取った後も、教授資格論文を書かなければならない。さらに色々なプロジェクトやシンポジウムに参加して論文を出すとなると、雑誌用に論文を書く暇はあまりないのかもしれない。

2011-03-05 20:18:25
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

そのため、研究成果を出す際には、色々なプロジェクトやシンポジウムに呼ばれた時に、自分の研究を様々なテーマにくっつけて報告したり、論文を書くという応用能力が求められるそうだ。

2011-03-05 20:20:50
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

私にはこういった話がどの程度の一般性を持っているのかは判断できませんが、今後も色々と情報収集をして、ドイツの学界文化の理解に努めたいと思っています。

2011-03-05 20:22:06
Toshio Ohnuki @t_ohnuki

@saisenreiha おおむねそういう傾向だと思いますよー。

2011-03-05 20:22:32
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

ちなみに、ドイツで職を得るためには、やはり人間関係形成が極めて重要なのだそうです。

2011-03-05 20:23:51
黒鮭虹鮭 @NijiKarainbow

@saisenreiha ドイツの法律関係の書籍を扱うと記念論集がすごく多くてびっくりします。そういう背景があるのですね。

2011-03-05 20:25:13
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

ちなみに、ドイツでも大学の先生になるための競争は熾烈を極めており、そもそも教授資格論文を書こうとしないポスドクも多いようです。歴史学の研究者が生き残っていくのは、どこでも極めて厳しいようだということは、こちらでも実感しました。

2011-03-05 20:26:49
考えるイヌ @sakunary

ドイツは大学少ないですからね。よい意味でも悪い意味でも就職と研究業績(査読論文数等)は連動しないのでしょうね。日本でもそういう分野は今でもあるかと思います。RT @saisenreiha: ちなみに、ドイツで職を得るためには、やはり人間関係形成が極めて重要なのだそうです。

2011-03-05 20:27:21
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@NijiKarainbow こちらだとシンポジウムをやると、だいたい論文集が出版されるようなので、色々な論文集がどんどん出るようです。

2011-03-05 20:30:56
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@sakunary そのあたりの人事が、何を基準に行われるのかは、私にはまだ良く分からないのですが、査読論文を何本書いたら就職という世界ではないことは確かなようです。

2011-03-05 20:33:39
考えるイヌ @sakunary

@saisenreiha ありがとうございます。追レポ期待、です。

2011-03-05 20:36:38
nasastar @nasastar

@saisenreiha 日本でも外部資金を原資に開催されるシンポジウムは、その後に論文集としてまとめられる事が増えましたね。

2011-03-05 20:41:20
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@sakunary また何か面白い話が聞けたら、書いてみたいと思います。

2011-03-05 20:49:53
. @oikairomeus

私は文系ではこういうこともあるということを言語学界に関わって初めて知りました。理系とは相当違います。QT @saisenreiha: そシンポジウムに参加して講演し、そのシンポジウムの論文集に論文を載せたりすることが、業績に評価に関わるという話

2011-03-05 20:51:09
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@nasastar そうですね。ドイツでも多分事情が似ていて、外部資金を得て進むプロジェクトが、成果が上がっていることをアピールするために、頻繁にシンポジウムを開いたり、論文集を出しているのではないかと想像しています。

2011-03-05 20:51:36
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@oikairomeus 日本では、文系でもシンポジウムの講演や査読なしの論文は余り評価されないと思いますが、ドイツではまた事情が違うようです。

2011-03-05 20:58:15
. @oikairomeus

ご教示多謝。日本の人文科学系学界の内部事情に関する呟きを興味深く拝読しております。なかなか大変なようですが、健闘を祈っております。QT @saisenreiha:日本では、文系でもシンポジウムの講演や査読なしの論文は余り評価されないと思いますが、ドイツではまた事情が違うようです。

2011-03-05 21:01:56
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@oikairomeus ありがとうございます。正直先は暗いですが、何とか研究を続けていこうと思います。

2011-03-05 21:09:02
ryugo hayano @hayano

最近ドイツの教授人事に関わることが多いのですが,米国化してますね.インパクトファクター h-index etc etc. Habilitation無しに教授になる人も増えました.物理だけなのかな. @saisenreiha @linsbar

2011-03-05 21:14:48
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@hayano 理系はそうなのでしょうね。文系は、雑誌にIFとかないですし、また違う評価基準で動いているのだと思います。

2011-03-05 21:23:14