編集部イチオシ

西洋剣術の刃部分を掴んで使うハーフソード(術)と同種の日本剣術における技法について

創作分野で西洋剣術におけるハーフソードという使い方が知られはじめているようですが、日本の剣術にも刃部分を手で取る中取・蜻蜓・刀棒・鳥居構えなどと言われる技法群が存在する事はあまり知られていないようなので、その紹介を。
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無可動実綾ver.1.3 @ayyh15

TKGWくん!やっとまともな帯剣JKvs帯刀JKができたぞ! ハーフソード流行らせコラ! pic.twitter.com/wIJmIYVKhB

2017-08-20 16:15:03
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みんみんぜみ @inuchochin

突然ですが、日本刀におけるハーフソード技法(日本では中取り、蜻蜓(蜻蛉)、刀捧などと呼ばれる)についてツイートしてみる。西洋剣術がWeb上や漫画で技法が知られはじめたのに、日本の剣術の技法が剣道や殺陣に片寄ってるのは残念。

2017-08-29 21:02:29
みんみんぜみ @inuchochin

先日たくさんRTされた漫画先日の漫画(さっきRTしたこれtwitter.com/ayyh15/status/…)で刀側がやられてる同種の技としては有名な香取神道流のこれが近い?(投げないけど) pic.twitter.com/omKBRz1BPe

2017-08-29 21:05:00
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みんみんぜみ @inuchochin

刀は完全に握る事は基本的に難しいから、人指し指と親指の間に挟む形になる例が多いと思う。ただ受けた敵太刀を太刀と手で挟み固定する技は新陰流や神道流に見られる。こちらの21秒あたりから、左側の人が中取りして受け止めた太刀を掴む場面があるyoutu.be/kqTwVRrOTrs

2017-08-29 21:13:44
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新陰流広島稽古会@剣術道楽 @kenjyutudouraku

解説。(^-^) 刀棒で受けている側が打太刀。使太刀は刀棒で刀の峰に指をかけられた時、間髪を入れず身を寄せて低く入り身して刃を返し、打太刀の指を引き切る。 入り身が遅れると打太刀が使太刀の刀の峰に指をかけてそのまま推し落とし、切っ先で使太刀の腹を立て突く。 twitter.com/inuchochin/sta…

2017-08-29 21:46:11
みんみんぜみ @inuchochin

RT、刀の中程に手をかける構えは「中取り」とか「蜻蜓」「刀捧」と言って日本の剣術ではありふれた構えなんだけど、現代剣道や日本剣道形に無いからか、もしかしてあまり知られて無い? pic.twitter.com/0q6TizcGKB

2015-05-19 19:38:37
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みんみんぜみ @inuchochin

それから、加賀藩相心流居合に甲冑組太刀の絵がいくつかあります。どれも受けるか流すかして甲冑の隙間に切っ先を突き込む技のようです。これなど西洋のハーフソードに近い考えなのでは? pic.twitter.com/zM0dx788NI

2017-08-29 21:25:33
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みんみんぜみ @inuchochin

さらにハーフソードに似たものに明治期の兜割で有名な榊原鍵吉の流派として有名な直心影流の一派に甲冑組討がありました。この構えで敵(甲冑武者)に突進、受け止めてから面や脇を突き組み付き投げ倒す、もしくはさっと膝を突き股間あたりを突いてこかしたようです。『引用:武道伝書聚英10巻』 pic.twitter.com/WtKqHUjKI3

2017-08-29 21:40:49
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みんみんぜみ @inuchochin

実際に現在も残っている使い方としては、先ほど紹介した香取神道流や柳生新陰流以外に、鹿島新當流に多数の中取して使う技があります。1:20あたりからの演技で何度も出てきます。 youtu.be/vnhEmpRe1LI pic.twitter.com/txBzjXFkEi

2017-08-29 21:53:30
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みんみんぜみ @inuchochin

日本の剣術におけるハーフソード技法の話題の続きを。最初にツイートした香取神道流の、中取りの動画をいくつか。 抜き付けからはじまり、中取りしたままの攻防が続く「三津の太刀」を、外国の方が技法の説明をしている動画。 youtu.be/17DuTOYXZYg

2017-09-01 19:13:50
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みんみんぜみ @inuchochin

こちらは先ほどの三津ノ太刀が含まれる五行ノ太刀という形のグループの演武。最初の三つに中取がいくつも出てきます。 youtu.be/Yk-1fRr8Vwg

2017-09-01 19:30:15
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みんみんぜみ @inuchochin

佐渡島の『戸地の白刃』 神道流の剣術らしく、鹿島新當流にも似てる、昔ながらの技です。途中に中取りしての技も。 youtu.be/QZvEicsLgQ8

2017-09-06 20:47:23
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みんみんぜみ @inuchochin

@Baketuheaad で、今の直心影流に出てくる中取りの構えです。流派の一本目の形に出てくる体当たりの部分です。(左が仕太刀で肩から体当たりしているらしいです) pic.twitter.com/KOm4ytIgY1

2014-06-03 01:42:09
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みんみんぜみ @inuchochin

@Baketuheaad 体当たりに行ったところ、打ち太刀も中取りして水平に防御しつつ押し込んでくるので仕太刀は縦に構えて受け止めるらしいです。 pic.twitter.com/eSlBUunuxS

2014-06-03 01:43:32
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みんみんぜみ @inuchochin

柔術の源流と言われてる、戦国時代成立の竹内流の剣法(斎手というらしい)にも中取りした技が。相手の腕を封じていて体術的な感じです。 pic.twitter.com/wNPtqiXKkl

2017-09-19 12:26:25
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みんみんぜみ @inuchochin

中取(蜻蜓)は左手、もしくは右手で太刀の半ばを取るわけですから、そのままでは当然近くを切る、押さえる、のに向いています。なので接近した技を使う居合に中取の技は多くみられます。全日本剣道連盟居合にも『添え手突き』という形があるようです。youtu.be/19yLlZdUzWI pic.twitter.com/ePbjOSGlUO

2017-08-29 22:06:53
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みんみんぜみ @inuchochin

では、江戸時代の居合ではどうか、というと比較的稽古してる人がいる肥後藩の伯耆流居合にも色々出てきます。理由はいろいろあると思いますが、この例では剣道や剣術より想定する距離が短いからでしょうか。youtu.be/LvcW6uVvBZ8 pic.twitter.com/5aHzppHFMQ

2017-08-29 22:16:55
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みんみんぜみ @inuchochin

またこれも肥後藩の流派ですが、関口流抜刀術(いあい)に多くの中取り技法が出てきます。先ほどの動画も、これも、見ても「何をしてるかよくわからん」という人の方が多いのでは。youtu.be/yEP5iIEKRVY pic.twitter.com/Mx8fqed40A

2017-08-29 22:32:11
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みんみんぜみ @inuchochin

現代では居合は一人で演じるのが普通ですが、江戸時代では居合台などと呼ばれる打込み用具に打ち込んだり、剣術のように相手をつけるのもよくありました。関口流でもこのような居合絵図が残っています。(この絵は近代の模写です) pic.twitter.com/3IQzusDoNb

2017-08-29 22:39:24
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みんみんぜみ @inuchochin

こちらは相手をつけて稽古する林崎新夢想流居合。1:58あたりの寄身から先の技はほとんど中取しての技です。youtu.be/B2vU_TWCMqo pic.twitter.com/3l4z4M8Dzk

2017-08-29 23:16:30
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田宮流居合の中取の技について

Toyosaka Laboratory @ToyosakaLabo

紀州系田宮流ですと、左身の三本目の鞭結が中取の技です。またどうやら奥の技では少し意外な形で応用されていたみたい。

2017-08-29 23:34:04
Toyosaka Laboratory @ToyosakaLabo

柄と脇差を使う稽古でも、この鞭結の応用が出てきます。

2017-08-29 23:41:25
みんみんぜみ @inuchochin

こちらの動画の26:30あたりから田宮流居合(窪田派)の中取りする技について、@toyosakalaboさんによる伝書の記載とそれを元にした復元。窪田派では"鞭結"ではなく"脇の手詰"という名称になっています。youtu.be/eisS_cOwzpI

2017-08-30 08:52:31
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Toyosaka Laboratory @ToyosakaLabo

南紀徳川史第十七冊より引用「鞭結 打太刀前に同し。前後左右つまりたるに、突を直に立て抜、刀を中取してとめ、開てつく」※句読点は私

2017-08-30 09:34:14