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「悪くて結構です。まあ、リリアさんも恐らく気付いているでしょうが、彼女が好きな綺麗な女性を何人かご一緒させれば、喜んで利用されてくれるでしょう」 「ウチの女性陣はコンパニオンか何かじゃないんだよ?」 「まあ、男性の接客をさせるわけでなし……」 「悪い人だなぁ……」 「悪いでーす」 70
2018-02-07 23:01:27「立森さん」 「ん?どうした佐祐里ちゃん」 「いえ、黒音さんはどうされましたか。まだ磐司さんの病室ですか?」 立森太臓の横には、副隊長の黒音の姿が無かった。重傷を負った兄、磐司に付き添っていたのは分かっていたが、やはり今もそのままなのだろうか。 71
2018-02-07 23:20:56「ああ、いやそれが……クレーバーン博士のところなんだ」 「博士の?」 佐祐里は瞬きをした。 「パラサイト対策に協力して、ケイローンの弓の連中をぶっ倒したいんだとさ」 「ああ……流石、黒音さんですね」 「やられっ放しじゃすまねぇってことだな、連中怖い相手を怒らせたもんだ」 72
2018-02-07 23:25:22佐祐里と、周囲で話を聞いていた者たちに小さな笑いが起きる。 「じゃあ、後で博士の分も含めて差し入れを持っていきませんとね」 「作戦の要でもあるからな」 涼平も神妙に頷いた。 73
2018-02-07 23:27:54----------- 「それでは!」 「お先!」 「おう!」 部屋を退出していく者たちに立森は応える。部屋にはもう十人もいない。その中の一人、篠森が衛守を先に返して立森の側に来た。 「どうかしましたか?」 「篠森さん……ああ、いや……」 立森は今抱えていることを言うべきか少し悩んだ。 74
2018-02-07 23:31:17だがいずれ耳に入ることだ。それに「まだ」確定ではない。 「実はな」 「ええ」 顔を寄せた篠森に耳打ちした。 「(黒音ちゃん、ケイローンの連中をぶっ倒したら兄貴と一緒に僚勇会、辞めるってよ)」 「そう……ですか」 篠森は立森の隣の席に座り、二人は暫し無言で肩を落とした。 75
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