毎日新聞の記事「アトピーにステロイド必須?」をめぐって:「論文が出た」だけでは正しさの保証にならない

毎日新聞記事(2017年4月7日付) くらしナビ・ライフスタイル:アトピーにステロイド必須? https://mainichi.jp/articles/20170408/ddm/013/040/017000c 取り上げられた論文 A prospective study of atopic dermatitis managed without topical corticosteroids for a 6-month period. 続きを読む
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io302 @io302

ちなみに毎日新聞が不要とした「アトピーに対するステロイド」療法。プロアクティブ療法やプロトピック外用薬で、10年前より格段にステロイド処方量は減りました。保湿剤は増えましたが。あ、ご存じでしょうけど、毎日新聞が推してる先生は「脱保湿」も推してますからね。

2017-04-13 22:25:42

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf
のp.131の解説によれば、プロアクティブ療法とは「再燃をよく繰り返す皮疹に対して,急性期の治療によって寛解導入した後に,保湿外用薬によるスキンケアに加え,ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を定期的に(週2回など)塗布し,寛解状態を維持する治療法である」とあります。要はこちらの図
http://www.kyudai-derm.org/atopy_care/improvement_top.html
のように、初めに作用が強めの薬を短期間にしっかり使って皮膚症状を押さえ込んだあとは、スキンケアと保湿を続けながら免疫抑制薬を毎日ではなく間隔をあけて塗り、様子を見ながら薬を塗る量を減らしたり、塗る間隔を延長したりしていくわけです。使用量、使用間隔を次の段階に進めてもいいかどうかの判断に役立つのが、目でみただけではわからない炎症の存在を明らかにしてくれる血液検査TARCです。この数値が高いうちは治療の手をゆるめるわけにはいかないことを教えてくれるのです。

プロトピック軟膏は商品名で、有効成分としてタクロリムスという免疫抑制剤(もともと臓器移植後の拒絶反応抑制用として開発)が入っています。九州大学医学部皮膚科のホームページには大変充実した一般向けのアトピー性皮膚炎の解説コーナー
http://www.kyudai-derm.org/part/atopy/index.html
がありますが、ここの「かゆみをやっつけよう」コーナー
http://www.kyudai-derm.org/kayumi/cure/index.html
にあるプロトピック軟膏の解説
http://www.kyudai-derm.org/kayumi/cure/cure0110.html
の最初の部分から再録します。
プロトピック自体はステロイドよりも強い炎症を抑える作用を持っていますが、残念ながらステロイドよりも皮膚からの吸収が悪いのが欠点です。そのため、吸収率の高い顔や首の皮膚の炎症やかゆみにはとても効果的です。一方、皮膚からの吸収率の低い手足や胴体では、ステロイド外用薬の方が効果的です。アトピー性皮膚炎は、顔に発疹を繰返しやすい病気です。強いかゆみと引っ掻きのために、顔全体が赤い患者さんをよく見かけます。強いステロイド外用薬を顔に継続して塗ると副作用がでやすいので、赤ら顔の治療にはとても困っていました。プロトピック軟膏の登場によって、赤ら顔の患者さんは激減しました。画期的なことでした。

はみ @hami_jp

@io302 毎日新聞読みました。もーどの先生を信じたらいいのかわからなくなってました。保湿も薬も塗ったほうがいいんですよね

2017-04-13 22:44:55
io302 @io302

毎日新聞自体がオカシイので、ガイドラインに沿った医療を提供している医療機関であれば、まずは大丈夫です。あとは外用指導の上手さによります。 mobile.twitter.com/hami_jp/status…

2017-04-13 22:48:44

(↑患者、医師ともいろいろな人がいますから、コミュニケーションがどの程度うまくいくかが医師と患者の組み合わせにより変わってくることは想像に難くありません)

io302 @io302

「標準治療を徹底したが改善しない、だからステロイド以外の治療を」ならば話がわかる。ところが毎日新聞の推す治療は保湿剤もステロイドも「不要」、で改善したかは皮膚炎の「範囲」判定。採血もしてない。SCORAD(アトピー症状の数値化)すらない(知らないのかね?)。

2017-04-13 22:54:05

WEBRONZAの記事
http://webronza.asahi.com/science/articles/2012022700009.html
で取り上げられた調査結果によれば、現在のステロイドベースの標準治療をきちんとやったのに十分な効果が上がらない患者さんが1割(複数の医師の意見を総合すると5-20%の範囲という話も)程度いるのは事実のようで、そうした人たちがステロイド以外の治療を求めていることに応えるのは研究と開発の重要な課題です。

SCORAD=Severity Scoring of Atopic Dermatitisはアトピー性皮膚炎の重症度を数値化する代表的な指標のひとつで、臨床試験で広く使われています。目で見てわかる皮膚症状の範囲(Aスコア)と重症度(Bスコア、6種類の症状のそれぞれについて0-3点で判定)、自覚症状(Cスコア、最近3日間のかゆみと睡眠障害の強さの平均値を0-10点のスケール上に表示)の評価結果を計算式にあてはめて算出するもので、最大値は103点。重症ほど大きくなります。
日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf
のp.126にSCORAD値の求め方の解説図が出ています。

一方血液検査の結果からより定量的にアトピー性皮膚炎の重症度を把握する方法もあります。なかでもTARC=thymus and activation-regulated chemokineの測定値はアトピー性皮膚炎の短期的な病勢を鋭敏に反映し、臨床試験だけでなく治療方針の決定にも使われます。
TARC測定が特に有用なのは、肉眼で見えない隠れた炎症の存在を明らかにしてくれることです。肉眼でわかる皮膚症状がないのにTARCの値が高いとかゆみの自覚症状が消えず、外用療法を続けてTARCの値が下がってくるとともにかゆみも消えていきます。
http://cocoro-hihuka.com/tarc.html

io302 @io302

これは「ワクチン不要論」を訴える人達と論理思考が同じ。ワクチン行わずに「かかった方がまし」「重症化なんて見たことない」。で、自らの主張を支持する論文を持ち上げ、それ以外は陰謀論扱い。都市伝説以下だな。関ルバーグも食いつかないよ。

2017-04-13 22:56:55
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