柳生宗矩(将軍家兵法指南役/62歳)、格ゲーを語る

将軍家兵法指南役と言えば、まずこの人、となる柳生宗矩という人物について、彼の残した伝書から読み取れる兵法思想をネタにあれこれ書いたのをまとめてみたり。割ととりとめありませんが、まあ何かの役にでも立てばと。 とりあえず柳生新陰流を応用して格ゲーをする話から。
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神無月久音 @k_hisane

で、そうやって作った隙に乗って、倒れるまで徹底的に打ち込む即死コンボモードに入るという流れで砂。「一太刀打つてからは、はや手はあげさせぬ也。(略)うつたる所は、きれうときれまひと、まま、心をとどむるな。二重、三重、猶四重、五重も打つべき也』ですよ。

2017-03-15 02:21:11
神無月久音 @k_hisane

というか、今更な話であるが、創作に出てくる新選組や幕末の人斬りなどが、流派は違えど、割と似たような言動をするの、元になった人物達に自身の兵法観についての言動が少ない…というか、伝書の類の残すような立場の人間ではなかったので、その方面からだと掘り下げづらいってのがあるのかしらん。

2017-03-15 02:44:03

宗矩「「今だ!必殺、ラヴ・ミー・ドゥー!」

神無月久音 @k_hisane

【柳生宗矩(将軍家兵法指南役/62歳)、格ゲーを語る】 togetter.com/li/1103820 前のまとめを読み返してたら、「宗矩の説く兵法ってセクシーコマンドーじゃね?」というコメがあり、マサルさんを読み返したら、おお…。まさかの「柳生新陰流=セクシーコマンドー説」爆誕 pic.twitter.com/CagQCBzmlz

2017-04-28 01:38:03
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神無月久音 @k_hisane

「表裏は兵法の根本也。(略) おもひもかけぬ事をしかけて、敵をおどろかすも表裏也。兵法也。おどろかされて、敵の心をとられて、手前がぬくる也。扇をあげて見せ、手をあげて見するも、敵の心をとる也。我が持ちたる太刀を、ほかとなぐるも兵法也」 この教えを具体的な絵にするとこうなるpic.twitter.com/shsxXlUo7f

2017-04-28 01:47:31
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神無月久音 @k_hisane

なお、宗矩さん、「表裏は兵法の根本」と言った同じ口で「兵法の至極ってなんですか?」と聞かれて、「そりゃ平常心よ。何かを仕掛けられても、心揺れる事なく、するりと事を成す。そこまでいけば名人と言ってもいいわな」と返してるのが、実にらしいなと思うところ。

2017-04-28 01:54:39
我乱堂 @SagamiNoriaki

漫画で合気道とかは相手の力を利用するので、こちらからは攻められない…! みたいな展開がたまにあったけど、要は相手の反射を引き出せればいいわけで、打ち気を誘って相手に攻めさせてから応じる…新陰流にいう活人剣っぽい技法のキャラも出てきだしたなあ。

2017-04-28 02:06:28
神無月久音 @k_hisane

@SagamiNoriaki その辺は家伝書でも書いてましたねー。「我が表裏をしかくれば、敵がのる也。のる者をば、のらせて勝つべし。のらぬ者をば、のらぬよと見付くる時は、又こちからしかけあり。然れば敵ののらぬも、のったに成るなり」てな具合で、仕掛けに乗らないぞ、と構えてる時点で、そこを逆手に仕掛けられると。

2017-04-28 02:10:44
神無月久音 @k_hisane

無刀でもその辺は説かれてて、「(無刀取りを警戒して)とられじとられじとする人は、きらふ事をばわすれて、とられまひとばかりする程に、人をきる事はなるまじき也。われはきられぬを勝とする也」と書いてますね。「無刀取り」という仕掛けに警戒させ、斬る事への集中を散らせば、それはそれでOKと

2017-04-28 02:15:43

宗矩「最強とか言ってるとロクな目に遭わんぞ」

神無月久音 @k_hisane

今更ではあるが、「最強の剣豪」ネタがどうして微妙なのかと言うと、「最強」の定義が曖昧で、話に参加してる人間同士で一致してない事が多い上に、そもそも兵法は強さを競うのが本義ではない為で、平たく言えば、スポーツ的な感覚で兵法者の優劣を決めようとしても、そらまともな結論なんか出んわなと

2017-03-18 22:18:05
神無月久音 @k_hisane

つか、この手の強さ比べで想定されがちな「1対1の剣道風の試合」な状況自体、兵法が想定してる状況としては、若干限定的とも言える訳で、なんかトライアスロンの話で、マラソン部分だけを取り沙汰してるような、あるいは、同一環境下での家電の性能比較みたいな趣で、ピントがズレてる感がある。

2017-03-18 22:24:49
神無月久音 @k_hisane

あと、よくある「技術は進歩している筈だから、昔よりも今の方が強い」論も、そもそも想定してる用途や環境が違うので、単純比較はできない事を失念してる事が多く、うーんこの。この辺、兵法家伝書や五輪書と、千葉周作の剣法秘訣辺りを読み比べると、割と伝わるんじゃなかろうか。

2017-03-18 22:32:14
神無月久音 @k_hisane

尤も、「他所の流派を馬鹿にしたり、殊更に自分の強さを誇るようなことは諍いの種になるからやめとけ」「ロクに稽古もせずに試合ばかりしたがるような奴には印可はやるな」という警句は石舟斎も言ってるので、裏を返せば、当時からそういう話は絶えず、揉め事も多々あったんでしょうな。なんともはや。

2017-03-18 22:40:38
ArgentBrand @ArgentBrand

@k_hisane 個人同士の比武の話に流派だの使う得物だのの話まで混在してかつ、ノールールなのかとかレギュレーション決めたら武術じゃないだろうとかグダグダ始めちゃうのがアレですなぁ

2017-03-18 22:30:45
神無月久音 @k_hisane

@ArgentBrand 「だから強さ比べみたいな話とかロクなことにならないからやめとけ(超訳)」とか、石舟斎の時代から言われてることですしおすし。「やらんでいい喧嘩を売るような馬鹿には印可はやるな(超訳)」とも言ってるですね。尤も、ナメたこと(隠田の密訴とか)してくる奴は絶対ぶっ殺す訳ですが。

2017-03-18 22:36:00
荒木 九郎 @stein00000

@k_hisane 大体の兵法者が「とりあえず闇討ち」から入りそうな。

2017-03-18 22:58:47
神無月久音 @k_hisane

@stein00000 というか、闇討ち・不意打ちが珍しくもないからこそ、古い伝書だと「不意打ちを受けないための心がけ」の記述がちょくちょくある訳ですし喃。あと「不意討ちされたけど即返り討ちにしたよ!」系の逸話も色々ありますし。

2017-03-18 23:02:29
神無月久音 @k_hisane

まあ、「最強の剣豪」論というのは、話の程度としては「最強のスタンド」論と同レベルの話なので、暇潰しにはもってこいだけど、真面目にやるもんでもないわなと。この辺、DIOが3部と6部で言ってる事が違うのが、荒木先生自身のスタンド観(あるいは「強さ」の基準)の変化を伺わせて面白いところ pic.twitter.com/vMtH6qGtOD

2017-03-18 22:48:46
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エンタメにおける兵法描写について

神無月久音 @k_hisane

荻窪で久々の飲み。「エンタメにおける兵法をどう描くべきか」辺りの話をあれこれと。この辺は当方の私見ですけど、「最強の流派」とか「必殺の奥義」という創作で描かれがちな武術描写と、実際の兵法は、割と相性悪いので、如何に「最強」から自由になるかがポイントじゃなかろうかしらんと。

2017-04-09 23:54:36
神無月久音 @k_hisane

「最強の流派」なんてものがあるなら、そもそも「流派」自体存在し得ないだろうとか、「俺が兵法に求めるのはこれで、その為の考えや技法はこれが一番いいはずだ」というそれぞれの開祖が信じた「俺にとって一番いい兵法」が、流派という形で成立してる訳で、あくまで方法論や考えの差だろうとか。

2017-04-10 00:01:03
神無月久音 @k_hisane

「最強」を追求し続けると、どこかで兵法から外れてしまう、というのはあるよなーとか、その辺の区切りを作るのは、結局「兵法は 浮かまぬ石の 舟なれど 好きの道には 捨てられもせず」に帰着するのかしらんとか、そんなことをあれこれダベったり。いや楽しかった。ありがとうございました>各位

2017-04-10 00:09:22
我乱堂 @SagamiNoriaki

@k_hisane 何かしらのギミックがないと、難しいところはありますよね。兵法を魔術的なものとして表現をするとか。

2017-04-10 00:02:21
神無月久音 @k_hisane

@SagamiNoriaki ですね。その辺のギミックがないと、「別に剣でなくてよくね?」みたいな突っ込みに遭ったりしますし、そういう前置きは大事ですね。まあ、ビーム出したり、ワープしたりするのも「技」と言い張る世界観なら話は別ですけど、そっちだと、もうそれ流派剣術関係ないだろという別の突っ込みも出ますし。

2017-04-10 00:13:44