愛国心について

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湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

ご返信ありがとうございます。 失礼かもしれませんが、ごく基本的なことを確認させていただきます。ナショナリズムについて、あるいは愛国心について集中して勉強していたのは10年以上も前なので、改めて文献を引き出してくるのも大変ですので、ごく表面的なことだけを説明させていただきます。 twitter.com/Elice_13/statu…

2018-06-13 22:02:42
えりし~ @Elice_13

@SHONAN_T_philo いや左派に限らず「愛国心」なんて誰でも持ってるだろ? 所謂「普通の日本人」が持っていると公言してる「程度」の愛国心ならw もっと踏み込んだ愛国心なら話は別だが、オレは左派の愛国心の方を支持するがね。 国家に従属する類いのモノでは無く、個人主義に根差した愛国心を。

2018-06-12 01:25:03
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

「「愛国心」なんて誰でも持ってるだろ?」と仰っていますが、 まず(1)「愛国心」という体験が近代的なものであり、人が本来的に自然に持つものではないということをご確認していただきたいと思います。

2018-06-13 22:03:19
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

もちろん人は社会的な生き物ですからまったく「自然な」感情というものはほぼないとは思うのですが、「自然に」感じられるということはそれだけ社会的に構築されているという基本的なことをご確認下さい。

2018-06-13 22:03:48
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

たとえば愛国心には「国民」であるという意識が前提として必要であるかと思いますが、「国民」という意識もいうまでもありませんが、主権を持った国境に境界付けられた領域があり、そこに一つ法に従う、一つの国語を語る市民がいる、という前提が必要です。

2018-06-13 22:04:25
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

大変失礼な確認ですが、近代国民国家の形成以前には、国民も国語も愛国心もあたりまえのものとして語れませんでした。郷土や共同体への愛着は当然あるでしょうが、それはいわゆる「愛国心」とは異なるものです。

2018-06-13 22:05:04
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

(2)つぎにこの愛国心を感じる主体についてですが、先に申し上げたことから国民という一人の主体、ということになるかと思います。単純に何も疑問を持たずに「愛国心」があるといえるのは、たいていは「日本人」としてのアイデンティティを持っている人だと思います。

2018-06-13 22:05:58
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

あるいはまた「愛国心」という日本人に対して「やまとんちゅう」だからだろと思うような沖縄の方もいるのではないか、と考えることも可能です。つまり誰でも持っているものなのでしょうか?そうした隣人と共有できない共同体への愛とは何でしょうか?これもわたしが愛国心を否定する一つの理由です

2018-06-13 22:08:28
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

さらにいえば、日本人であっても国家によってひどい抑圧や拷問にあった、恨みを持っている、という人に愛国心はあるのでしょうか?または、そうした隣人がいるときに自分には愛国心があるといえるでしょうか。

2018-06-13 22:09:35
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

(3)貴殿は「個人の」ということを強調しているので、「愛国心」とナショナリズムを分けていると思われますが、おそらくその区別は不分明で愛国心はいつでもナショナリズムに転落する可能性があると思います。

2018-06-13 22:10:25
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

たとえば、郷土への愛着や、過去の人物、作品や歴史的存在物へのわたしの愛着を指して、「それ愛国心じゃない?」といわれたとしても、わたしが愛国心ではないと主張する、郷土や共同性への愛着を愛国心と区別するのはとても難しいのです。

2018-06-13 22:12:03
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

そしてその区別に失敗し妥協したときに、私の愛着心は「みんな」に拡大されたとき簡単にナショナリズムへと転落する可能性はいつでもあるのです。

2018-06-13 22:12:39
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

ですから、わたしはナショナリズムにいつでも転落しうる愛国心とわたしが愛着するものへの思いを違うものとして表現し続けるためにパフォーマティヴに「愛国心はありません」といい続けます。

2018-06-13 22:13:11
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

そうした時代と現在とでは、それこそ近代国家の成立の以前以後ほどの違いがあるのではないかと思います。なぜ、簡単に愛国心と誰もが言えるようになったのか、そして愛国心を否定することを忖度してしまうような状況がいつから生じたのか考察に値すると思っています。

2018-06-13 22:14:37
湘南蔦屋書店人文 哲学・思想 @SHONAN_T_philo

ながながと、申し訳ございませんでした。とても重要なご指摘だと思いましたので、以上です。失礼いたします。

2018-06-13 22:15:46
🐈勇気🐶真実🐅協議🦁決断🐼謙虚🦘公正🐵投票🐖 @heiwawomamoru

@pookie46458576 @SHONAN_T_philo 愛国心という言葉を多用する人は、伝統という言葉を多用する人と相当重なるようです。ただ、江戸時代に「愛国心」などあるはずがありませんので、この人々の唱える「伝統」の長さは150年程度かも知れません。

2018-06-15 15:15:26

愛国心とパトリオティズム

楽々堂 @rakudo0

うーーん。パトリオティズムというのは愛国心と訳してしまうのも違和感。 私は「愛郷心」だと思いますがね。故郷を愛することと国家を愛することの間には少し隔たりがあるのではないかと思います。石川啄木が東京駅で故郷の盛岡の方言を聞いたときに沸いた望郷の思い。 twitter.com/masayuki_60/st…

2018-06-13 21:12:52
たかのまさゆき @masayuki_60

@feedback515 愛国心= patriotismの弊害はとっくの昔に歴史的検証されている。絶対王政から奪い取った民衆の権利を守るためのイデオロギーだったが、既得権を拡大するイデオロギーに変化し世界に危険をもたらすことになった。第一次大戦後に否定された考え方である。

2018-06-13 20:21:45
楽々堂 @rakudo0

あれが「愛郷心」なのではないかと思います。これは別に「国」でなくてもいいのですよね。「国家」というのは権力機構ですから。国家権力に国民を収れんさせるために、「愛郷心」は利用されるのでしょうけれど。

2018-06-13 21:12:53
楽々堂 @rakudo0

だから愛国心というのは、国家主義、すなわちnationalismといってもよいでしょう。

2018-06-13 21:12:53
楽々堂 @rakudo0

普仏戦争のあとのフランスの愛国心教育を見てみると、地域への「愛」が「フランス国家」に収れんしてしまう仕掛けを子供たちの教材にも使ってます。あれは典型的なパトリオティズムを利用したナショナリズムです

2018-06-13 21:12:53
楽々堂 @rakudo0

まあ、現代の場合、個人が一足飛びに国家に同一化してしまう傾向がありますがね。  19世紀後半まで、日本は封建国家の連合体でしたが

2018-06-13 21:12:53
楽々堂 @rakudo0

それぞれの領邦国家(藩)に民衆が帰属意識を持っていた(加賀宰相前田侯の領民とか)わけで、この帰属意識を変えるために、それぞれの地域を媒介して国家に収れんさせました

2018-06-13 21:12:54
楽々堂 @rakudo0

フランスでも、普仏戦争でフランス領に攻め入ったプロイセン軍に食料を渡していた領民がいたりして(中世の戦争では、民衆が戦乱をやりすごすためによくやったことです)、決してフランスに帰属意識を持ってない人もいたのです(自分たちの地域には愛着はありましたが)

2018-06-13 21:12:54
楽々堂 @rakudo0

だから、それぞれの地域愛を利用しながら巧妙にフランス国家に人々を結び付けたのです。  このように愛郷心をてこにナショナリズムが沸き立ってきたわけです

2018-06-13 21:12:54
楽々堂 @rakudo0

ただ、最近は先ほども言いましたが、郷土を媒介しないでもナショナリズムは成立しますがね(地域の古い共同体がもうないので)

2018-06-13 21:12:55