陥没アヒルチャンのフォロワー百合小説 EP4
- ahiruchan_phi
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数体のアヒルバチが駆除班を取り囲む。「はんちょ〜さん!」はんちょ〜はようやく我に返った。「百合確認、狩り開始!」「ヒャアーッ!」クロも同様に跳躍してアヒルバチに組みつき、翅を鉈で切断しようとする。だが高速で振動する翅は鉈を弾いてしまう!「クワーッ!」戸惑うクロに毒針が迫る!
2017-11-28 12:24:01「ヒャーッ!」クロは迫る毒針の側面に鉈を滑らせながら姿勢を変え、その毒針を蹴ってさらに高くへ跳躍!丁度その位置を飛んでいた別のアヒルバチの腹に鉈を突き刺してぶら下がる!「グワーッ!?」「撃て!」はんちょ〜の号令で、クロが跳び退いたアヒルバチには即座に三筋の銃弾が叩き込まれる!
2017-11-28 12:27:42駆除班がアヒルバチ1匹に火力を集中している一方で、にょーふやは既に7匹のアヒルバチを無惨に殺めていた。なんたる怪力、なんたる敏捷性。その身体能力は既に百合の域、或いは百合を凌駕しているやもしれぬ。「のじるいお抱えの駆除班がこの程度……?」思索の片手間にアヒルバチの脚を引きちぎる。
2017-11-28 12:30:29「クワーッ!」「ちょっ、数が多いですって!」センは空中からの鋭い毒針攻撃を身を投げ出して回避。地面を転がりながら腰のホルスターから拳銃を抜き放ち、秘蔵の神経断裂弾を撃ち込む!「グワーッ!」アヒルバチが悶え乱れ飛ぶ!「範囲攻撃みたいな弾丸、作るべきですかね……でも高くつきそう……」
2017-11-28 12:33:35「クワーッ!」「うわっまた来た!」地面に仰向け姿勢のままのセンに、別のアヒルバチが飛来!陽光を受けて毒針が煌めく!BRATATAT!すかさず横からシアの小銃連射!アヒルバチは攻撃を断念し弾丸を回避する!「範囲攻撃ならありますよ?一発きりですが」「やったら二度とメンテしませんからね?」
2017-11-28 12:36:41駆除班のチーム戦を横目に、にょーふやは一人淡々と百合の骸を量産していく。「純粋な戦闘系、技術系……出来損ない」にょーふやは7つの目のうち3つで駆除班の姿を追っていた。そしてその戦力を分析する。「のじるいは何故、この程度の駆除班を動かしているのでしょう」片手でアヒルヘッドを握り潰す。
2017-11-28 12:39:54「聞こえてるけど」空中のアヒルに取り付いていたクロが、にょーふやと背中合わせの位置に着地した。「ダメなのはともかく、出来損ないはここには居ないけど」黄色の血に濡れた鉈を振り払う。「ではどこにいるのです?」にょーふやの目の一つがぐるりと動く。「訓練で疲れて寝てる」「まあ」
2017-11-28 12:42:28『間も無くー目谷方面へ向かう電車がー発車致しますー』「待って、待って!」買い物袋を抱えたサバが電車に駆け込む。乗客の数人がサバに忌まわしげな視線を向けた。直後ドアが閉まり、電車は動き出した。「君、おつかい?えらいねー」「あはは……そんなところです……はあ……」サバは溜息をつく。
2017-11-28 12:45:24ソファーの上でサバが目を覚ましたとき、既に拠点には他の誰もいなかった。痛む体を起こしてみると、炬燵の上に置き手紙を発見した。『百合が目谷の廃病院に出たから現場に来い あと途中でパスタソース買ってこい』手紙のそばには交通費にもおつかい代にも足りない100円玉が置かれていた。
2017-11-28 12:48:04防護服の上から厚手の上着を羽織り、モコモコになって拠点を飛び出したサバは、まず最寄りのコンビニに行ってパスタソースを5人前と新作スイーツのプリンを購入。小さな反抗としてイートインでこれでもかとゆっくりプリンを味わってから駅に向かい、発車間際の電車に駆け込んで今に至る。
2017-11-28 12:50:34