ジルベール・シモンドン『個体化の哲学』読書メモ集

ジルベール・シモンドン『個体化の哲学――形相と情報の概念を手がかりに』(法政大学出版局、藤井千佳世監訳、2018)の読書メモをまとめました。Gilbert Simondon, L'individuation à la lumière des notions de forme et d'information.
5
荒木優太 @arishima_takeo

今年の人文書最大の大目玉がついに来たぞ。 pic.twitter.com/wUWbUPAACm

2018-07-15 11:53:52
拡大
荒木優太 @arishima_takeo

目次。そして大目玉だと叱られ案件だった件について。 pic.twitter.com/fh7eoRp4Ys

2018-07-15 11:59:30
拡大
拡大
拡大
拡大
荒木優太 @arishima_takeo

metastableは「準安定的」、transductionは「転導」で訳すようだ。

2018-07-15 12:05:41
荒木優太 @arishima_takeo

「転導は存在と思考という二重の次元に従うものであり、転導によって生じる諸項にとってまったく外的でないことを示す」(ガレリ「ジルベール・シモンドンの問題設定への手引き」)。内的共鳴は演繹とか帰納とかでは生じない、と理解してもいいのだろうか。

2018-07-15 12:21:27
荒木優太 @arishima_takeo

「知が個性化する運動であり、存在の運動でもある転導は、準安定的な系のエネルギー放出と連帯して形をなすのであり、一性とも同一性とも異なるものとして現れる」(ガレリ)。それな。

2018-07-15 12:23:18
荒木優太 @arishima_takeo

transductionとabduction(Peirce)って論文があったら面白そう。

2018-07-15 12:25:42
荒木優太 @arishima_takeo

シモンドン。realite, existence, substance。この辺の訳し分けがウゼーとか思った記憶。最後のは「実体」で固定でいいが、前者二者は悩ましい。「実在論」も混乱する言葉だったと思うけど原語なんだっけ。

2018-07-15 12:46:44
荒木優太 @arishima_takeo

「というのも、個体化は、前個体的なリアリティのポテンシャルを一挙に汲み尽くすのではないからであり、また他方で、個体化が出現させるものは単に個体だけでなく、個体‐場の対であるからである」(シモンドン『個体化の哲学』)。そうだね。

2018-07-15 12:50:46
荒木優太 @arishima_takeo

transductionは完全なる解決に至らず残余を残す。これはabductionの仮説形成、完全なる解決ではなく仮固定での進行と共鳴しているようにみえるのだが。

2018-07-15 12:55:49
荒木優太 @arishima_takeo

dephaserは「重位相化」と訳すようだ。

2018-07-15 13:04:37
荒木優太 @arishima_takeo

個体化の真の原理は、大きさのオーダーの間のコミュニケーションであり、安定化である。byシモンドン『個体化の哲学』

2018-07-15 13:44:39
荒木優太 @arishima_takeo

「生命体には、内的反響のより完全な体制があり、この内的反響が永続的コミュニケーションを要求し生命の条件である準安定性を維持する」(シモンドン『個体化の哲学』12p)。内的反響とフィードバックの違いについて。

2018-07-15 13:49:10
荒木優太 @arishima_takeo

ん、もしかしてuniteを「一性」と訳しているのか? (これも処理が難しい…統一性か単位か…もうユニットでもいい気さえする)

2018-07-15 13:56:37
荒木優太 @arishima_takeo

ある概念はア・プリオリでもア・ポステリオリでもなくア・プラエセンティ〔只中に〕である。なぜならそれは個体よりも大きなものと、それより小さなものの間の情報的かつ相互的コミュニケーションであるからである。byシモンドン『個体化の哲学』19p

2018-07-15 13:59:59
荒木優太 @arishima_takeo

われわれが転導ということで意味するのは、物理的、生物的、精神的、社会的な操作であり、この操作によってある活動性は、領域の内部に少しずつ広がり、この活動性の拡大は、ところどころに働きかけられる領域の構造化に基づいて進む。byシモンドン『個体化の哲学』22p

2018-07-15 14:37:27
荒木優太 @arishima_takeo

「転導は精神の歩みであるだけでなく、直観でもある。というのも、転導は、構造を、提起された問題に解決をもたらすものとして問題設定の領域に現すものであるからである」(シモンドン『個体化の哲学』24p)。うーむ、やっぱりアブダクションと通じ合う概念な気がするな。

2018-07-15 14:42:20
荒木優太 @arishima_takeo

帰納は、各例示(項)に共通のものを取り出そうと齷齪するために特異なものを切り捨てて済ます。反対に転導は、特異から特異へと次元を超えて(次元を発見して)コミュニケーションさせる。アブダクションもまた「コレってアレじゃね?」「なんか似てる」という直観で一見関係ないもの同士を結ぶ。

2018-07-15 14:46:36
荒木優太 @arishima_takeo

転導は、その操作の結果が最初の諸項をすべて含む具体的な織物であるという事実によって特徴づけられる。byシモンドン『個体化の哲学』25p

2018-07-15 14:48:38
荒木優太 @arishima_takeo

「あらゆる精錬過程よりも前に沼地のなかで粘土はすでに形相としてある。というのも粘土は〔沼地のなかで〕すでにコロイド状だからである」(シモンドン『個体化の哲学』38p)。形相質料図式批判。粘土+型=煉瓦。が、粘土それ自体がもっている形相性が既にあるじゃん、と。

2018-07-15 15:20:21
荒木優太 @arishima_takeo

共鳴とは一定の囲いのなかでエネルギーと運動を交換することであり、位相的には確定されている中間的な次元の特異性においてミクロ物理的な質料とマクロ物理的なエネルギーを互いに伝達することである。byシモンドン『個体化の哲学』46p

2018-07-15 15:29:11
荒木優太 @arishima_takeo

操作は特異性を包摂し、特異性を増幅させるのである。byシモンドン『個体化の哲学』51p

2018-07-15 15:46:45
荒木優太 @arishima_takeo

「シモンドンにおいて「操作」の対義語とされるのは「構造」である」(訳注)。これは初めて知った。

2018-07-15 15:48:32
荒木優太 @arishima_takeo

「個体化するものと個体化されるものは、生命体においては、延長されたアラグマティックな関係はある瞬間にのみ存在する」(シモンドン『個体化の哲学』52p)。アラグマティックってなに?

2018-07-15 17:42:03
荒木優太 @arishima_takeo

荒熊ティック…ではないな。

2018-07-15 17:42:49
荒木優太 @arishima_takeo

「質料形相図式が第一に反映しているのは、労働の社会化された表象であり、また個体的生物の同じく社会化された表象なのである」(シモンドン)。ここ面白い。自由人(形相)にとって奴隷が扱う質料は、未規定な受動的素材のようにみえるが、奴隷は素材そのものに内在する形相性を知っている。

2018-07-15 17:51:03
1 ・・ 4 次へ