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加藤直之氏によるメカ・デザイン論

加藤直之氏(SF画家/イラストレーター)によるメカ・デザイン論のツイートをまとめ中。 加藤直之氏によるメカデザインのお話 ⇒ https://togetter.com/li/264593 加藤直之氏の「宇宙戦艦ヤマト2199」製作作業 続きを読む
宇宙戦艦ヤマト 銀河英雄伝説 加藤直之 スタジオぬえ ゼロテスター アニメ
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加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
用事があって、朝早くに起きた(眠い) せっかくなので、ここで、メカ・デザイン論を一発。 ぼくが最初にメカデザインを「学んだ」のは、『ゼロテスター』の企画に参加したときですが、教えてくれたのは、「虫プロ」にいた方でした。 ・まずシルエットが大事。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
じつはそれは、それまでのぼくのメカデザインにはなかったものでした(だって、学生だったし)。・・・というより、ぼくはメカをデザインすることにまったく興味はなかったのです。 ぼくにとってメカデザインとは、鉄腕アトムや鉄人28号から始まって、桑田次郎『エリート』に出てくるパワードスーツ。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
必要な機能から、形状を導き出していく、というもの。 あ、忘れてた。『禁断の惑星』のロボット、ロビーや、『宇宙家族ロビンソン』のフライデーもあった。 エンジン(モーター)やマニピュレーターを先に決めて、それを動かす動力を考える。昆虫の形みたいなものですね。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
しかし、仕事として初めて接したメカ論(それはアニメだった)は、ぼくのものとまったく違っていたのです。 違っているから、なかなか難しかった。しかしぼくの場合は、そこに宮武一貴がいた。きっとそのとき教えてくれたひとより、センスも技術もあるメカデザイナー。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
あ、また思い出したぞ。その人が最初に例に出したのが、『サンダーバード』だった。そしてそれが、『ゼロテスター』の基本コンセプトでもあった。『サンダーバード」をアニメでやりたい。 結局ぼくは、『ゼロテスター』では、テスター二号機の「変形」を考えただけで、あとは宮武と、
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
アニメーターとして参加していた村野守美さん(テスター2号機や宇宙服のデザインをしていた← アニメーターの発想で、僕らにはとても思いつかないようなシルエットだった。しかも、鉛筆で描いた描線が、驚くほど綺麗でシャープ。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
その次の仕事が、『宇宙戦艦ヤマト』。ヤマトはまず外形があり、中身をあとで詰めていく方式だったが、中身で最初から決まっていたのが、中心を波動砲が貫いていることだった。松本さんが描いた内部概念図を宮武が仕上げていく。内部配置を考えることは、そのメカの運用を考えること。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
パソコンのある部屋に帰ってきました。 ちょっと時間をさかのぼって。 子供の頃に考えたメカ(ツイートのあとで思い出しました)。 左が、H・G・ウェルズの『月世界最初の男』の原理で飛ぶメカ。 右は、第八光線の原理で、高速道路の少し上をぶっ飛んでいくメカ。 pic.twitter.com/RuWwFWqwdt
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加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
シルエットの話に戻ります。 それを教わる前は完全に、機能(アイデアだけで)デザインして提出したりしましたが(いまだと、小さな球体のロボットがいっぱい集まって連携するとか、運んで行った先でばらまく、みたいなの)でも、シルエット優先で考えたら酷いものしか出来上がらずに、すぐにボツに
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
今思うのは、優れたメカデザインはシルエットも優れている、でしょうね。 それがわかるのはだいぶ先で、ぼくはヤマトのあとは、SF小説のイラストや挿絵に登場するメカを描いたりしてました。でもイラスト仕事のときは見栄え優先、見える部分だけ。理屈やスペックはあとで松崎健一に考えてもらったり
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
松崎健一は、ガミラス戦艦をデザインした男です。のちに脚本家となり、ミノフスキー粒子の命名者としても有名になりましたが、最初は絵を描いていたのですよ。ヤマトの時はスタジオで発注があったらその場でデザインしてたりしてた(僕らはあとで知りました)らしい。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
真空を理解してないスタッフが描いた脚本の時は宇宙服のヘルメットの首の部分の隙間をなくしたり(隙間があると空気が漏れて死んじゃう)真空中のヤマトの甲板で乗組員がパーディーを開くコンテに、あわてて透明なドームをつけさせたりしたようです。その場で対策しないとそのまま放映されることになる
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
@ogurinpe 銀英伝は、帝国側はぼくが自分でデザインし、同盟側はぼくが原作のカバーで描いた戦艦を石津泰志さん(ヤマト2199や2202でガミラスなどを担当)にお願いしてアレンジしてもらいました。そして出来上がってきた旗艦『パトロクロス』(自分じゃ無理)を元に、ぼくはそれのバリエーションを作りました
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
@kitanagarokukou 松崎は学生のときからすごい読書量で、とくに少女漫画については(SFはたくさん読んでいることはまあ当然なので)、家には膨大な「少女漫画」のコミック本がありました。ぼくと宮武は松崎の家に泊まって、徹夜でその少女漫画を読み漁りました。当時の有名作品はほとんど網羅してたかも。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
さて、どこまで話したかのう・・・。(風呂から出た) そうじゃ、少女漫画の話じゃった。昔からわしは長い話が好きじゃった(生徒諸君、とか)。ずうっとその世界に浸っておれるからのう。SFも、最初にのめり込んだのがE・R・バローズの『火星シリーズ」11巻、イラストが武部本一郎さんで、イラストが
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
武部本一郎さんは、小松崎茂さんとそのお弟子さんたちとはちょっと違うセンスを持っていて、いまでいう真鍮が似合うメカをたくさん描いていたのね。ぼくはその影響をもろに受けていたから、松崎と宮武のセンス(それは2001年宇宙の旅の世界)を吸収することで、また別の方向に。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
さて、武部さんの描いたメカでぼくが一番好きなのが『火星のチェス人間』のカバーイラストに登場する個人乗りの飛行艇。 princess.ne.jp/~erb/mars-05s.… 武部さんは新し物好きで車にもこだわっていたそうな。 *武部さんが描いた美女も好きですが(ぼくが武部夫人から購入したのは『火星の交換頭脳』の原画
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
結局、自分が好きなものが絵に現れます。ぼくが好きなメカはたとえば、ビデオデッキのヘッド。プリンターの給紙機構(特に高額なものはすごく複雑)。ぼくはそれらを処分する時、ボルト一本まで分解してから捨てました。もちろんカメラやハードディスクも。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
我が家の最初の車はシティーターボ。ホンダのエンジンは車体の中に隙間なくぎっしり詰まっていますが後でターボを装備したらそれがボンネットの上にはみ出した...は、スカイホークという戦闘機が電装部品を追加したらそれがコクピットの後ろ背中部分にはみ出して初期型よりおもしろいシルエットにとか
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
宮武から教えてもらったんだけど、ジェット戦闘機は、主翼のところで断面積が増えて空気抵抗が大きくなるから、その分、胴体を絞って断面積の変化を滑らかにする。でも、その絞った部分にエアインテイクをつけてるから、その絞った形状が、外から見たシルエットではわからない、とか。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
ジェット戦闘機は、アメリカもソビエトも印象はそんなに変わらないけど、それはまず、空リキ特性などの外形を決めてから、後で中身を決めていくからだ、とか。ロシアのデザインの方が松本零士っぽくて色っぽい、とか。メッサーシュミットよりもフォッケウルフの方が好きだ、とかいろいろ宮武に教わった
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
でも、ぼくの興味は、実はそういったところにはない。武部さんの描くメカがどこまでも好きだったからだ。だからぼくは、宮武から教わったような知識が必要なデザインの仕事が来たら、宮武にデザインを頼んで(丸投げして)いたのだ(机が並んでいたからね)。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
逆に宮武のイラストの仕上げを手伝ったりもした。興味深いことに『点描』という技法では、 ぼくが点描で描くメカは少し柔らかく、松崎が描く点描の絵は緻密で、宮武が描く点描の絵は非常にシャープだった。それは日頃接しているメカの差でもあった。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
ヤマトの時、松本零士さんがデザインした『コスモガン』をぼくが清書することになったのだけど、出来上がった絵を見た松崎が、そのコスモガンは華奢すぎる、と言い、松崎が自分で仕上げることになった。松崎は銃にも詳しかった(ぼくが詳しいのは剣)。そして2種類のコスモガンが生まれることに。
加藤直之(スタジオぬえ) @NaoyukiKatoh
2019のヤマトでは、ぼくが最初に仕上げたコスモガンと、松崎があとで仕上げたコスモガンが、同じコスモガンだけど、型番(テイスト)が違うものとして、両方ともアニメで使われることになった。それが監督さんのこだわりかな。
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コメント

mogmog @mo9mogg 2018-07-21 14:50:39
宮武さんと言えば「さよならジュピター」の、プロならモジュール化という意味、下手したら誰も意味を見出さない凸凹デザイン、特にTOKYO-3 と思い起こすのですよ。それ以外の登場人物を見ても、ああ、ぬえって才能の塊なプロダクションだったなーと思うのですよ、はい。
聖夜 @say_ya 2018-07-21 17:34:30
お風呂で思い出しましたが松崎健一は脱がし魔としても有名で1stでもフラウミライセイラと全員入浴シーン(しかもセイラ以外はアムロに見られるイベント付き)を入れてましたね。重力制御装置のないWBでお風呂はさすがに無理があるだろうと思うのですが展望台のエピソードでなんとなく納得しました
飛鷹隼 @junhiyoh 2018-07-21 17:54:13
加藤さんのロングバレルと松崎さんのショートバレル両方理由付けてうまいこと劇中に登場させたぶっちゃんてやっぱその辺の配慮も巧いんだなぁ、と違う所で感心してこういうとこでもあのワガママ男との差異が際立つんだよなぁなどと
飛鷹隼 @junhiyoh 2018-07-21 17:57:17
そしてそう言えば第4世代以降の航空機だとエリアルールの絞り込みが目立たない(インテイク内部で処理してる)のは地味だけどけっこう大事な要素よね、これ エリアルールが外に見えるか見えないかで新しさ旧さがはっきり出てくる。あとは主翼低翼にして翼内引き込み脚にすると古臭さが出る(超音速ジェットは中翼/高翼の方が空力的に有利になるので脚柱が長くなる翼内引き込みではなく胴内引き込みが主流)とか
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2018-07-22 02:02:23
スタジオぬえとタツノコプロとダイナミックプロと光プロと石森プロが、うちのメカの原点。そこには、世間で持て囃される手塚の名前は、全く出て来ないのは、何故だと思うか??
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2018-07-22 02:10:38
見栄えも美しいメカは優れたメカである、これは、俺がEVAが嫌いな理由に通じる。先行者には、機能的美があるので、内部構造だけの存在でも格好良い。更に云うなら、俺が"醜い世界(犯罪者が主人公や弱者を虐待する等)"の作品が嫌いな理由に繋がる。
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2018-07-22 07:14:48
メカのデザインでは、最も大事なものが"美"。それは"成形美"もあれば、"造形美"もあるし、"機能美"もある。それすら持たないEVAは、唯の"生体兵器"でしかない。
空家の恵比寿様(aka ココロのポス) @ebcdic_ascii 2018-07-22 13:18:18
siu_long そりゃ手塚はそういうところで持て囃される人じゃないからでしょ
QuarrelBlue @QuarrelBlue 2018-07-22 13:31:27
シルエット優先と言えば、ウルトラ怪獣をはじめとする怪獣デザインの解説本で「優れた怪獣デザインの条件」の一つに「シルエットだけで見分けがつくこと」とあったのを見た記憶が。ウルトラシリーズのオープニングでしばしば怪獣のシルエット画像が使われたのはそれとの関係もあるんだろうか。
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