「史料に『鳥の様に自由』という解放の喜びが」「そりゃ『法的保護なし』『心細い』って意味だよ!」…『平和喪失刑』や「誤訳で印象が変わる話」

おもしろいなあと思ったのは 1:Vogelfreiという言葉が、印象の部分で今では「鳥のように自由」というポジティブな意味にとれるのに、当時はネガティブな意味があるーという話 2:「法的な保護を奪う」それ自体が刑罰になる、という話 です。わかりづらいかなあ。でもまあ、まとめた本人が面白がっているのだからいいや。そしてこんな設定、ファンタジーとかにも使えそうですね(既に使ってる作品とかもあるのかな?)「江戸の無宿人だって、法的保護剥奪刑じゃない?」という指摘も、そういえばそうかだし。 続きを読む
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りらく&弘前彩扇♨️ @riraku12

清盛が頼朝を伊豆に流したのって、風光明媚な静かな所で、働かなくていいからずーっと休んでろ、食い扶持もやるぞ、なんなら現地の女の子と遊んでもいいし、って言う「ダメ人間になれの刑」なんだけど、現代の奴隷労働に疲弊した若者からしたら清盛マジ神、救世主だろ。 #平清盛 #ブラタモリ

2018-05-12 22:21:02
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

中世日本の流罪って、送られる場所は指定されるけど、衣食住は基本的に自分でなんとかしないといけないので、そんなに優雅なもんじゃなかったはず。流罪にされる時点で本人の所有物、財貨や所領なんかは没収されてるんで、関係者に支援してもらうか配流先で支援者を見つけないとたちまち干上がる。

2018-05-12 23:07:09
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

頼朝の場合は、源氏の貴公子だったのと、親類縁者に都の貴顕がいたんでなんとかなった、割とレアなケース。流罪にされる時点でそういう縁が切られることも多いんで、配流先で困窮して亡くなった人間はかなりいたと思う。

2018-05-12 23:09:57
まとめ管理人 @1059kanri

@itzk_k なおかつ流罪になった瞬間、権力による保護が喪失するので、流罪先に送られる間に殺される事例がけっこうありますね。それこそ自力救済の出来ない人には死罪と変わらなかったようで

2018-05-12 23:09:55
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

@1059kanri ああ、それもありましたね。>権力による保護が喪失 現代的な表現をすれば、基本的人権を失ったに等しい状態なんで、配流先に支援と保護を行ってくれる人間がいないと、干上がるか殺されるかという超ハードモード。

2018-05-12 23:16:29
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

そういやこの間読んだ大西泰正『宇喜多秀家』に、八丈島に流された秀家とついていった一族や家臣たちが、江戸時代を通して加賀前田藩から支援を受けて生き延びてたって話が載ってた。秀家が赦免される明治2年まで続いてたと知ってびっくり。 #読書 #メモ

2018-05-12 23:23:24
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

なんで加賀前田藩が?と思ったら、秀家の正室が前田利家の娘にして秀吉の養女、いわゆる豪姫だっていう縁から。彼女は実家に引き取られて北陸で余生を送ったんだけど、そちらでは「備前様」って呼ばれてたんだとか。 #読書 #メモ

2018-05-12 23:26:03
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

宇喜多氏は秀家の父、直家より前の時代をたどるのが難しいくらいの出自らしく、直家が一代で中国筋有数の勢力に仕立てた成り上がり。その分だけ戦国大名としての集権化が立ち遅れてたのを、秀家の妻豪姫の養家と実家、つまり豊臣と前田の後ろ盾でカバーしてた。 #読書 #メモ

2018-05-12 23:35:36
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

具体的には、家中の統制や領内の支配にも、秀吉の権力を背景にして進めるような状態。秀吉が生きてるうちはそれでもなんとかなってたんだけど、彼と利家の両方が相次いで亡くなったことによりタガが外れ、重臣と側近の対立から内戦一歩手前の紛争に発展。 #読書 #メモ

2018-05-12 23:38:13
itozaki_kei/イトザキ ケイ @itzk_k

すったもんだのあげく、家臣の相当な割合が退転して戦力的にも政治的にもガタガタ。そこで、これまでは客将扱いだった明石氏の現当主、掃部(いわゆる全登)に重職を任せて再編しようとしたんだけど、それが実を結ぶ前に関ヶ原戦役が勃発。以下は皆さんご存知の通り。 #読書 #メモ

2018-05-12 23:41:10
Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

@1059kanri @itzk_k ありゃあ、この前 「『平和喪失刑』っていって、ある罪人の法的保護喪失を宣言して、あとは襲われるまま、奪われるままに任せる刑罰が西洋にはあったみたいだね。面白いねー」ってやったんだけど、日本の流罪ってそれに近いのか。 togetter.com/li/1214069

2018-05-13 19:53:34
侘助 @minoruno

清水先生の「喧嘩両成敗の歴史」をちんたら読んでるんですが、前近代は上層社会でも下層社会でもいずれかのコミュニティに属することで安全を確保する時代で、逆にひとたびコミュニティから放逐されると法の埒外に置かれることになり「他者に何をされても良い」という立場になってしまうという

2019-01-14 19:23:34
侘助 @minoruno

つまり「家の物を奪われたり」「壊されたり」「殺されたり」されることが公然とOKになると。現代に於ける事件の加害者・問題を起こした人に対するバッシングとかそれこそ今話題のNGTのネットでの犯人探しとかそういうのってこのコミュニティから外れた人に対する民衆の懲罰心理の名残なんだなと

2019-01-14 20:06:27
侘助 @minoruno

つまり「室町しぐさ最強説」ということである(`・ω・´)

2019-01-14 20:08:48
bookroad @bookroad1

@minoruno そういう言葉は無いけど、実質的にはゲルマンの「平和喪失刑」が存在してたんですね togetter.com/li/1214069

2019-01-15 02:25:19
ペスト @pes_tis

中世ヨーロッパにおいて古典的な文句の一つに「狼男に食べられる」というものがあったんですがこの狼男の指すところは罪を犯した浮浪者だったりするんですよね。追いやられた人間は「狼の頭を持つ(gerit caput lupinum)」と言われるになり、即ちは殺してもよいし殺すべき存在として扱われたんです。 pic.twitter.com/Jn3tSwZJPk

2019-03-22 20:48:56
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ペスト @pes_tis

この文化というのは自力救済という復讐が半ば正当化される中において、宗教上の犯罪、強姦などを犯してかばいようのないやつは居場所がなくなって森などに逃げ込むという背景があって、それが危険性のメタファーとして用いられたというかたちです。このことをアハトと言ったりします。

2019-03-22 20:54:33
ペスト @pes_tis

居場所がなくなったというのは物理的な面も大きくて、この場合の狼男は法を喪失したと見なされ、この喪失者はあらゆる法的関係を解消され、妻は寡婦となり、子供は孤児となり、財産が無主物となったほどです。

2019-03-22 21:12:45
坂之上田村フレンズ @pokitasu

中世以前の世界では山林など人間の集落以外の土地が危険なのは当然として、法治が徹底していない世界では何処かの集団の後ろ盾がない流れ者は、他人からどのような扱いを受けても文句を言えず自衛するしかないので、人間の集落であっても油断はできないという。だから昔の追放刑は致命的だったのだ。

2019-06-03 12:38:12
司史生@減量中 @tsukasafumio

@pokitasu たしか十八世紀にある藩が居住地からの所払いの刑を課した者について追跡調査したところ、そのほとんどが野垂れ死んでいたとか。

2019-06-03 12:53:26
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