台湾産ラノベとか感想まとめ3

原子アトム @harakoatom さんによる台湾を中心としたアジアライトノベル探求の記録(2017年1月~)。 第1弾: https://togetter.com/li/970111 第2弾: https://togetter.com/li/1178138
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翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

かつて作家を志していた千繍は出版に夢を抱きがちで、手段を択ばずメディアに露出していく哈哪のスタイルを尊敬しつつも遠巻きに見ているが、節操なく夢ばかり語る千鳶の思想に徐々に疑念が生じて来る。台湾の出版不況が彼の考えを変えてしまうのだ。

2017-02-11 10:12:19
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ラノベの売り上げがダイレクトに社の業績を左右するという不況の中では、ラノベ作家に対する足切りも過酷を極める。作家に回す資源にも限りがあり、作家は自ら作品の宣伝をしなければならないため、ファン交流だけでも忙殺される始末だ。夢ばかり語り、創作だけしていれば良いわけではないのである。

2017-02-11 10:13:55
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

むしろ「創作だけしていればいい。作品が良ければそれでいい」という思想に固執する引きこもりの妹・千鳶は打ち切りに追い込まれる事態になるのは当然の帰結だった。そんな彼女と体を壊してまで業務外のサービスをこなす哈娜が互いを理解していく過程が本作特有のテーマ性を持たせている。

2017-02-11 10:17:06
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

『進入了沒想像中好混的編輯部成為菜鳥編輯,負責的作者還是家裡蹲妹妹!?(1)』はいわゆる業界ものではないし、ロリ系上司といったラノベ的キャラ設定はあるもののテーマは重い。舞台となっている台湾の出版社が不況なんだから仕方がないとはいえ、夢を語っている割には夢のない世界観だ。

2017-02-11 10:18:31
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

一番面白いのは尖端出版からも並行して新作を出している作者が「尖端にあっては角川を叩き角川にあっては尖端を叩く」と(ギャグとはいえ)あとがきで明言してしまっているところかも。とにかく厳しいのよ。

2017-02-11 10:20:49
リンク 博客來 進入了沒想像中好混的編輯部成為菜鳥編輯,負責的作者還是家裡蹲妹妹!?(1) 書名:進入了沒想像中好混的編輯部成為菜鳥編輯,負責的作者還是家裡蹲妹妹!?(1),語言:繁體中文,ISBN:9789864734139,頁數:332,出版社:台灣角川,作者:小鹿,出版日期:2016/12/23,類別:輕小說
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巷では高校生にしてラノベ作家になってみたら担当絵師が舞い散る雪のように儚げな引きこもりの妹だったというアニメが好評ですが、民国海軍を除隊して台湾角川に入社してみたら担当作家が引きこもりの金髪爆乳オッドアイハーフJKの妹だったという作品もあわせてお楽しみください #エロマンガ先生 pic.twitter.com/8Fl4y0gFCn

2017-04-09 08:46:42
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KILO『紅蓮梨花 大神的潛入者』

翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

『紅蓮梨花 大神的潛入者』(紅蓮梨花 大神の侵入者)。傑作本土TRPG「高砂幻想譚」のノベライズ版、と言われてもピンと来ないけど日治時代を舞台にした高砂幻想譚という台湾オリジナルのTRPGが下敷きになっているという、『臺北城~』とはまた違うベクトルの「日治時代ファンタジー」もの。 pic.twitter.com/U4svoq1WTr

2016-12-04 16:28:01
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今回購入した物の中だと『紅蓮梨花 大神的潛入者』に少し期待してる。以前ツイートした日本による植民地支配が続く架空の1950年代の台北を舞台にした『臺北城裡妖魔跋扈』が臺北地方異聞工作室というサークルのTRPGのノベライズ版だったように、本作も日治時代をテーマにしているみたい。

2016-12-04 16:31:26
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もっとも『臺北城裡妖魔跋扈』とは違ってかなりファンタジー色というか、ラノベ的要素が強い内容みたいだから一概には比較できないけど、日治時代ものとして面白そうなので購入決定。台湾のモダンファンタジーの中では「日治時代」が一つのジャンルとして確立してる感じがしますね。

2016-12-04 16:33:23
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高砂地区の反抗史詩!って日本人の立場からこう言うとアレだけど、アツいよなこれ。

2016-12-04 16:35:18
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紅蓮梨花っていう日本による植民地支配が続く時代を舞台に高砂族の反抗を描いた台湾のラノベ読んでたら帝国陸軍がビルの中でM224迫撃砲出して来て混乱してる。一世紀の間反抗が続いているという設定上持っててもおかしくない装備だけどさすがに屋内で使うのは… pic.twitter.com/WyuXwV9zdB

2017-02-26 22:39:34
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『紅蓮梨花 大神的潛入者』は台湾TRPGのノベライズ作品らしくて、テンポ早めでサクサク読める感じ。日本による植民地支配に抵抗する高砂族の戦いを描く物語で、高砂族が精霊の力とか使ったりする一方で敵が日本人なので冷酷な忍者とか出て来るの楽しいかも。 pic.twitter.com/TASMeUxgrk

2017-02-18 21:46:35
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『紅蓮梨花 大神的潛入者』(紅蓮梨花大神の潜入者)典藏閣。日之本帝国による植民地支配が続く架空の台湾で、100年近くに渡り反抗を続けて来た高砂族の瓦解を目的とし密偵として潜入した主人公・梧桐は、彼らの精神的支柱である「紅王」の正体を知ったことで国家を跨ぐ陰謀に巻き込まれていく。 pic.twitter.com/b6Ytmq9SSv

2017-04-01 21:44:47
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『紅蓮梨花 大神的潛入者』は台湾で人気を集める本土TRPG「takasago project」の世界観をノベライズした作品で、日本による植民地支配の歴史と実際に勇猛で名を馳せた高砂族の活躍に風水などのアジアンファンタジー要素を加味した、かなり“タイワン的”といってよい作品。

2017-04-01 21:47:10
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背景となっているのは帝国による支配が始まってから各地が陥落する中で、高砂族の本拠地周辺のみが100年近く延々と反抗を続けている架空の台湾。つまり時間的にはすでに21世紀の話で、携帯電話や近代兵器なども登場するが、その一方で精霊の力を借りる高砂族の戦士たちなど、結構なんでもあり。

2017-04-01 21:49:33
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

なんでもありというのは、高砂族のみの反抗作戦が100年近く継続しているという非現実的な設定に対する説明が全くないため、時折顔を出す近代兵器、携帯電話、「アウトドアショップ」といったワードと「高砂族」に対するイメージの乖離が目に付き……かなりとっちらかった印象が強いのです。

2017-04-01 21:55:18
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以前触れた「臺北城~」がぎりぎり植民地支配が続く五十年代の台湾を舞台にしているのとは対照的だった。終始一貫して高砂族の戦士たちが戦い続ける描写が続くし、時代設定に対する考証もないし、正直な話、21世紀の話にする必要性は全く感じられない。

2017-04-01 21:58:52
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

物語的には反抗を続ける高砂族にスパイとして送り込まれた帝国軍側の少年、梧桐が彼らの精神的支柱である高砂族リーダー「紅王」の正体を探る中で、戦士たちと心を通わせ、次第に高砂族に肩入れすることで、帝国と衝突し、帝国の陰謀の核心に巻き込まれてしまうというもの。

2017-04-01 22:01:04
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

主人公の梧桐は帝国を影から支えて来た二大勢力、「治奥」「大神」の内、影を司る「大神」の末裔にして一族最弱のはみ出し者だった。そんな彼を引き取った「治奥」側の人間にして台湾総督である治奥竹光の高砂平定構想を実現するため、ルーツにまつわる葛藤も描かれる。

2017-04-01 22:04:46
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

元々TRPG前提なので回収されない伏線の方が多いんだけど、それにも増して目立ったのはストーリーテリングを一切無視したバトルオンリーの物語構成。とにかく戦う。これでもかというぐらい戦う。むしろ全ページ戦ってばっかりで、一応葛藤とかもあるけど、割と戦いの中でうやむやになっちゃう。

2017-04-01 22:07:22
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

なんで主人公は「大神」一族の中で最弱なの?とか高砂族が駆使する精霊の力ってなんなの?とかどうして近代兵器を所有しているはずの帝国軍は100年もまごついてんの?とか、まともな説明もないし、オチもよく分からない。終盤数ページで現れた新キャラが強引に畳んで正体も明かさない。

2017-04-01 22:09:45
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

TRPGの世界観を巧みに小説に落とし込んだ「臺北城~」とは違い、「TRPGをプレイしている」というそのライブ感“だけ”をそのまま文字に書き起こしましたという作品で、まあライブ感と言えば聞こえはいいけど、終始隣のテーブルのゲームマスターの声が耳を離れない感じ、と言った方が近い。

2017-04-01 22:12:52
翻訳姫(中日翻訳者)♎🏥🍶 @HonyakuhimeVt

異様に引っ張るタイプのゲームマスターの成すがままされるがままという状況を想像すれば確かに興奮の連続ではある。突然「ヒロインが一時的に目を潰して五感を研ぎ澄ます修行を始めました」なんてことになったら俺ならどうするか。想像するだけで頭が痛い。本筋には何の関係もないのに……

2017-04-01 22:16:09
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