日本における奴隷制度について 糸満売り 加えて売春について 波島 さんの意見と書籍の紹介

日本で行われた奴隷労働、売春と現代に続く問題について
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Tad @TadTwi2011

指宿さん「最低賃金が守られていない。時給300円で残業している実習生がたくさんいる。会社を取り締まっても違法が止まない。送り出しの国と日本でブローカーが入ったり、実習生は多くの中間搾取をされ借金をしている。国に帰されるから何をされても何も言えない。これは人権侵害」外国人記者は見た pic.twitter.com/ccRtZinmQd

2017-08-13 23:50:30
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Simon_Sin @Simon_Sin

「日本には奴隷制度がある」というと多くの人は否定するけど、実際に日本はアメリカ国務省や国連に「人身売買に関わっている国」として批判されてるんだよね。この『実習生』も奴隷の一形態だと国際社会からは認定されている。足に鎖を繋いで鞭打ってないから奴隷じゃないと考えてるのは日本人だけ twitter.com/cybershottad/s…

2017-08-14 21:36:11
波島想太 @ele_cat_namy

(現代に至っても日本は「人身売買の横行する国」という認識であるわけで) twitter.com/Simon_Sin/stat…

2017-08-15 13:13:34
波島想太 @ele_cat_namy

本書では養子とか貰い子という名目で実質的な人身売買、虐待行為がおこなわれた漁村の事例として山口県情島の「梶子」と沖縄県の「糸満売り」を紹介している。

2017-08-15 13:27:06
波島想太 @ele_cat_namy

操業中の船の櫓を操る「梶子(舵子)」と呼ばれる少年二人が親方の暴力、虐待に耐えかねて脱走、駐在所に保護を求めて駆け込んだことで大きく報道された。約50人の梶子のうち前借金で連れてこられたのと戦災孤児がそれぞれ9名、感化院や孤児院からが22名いた。

2017-08-15 13:44:45
八ツ星 @yatsuboshi

戦前の話だが、小学生の同級生が泣きながら嫌がるにも関わらず父親に拳骨で殴られながら漁船に売られていき、やがて船が嵐にあって死んだ、と水木しげる御大が回想していたなあ twitter.com/ele_cat_namy/s…

2017-08-17 10:57:47
波島想太 @ele_cat_namy

結局8名が親元に帰るか別の就労先に移ったが、残りは「双方とも新憲法の精神にもとづいて慈愛の手をのべ、よく働くことを誓」うということにして、そのまま島に残ることになった。

2017-08-15 13:49:54
波島想太 @ele_cat_namy

感化院や孤児院は手頃な受入先と考えていた節があり、孤児は家庭的な環境で漁業技術を身に付けられ、働き手を探していた島の人たちは助かっている。困窮のあまり多少は度を越してしまったが、その後は改善しているなどと問題を矮小化しようとした。梶子制度が不良少年の更正になるという論もあった。

2017-08-15 13:53:26
波島想太 @ele_cat_namy

再び脱走したこどもが保護される事件が起き、全く改善していないことが明るみに出た。朝は早く夜遅く、休みは盆と正月のみ、漁で失敗があると棒が折れるほど殴られ、20名の梶子のうち通学できているのは一人だけ、それも年間十日に満たないという。

2017-08-15 13:56:31
波島想太 @ele_cat_namy

すでに報道で知られていたが、情島をモデルにしたドラマが作成され、映画にもなった。完全な事実だけでなく過剰な演出が見られるため、民俗学者の宮本常一は現実とは違うと反論した。宮本は梶子への暴行も「わるい子を叱るのはあたりまえのこと」と擁護した。

2017-08-15 14:01:27
波島想太 @ele_cat_namy

(徹底的に歩いて回ることで人々の本音を聞くことを是としていた宮本氏がこんなことを言っていたとは。なんというか、うーむ)

2017-08-15 14:08:36
波島想太 @ele_cat_namy

「糸満売り」は糸満だけでなく、糸満漁夫が移住した八重山などにも見られる。前借金で本島北部や奄美の子供が糸満漁夫のもとへ売られ、過酷な漁業労働に酷使された。年齢は10才から、徴兵検査の頃まで使われたという。

2017-08-15 14:11:48
波島想太 @ele_cat_namy

売られてきた子供たちは泳ぎを覚えるために腹に縄をつけて海に放り込まれたり、漁で失敗すると櫂で殴られたりしていた。だが周囲の人々は貧困家庭の子供の職業訓練としてやむを得ない慣習と見ていた。人身売買の意識はなく、素朴な気持ちからの相互扶助という考え方すらあった。

2017-08-15 14:16:20
波島想太 @ele_cat_namy

「糸満売り」は戦後も続き、1954年脱走した少年たちが保護されるなどして問題になり、アメリカの施政権下にあった琉球政府も対応を迫られる。しかしこの少年たちもまたもとの漁家へ返されてしまう。実家の場所がわからず旅費もない、町に解放しても未成年ではかえって危険だからという理由である。

2017-08-15 14:20:39
波島想太 @ele_cat_namy

琉球新報などが批判的な記事を載せ、ここでも琉球政府が対応を迫られる。それでも結論は「貧困のため借金、年期奉公はやむを得ない」「本人や親権者が技能職として漁師を選択しその養成を希望している」「有能な漁夫に養成するには、幼少からの訓練が必要」と子供の労働、虐待を正当化した。

2017-08-15 14:24:27
波島想太 @ele_cat_namy

現状を肯定するために詭弁を弄する大人たちの醜い姿がここにある。八重山労働監督基準監督署長までもが「子供も暑い夏に家で汗をかくより海で泳いだ方がよい」「当人たちも学問はいらないといっているのであります」などと言い放つ始末。

2017-08-15 14:31:20
波島想太 @ele_cat_namy

沖縄には他にも貧農の子が富農に売られるインジャ、首里の辻遊郭に売られる辻売り、慶良間に売られる慶良間売りなどがあった。

2017-08-15 14:33:07
波島想太 @ele_cat_namy

(ブラック企業を取り締まったらそこで働いている人が困る、という理屈はこの人身売買に関与していた農民、漁民の言い分と重なる。全く成長していない)

2017-08-15 14:49:31
波島想太 @ele_cat_namy

(奴隷扱いの子供達を解放することについて「角をあやめて牛を殺す」などとよく言えたものだ。「こんなことをされたら今後子供を使えない」などと言う県職員もいた。使うなよ)

2017-08-15 14:52:07
波島想太 @ele_cat_namy

農家の事例もあるが冗長になるので詳細は割愛。興味深いのは栃木県の某農村で人身売買が横行した原因として「大農家の子弟は野良仕事をきらい都市の学校に行き、自家労力が足りなくなる」「インフレなので前借金で先払いした方が経済的」という指摘があった点。

2017-08-15 14:55:21
波島想太 @ele_cat_namy

「前借金で拘束することはどんな美名をつけようとも人身売買である」という認識が決定的に足りていない。下野新聞は事件報道でこの概念は広まるだろうと1949年に書いているが、50年以上経った今でもそれを知らない日本人は多いだろう。知らないことにしているだけの可能性もあるが。

2017-08-15 14:58:43
波島想太 @ele_cat_namy

厚生省も厚生省で人身売買はあってはならないし、そうした契約は無効であるが、解約させたところで孤児や貧困家庭で行き場がないと困る、そもそも現状に満足している子供もいる、などとここでも「それで助かっている者がいる」理論を主張し、GHQに睨まれて慌てて弁解をしている。

2017-08-15 16:06:06
波島想太 @ele_cat_namy

栃木県で発覚した人身売買は調査の中で福島県に波及した。しかし人身売買の根底には貧困があるため、売られた子供を親元へ帰そうにも、貧しくて養えないと拒否されることもあった。虐待さえなければ、里親制度を活用して正しく親子関係を結ぶべきという声もあった。

2017-08-15 16:14:44
波島想太 @ele_cat_namy

当然話は福島県で終わるはずもなく、山形から東北、全国へと広がっていく。人身売買に大きく関わるのが売り手と買い手をつなぐ周旋人の存在である。公娼制度の中で暗躍した女衒たちが、公娼廃止後もその経験とコネを活かして荒稼ぎを続けていた。官権と深く結び付いているものも少なくなかった。

2017-08-15 16:25:30
波島想太 @ele_cat_namy

子供たちの境遇に心を痛めた告発者と、「これは教育、養育であり、その代償として労働に従事するは当然」と言い張る使役者とのせめぎあいが続く。(この辺は貞淑だの国辱だのという観念論にスライドしてしまった廃娼運動とは少し異なるように思う)

2017-08-15 16:31:52