勇者が土下座で人妻魔王にセックスさせてもらう話

3月10日、ハットマンズショー(大長編)は次のステージへ羽ばたく
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帽子男 @alkali_acid

「は?何を?」 「一回だけさせてください!いやらしいことを!」 「え、お断りしますが…」 「そこをなんとか!」 「うっとうしいですね。死ね」 水流の刃が向かうが、赤熱する拳が叩き落とす。 「炎魔将?」 「…わ、わりい…でも…」

2018-03-10 17:41:34
帽子男 @alkali_acid

勇者は泡の中でまっすぐに立つと、あらためて土下座る。 鮮やかな動きだった。 「お願いします!!」 「…い、いやです…私は殿方が苦手なのです…昔からそばにいられるとうっとうしくて」 「それは!どうでもいいので!」 「な、どうでもいいって…」 「させてください!」

2018-03-10 17:42:55
帽子男 @alkali_acid

「いやです。男はいや。そうやって強いようとするお前はおぞましい」 水魔将ははっきりと拒絶の意志を伝える。 勇者は土下座のまま凍り付き、さっと炎魔将の方を向いて再土下座した。 「お願いします。手伝ってください」 「…なっ…そんなの…私に…戦友を…」 「お願いします!」

2018-03-10 17:46:58
帽子男 @alkali_acid

炎魔将は紅蓮の溜息をついてから水魔将ににじり寄る。 「何をするつもりです。いくらあなたでも、場合によっては」 「好きだ…水魔将」 「なっ…」 隙をついてまた口づけ。 「…いや仲間として…だけどさ…でも…あいつの言いなりになれば…あいつがしてないときは…こうして…」

2018-03-10 17:48:44
帽子男 @alkali_acid

「慰めてやる…私だけじゃなく、風魔将も…土魔将も…一緒に」 「な…あなた…まさか…皆を…勇者の手下にする気…んっ…そんなの魔王様が…」 「きっと…魔王様も…一緒になれる…だから」 「そんな…んっ…」 勇者は進捗を確認したうえで、とどめの土下座。 「お願いします!」

2018-03-10 17:50:45
帽子男 @alkali_acid

リザードウーマンの愛撫を受けながら、クラーケンレディはわななき、やがて肩を落とす。 「しかた…ありませんねぇ…」

2018-03-10 17:51:32
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 魔王と王配。妖魔の女と妖精の少年は向かい合って座っていた。 年嵩の方はなにやら素材のしれぬ書類に眼差しを向けるだけで署名を焼きつかせていく。少年はその条文を読んでいた。 「和睦…の…条項」 「ああ。これは人間の王国と妖魔の王国のあいだに結ぶ和睦のための覚書じゃ」

2018-03-10 17:53:46
帽子男 @alkali_acid

「和睦」 「人間と妖魔はながらく争ってきたが、そろそろ一休みをしようと思うてな。戦いばかりでは飽きる故」 「そうか。魔王の考えだからきっと正しいね」 「ふふ。そんな考えでよいのか」 「うん。魔王はいつだって正しい」 「人間にも妖精にも違う考えのものはいるぞ」 「でも魔王が正しいよ」

2018-03-10 17:55:31
帽子男 @alkali_acid

妖魔の君主は複乳を机につけて身を乗り出し、左右色の異なる妖精の仔の瞳を覗き込む。 「我が君。そなたの母や姉はどう思っておる。かつて戦でそなたの父の命を奪った予…今またたいせつな息子を人質も同然に差し出させた予を」 「僕この前帰ったとき、いっぱい話したよ。手紙も書いてるし」 「何と」

2018-03-10 17:57:35
帽子男 @alkali_acid

「魔王は怖いけど、賢くて、優しくて、強くて…すごく偉い方だって」 「…納得していたか」 「母上も姉上も賢いもの。分かるよ」 「そうか…」 「僕、魔王と結婚出来てとても誇らしいよ。きっと大きくなったら、魔将の皆と同じぐらい役に立つから…待っててね!」 「ああ…期待しているぞ我が君」

2018-03-10 17:59:49
帽子男 @alkali_acid

幼い夫は席を立って、年嵩の妻のもとへゆき、跪く。指輪をはめた長い腕がのびて、頬に触れようとするのを手で握り、うやうやしく口づける。 「僕はずっとあなたに仕えるよ魔王」 「そなたは予と対等な立場じゃ。仕えるなどと言うな」 さみしげな返事。少年は首を傾げる。 「でも…そうしたいんだ」

2018-03-10 18:02:45
帽子男 @alkali_acid

魔王は腕を引き、顔をそむける。 「そなたの父上…妖精王はな…予にとって領土を巡る長年の大敵であった…一騎打ちの末に斬り倒したとき…我が胸は勝利の喜びに燃えたわ」 「…魔王…」 「それなのに…我が君…そなたは…あの妖精族最強の戦士より…たやすく予を打ち負かす…」

2018-03-10 18:06:38
帽子男 @alkali_acid

妖魔の女は立ち上がると、手紙に混じる琥珀の一粒を蠍の尾ですくい取って運んでくる。 「土魔将からだ。そなたにまた遊びに来てほしいそうだ。妖精は森と親しむがゆえ…やつの趣味と合うのだな」 「土魔将のお庭はきれいだよ!魔王も一緒にゆけたらいいけど」 「そうもゆかぬ」

2018-03-10 18:09:14
帽子男 @alkali_acid

「和睦にはそなたの実家である妖精や、山掘りの小人、乱暴ものの巨人どもも加えて、長保ちするものにしておきたいのじゃ…それに勇者の一件もある」 「勇者?すごい人間?会ってみたいな」 「またそれか…あれは得体が知れぬ予に何か術をしかけたようでもあった…風魔将に探らせるつもりだが…」

2018-03-10 18:11:48
帽子男 @alkali_acid

魔王はかぶりをふって王配を見つめなおす。 「すまぬな。ついくだらぬ話に付き合わせてしまって」 「魔王とお話できるのうれしいよ」 「…そうだ我が君、そなただけ土魔将ところへ遊びにゆくとよい」 「ううん。僕は魔王のそばにいる」 「…そうか…」 屈みこんで唇を重ねようとして、頬で済ませる。

2018-03-10 18:14:44
帽子男 @alkali_acid

「…気の短い方ではないつもりだが…」 「?」 「…早く…大きくなってほしいぞ…我が君」 反対側の頬にも口づけをしてから、妖魔の女は書類の山に向き直り、さっと腕を伸ばして指を広げると、またたく間にすべてに署名を焼きつかせる。 「散歩にゆこう。博物室で龍の骸でも眺めようではないか」

2018-03-10 18:16:48
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 「んー幻日火はうまく育たないだなあ…わっちのやり方の何が間違ってるだかなぁ…妖精さんに聞いてみたいだが…王配陛下また遊びに来てくんないだかなかあ」 土魔将は庭を見回りながら、あまり元気のない不燃の草を見下ろす。 「たぶん魔王様がひまにならないと無理だなあ…」

2018-03-10 18:19:01
帽子男 @alkali_acid

土魔将は花と草木の特徴を備えたぽっちゃり美女。ま、トレントガールってところ。甘い匂いがしている。 「魔王様ったらさびしがりだでなあ…わんこみたいな王配陛下がおそばにいないときっと落ち着かなくなって人間の王国に侵攻してしまうだ…そしたら、わっちも従軍しなくてはなんねえし」

2018-03-10 18:22:18
帽子男 @alkali_acid

「人間の死体はいい肥しになるだが、でもこの庭を離れるのはさびしいだ…お、王配陛下がお手植えになった結婚記念の白姫桜はじょうぶに育っとるだな…やっぱ妖精さんの丹精は偉いもんだ…」 のんびりしているといきなり庭の一画が燃える。 別の一画が水浸しに。 「なあ!?」

2018-03-10 18:24:20
帽子男 @alkali_acid

炎魔将と水魔将登場。 「あんたら!ひさしぶりに来たと思ったら何してくれんだ!ここは魔王様恩賜の庭園だの知らねえわけでねえだべ!」 「土魔将…すまん…だけど」 「私達…土下座で…頼まれて」 「いーや許さねえ!元通りにするまで働いて…なんだ?」 土下座。そう土下座である。

2018-03-10 18:26:13
帽子男 @alkali_acid

咲き乱れる蛇頭花のあいだに、あざやか土下座を決める男。勇者。強力な白魔法の防護がかかっているのか、噛みついて来る魔性の植物も意に介さない。 「お願い…します…!!」 「は?」 「一回だけ!!させて下さい!いやらしいことを!」 「こいつ頭がおかしいだか?」 「そこを!なんとか!」

2018-03-10 18:29:59
帽子男 @alkali_acid

「うすきみわりぃやつだな…炎魔将、水魔将…ちょっとごたつくがほっとけな」 庭の草木が一斉にうごめき出し、蔓を伸ばし、棘を飛ばし、瘴気を吐き、焼け付く花粉や、強酸の粘液をほとばしらせる。 だがすべて白魔法が弾く。 「…人間の聖者の術…どこかに隠れてるだか…まさかお前…勇者だか?」

2018-03-10 18:32:15
帽子男 @alkali_acid

土魔将みずからが木の根をまといつかせ、巨躯にふくれあがる。琥珀の塊を拳に包み、大きな鎚となして振りあげる。 「魔王様や王配陛下の禍になりそうだなあ!わっちがここで潰しておく」 振り下ろすと同時に、蛮族の女が飛び出して割って入り、加速のついた大質量を拳で受け止める 「…ちい!!」

2018-03-10 18:35:10
帽子男 @alkali_acid

「くぉ…魔将ってのはどいつもこいつも…めちゃくちゃ強ぇな」 「当たり前だぁ!魔王軍なめるでねえ!」 「あたしは闘技場の覇者だ!勝負させてもらう」 「は!人間ごときがあ!」 木の根でできたゴーレムと素手で戦う覇者だが、まあかなりやる。かぶれる液体を分泌しながら暴れまわる敵を恐れず。

2018-03-10 18:38:22
帽子男 @alkali_acid

筋肉のかわりをする繊維をつかんで引きちぎる。 「うおらああ」 「死ぬだ!人間!っ…!?」 炎の矢と水の刃が同時に巨大化したトレントガールの両足を襲う。 「な…なにするだ水魔将、炎魔将…」 「…くっ…私らだって」 「土下座さえされてなければ…仲間を狙うようなまね…」

2018-03-10 18:40:35
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