橋(きょう)。ラテン語 pons を直訳してあります。解剖学と無関係の普通の「橋」という言葉です。このまま使うときは pons でいいですが、様々なケースで pont- という形に変化します。形容詞は pontine 。pontine hemorrage とか #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:27:55延髄はちょっと長いです。 medulla oblongata メドゥラ・オブロンガータ。medullaが「髄」ですね。 onlongataのほうは「long」が入っていることから分かるように「縦長の」「長く伸びた」という意味。日本語の「延髄」はうまい訳ですね。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:32:02大脳はいくつもの「葉(よう)」に分かれてます。前頭葉とか側頭葉とか、耳に馴染みがありませんか? ラテン語で lobus、英語で lobe 。この概念は、「突出した部分」です。植物なら葉っぱですし、人体でいうと「耳たぶ」は earlobe です #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:37:05frontal (前の) lobe がつまり「前頭葉」です。そうそう、 lobotomy という手術がかつてありましたが、「lobe」を「tomy(切る)」んですよ。ロボットとは無関係です(あれは robotと綴りが異なりますし、まずチェコ語です) #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:39:21脊髄と視床が気になるとのご意見をいただきました!やったー! 脊髄は英語で「spinal cord(脊柱から出てるヒモ)」です。ラテン語の spina は「とげ」。脊柱はトゲトゲしてますからね。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:48:15さっき「延髄」でも出てきた medulla 「髄」と組み合わせて medulla spinalis と呼びますが…英語で spinal cord のほうが多用されてそうですね。 いずれにせよ「トゲトゲしたやつのところにあるヒモ」です。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:49:45視床は「なんで床なの?」って思ったことがあるかと思います。 thalamus はギリシア語の thálamos 「奥の部屋、寝室」という言葉でして、ここから「床」なんですね。「床に就く」のようにこの1字でも「寝室」を意味しますので。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:54:09「奥の部屋」というところがみそです。客間でも居間でもなく、家の奥のほうの部屋。視床が脳のわりあい深いところに隠れていることからの命名ですね。もともとは視覚と関わりがあると推測されていたので、thalamus opticus 「視覚の密室」、この直訳が「視床」。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:56:23視床はわりとよく出血します。色んな役割を担う部位なので症状もさまざま。視床出血は thalamic hemorrhage、たまーに hemorrhage「出血」 を Hx と略することもあります。この hemo- は ヘモグロビンのヘモと同じで「血」ですね。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 22:58:48出血の好発部位として 被殻 putamen もあります。もともと putamin- が語感ですので、複数は putamina ですし、英語でも形容詞にするときは putaminal です。putaminal Hx も日常でよく見かけますよね #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:02:30putō 「綺麗にする、剥く」に -menを付して名詞化した putamen 「剥かれたもの、切り落とされたもの=皮、殻」です。卵を剥いた殻とか、野菜の皮をイメージしてください。レンズ核の最も外側にあるので、「殻」と呼ばれるんですね。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:04:31同じ大脳基底核 basal ganglion のひとつとして 尾状核 caudate nucleus がありますね? ラテン語ではほぼ同じ nucleus caudatus です。 #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:07:18cauda 「尾」という言葉は是非とも頭に入れてください。脊髄の終端を「馬尾」と言いますが、この時も caudaが出てきます。あと、音楽用語の「コーダ」も、「音楽の終端」という意味でこの「しっぽ」を意味する単語に由来していますよー #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:08:15淡蒼球は globus pallidus「蒼い球」。英語の globe, global と同じ由来の globus 「球体」に、 pallidus 「蒼い、青ざめた」という形容詞がくっついています。 pallidusは英語のpale「青ざめた」の由来ですよ! #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:10:54そうそう、「頭蓋骨の」を意味する cranial クラニアル も覚えておくとよいです。脳神経はクラニアル・ナーヴですし、頭蓋内出血は intracranial hemorrhage だったりもします。intra(内部)cranial (頭蓋の)ですね! #解剖学のラテン語
2017-05-11 23:20:45英語で食べるは eat です。ドイツ語なら essen ですね。ラテン語ではedō です。しかしこれとは全く別に、是非とも覚えて欲しい要素があります。ギリシア語由来の要素、 phag- 「食べる」です。マクロファージのファージですよ! #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:11:44これを使うだけで色々な用語を覚えられます。まず今出てきた macrophage ですが、macro(大) phage (食)と、そのまんまですね。bacteriophage なんていうのもありますね! #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:12:55体の部位でまず知っていただきたいのは esophagus (英国では oeso- でした、たしか) です。賢明なる皆さんにおかれましては、「食道だろ?かんたんかんたん!」と仰るかもしれません。 #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:14:24eso- の部分はギリシア語の oiso- 「運ぶ」、そして後半は phag- 「食べる」 です。食べ物を運ぶもの、だと思ってください。esophagusは「食物運び」です。 #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:15:37あと、「草食性の」はラテン語由来で herbivore (herbi- 草 + vore 食う )ですが、ギリシア語系の phytonphage もあります。 phyto- はフィトンチッドのフィトンですね 。 #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:19:32さらに、この 「食べる」【phag-】 にですね… 「不良な、不完全」の dys- をつけて 【dysphag-】 さらに「状態」の -ia をつけて 【dysphagia】とすると… 「食べることが不完全な状態」…そう、「嚥下障害」「嚥下困難」です。 #解剖学のラテン語
2017-05-12 23:23:08同様に、頭につけるモノを変えてみましょう。 「否定」を意味する 【a-】 をつけて 【aphagia】にすると… 「食べることができない状態」、つまり「嚥下不能」となります。 さっきの dys- との違いは「完全に不能」ということですよ。。 #解剖学のラテン語
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