[R-18]魔女シリーズ10~身長2mの髭面ショタが美女の逆アナル責めに完堕ちする話・上巻

燈の魔女ヴェヴェことヴェルヴェルーチと尚武のロックこと紫電改のロックの物語 ほかのお話は以下 魔女シリーズ一覧 続きを読む
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帽子男 @alkali_acid

翁は何かをこそげとるようにこすると、綿棒を清潔な粗布の袋に収めた。 「…さてと、しばらくはおとなしくしてくれんか」 「ぬん。約束はできぬでござるな」 「そうか。だがこの森の生きとし生けるものは、あんたを見張っておるし、知らないものには迷宮のような場所だ。気を付けてな」

2018-08-21 21:38:09
帽子男 @alkali_acid

忠告を残して老爺が去ると、しばらくまぶたを閉じていたロックは周囲から人の気配がなくなったとみるやむくりと葉の褥(しとね)から起き上がり、手傷など何でもないかのように、隆々たる筋骨を動かして、駆け始めた。

2018-08-21 21:39:35
帽子男 @alkali_acid

「紫電…紫電…我が半身よいずこ…」 武具であり乗物である巨大な人型に心中で呼びかけるが、周囲の木々の発する瘴気が邪魔をするようでうまく応答が得られない。 走っていると、いきなり枝が一本、鼻を叩いて来る。 「ぬん!」 痛みもかまわずさらに直進する。次いで根が足にかかる。

2018-08-21 21:41:16
帽子男 @alkali_acid

「ぬんぬん!」 ひきちぎってさらに馳せる。 猛禽が頭上を脅かし、山猫がそばで脅すように鳴くが、兵士はいっさい構わずひたすら活路を開くため吶喊(とっかん)する。 「ぬーん!!」 森の何物も、神仙のつわものを止められないようだった。

2018-08-21 21:42:50
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 最初に手当を受けていた場所からほど近い叢のそばで、逞しい巨躯が大の字になっておおいびきをかいていた。 みずみずしく若い肢体と萎びた老躯がそろって見ろしている。 「信じられない…半日も同じところをぐるぐる回ってたわけ?」 「うむ…」

2018-08-21 21:44:49
帽子男 @alkali_acid

「ほとんど休まず?」 「うむ…」 「神仙てみんなバカなの?」 「そうとも限らん。こやつは、逃げられぬよう木々が動いて道筋を変えるのを悟っていた。ただ気にしていなかっただけだ」 「どういうこと」 「あるいは繰り返し走るうちに、木々の並び変えのくせを読み、脱出の糸口を得ようと」 「ない」

2018-08-21 21:47:23
帽子男 @alkali_acid

ヴェヴェは、角燈を振ってから、髭面を裸の爪先で蹴りつける。 「こいつは見た目どおりのバカだよ。問題はそんなバカがどうして…あんな…ひどいことができたかってとこ。何かわかった、先生」 「うむ…こやつは…神仙には違いない…だが…何というかな、急ごしらえだ」 「急ごしらえ?」

2018-08-21 21:49:00
帽子男 @alkali_acid

先生と呼ばれた方は頭を掻く。 「体が…できたばかりだ…とても若い…というか幼い…まるで…早生(わせ)の菜や果を作るかのような」 「分かりやすく言ってよ」 「子供なのだ」 「えーどこが?」 「心も、体も。骨も筋も、本来の太さや大きさではない。無理矢理育てたのだ」

2018-08-21 21:51:05
帽子男 @alkali_acid

美女は形のよい眉をひそめる。 「なぜ…そんなことを」 翁はしわんだ口をすぼめる。 「わしの考えは、話すと少し長くなるが」 「いいよ。大事なことでしょ」 「うむ…神仙…いや神仙と名乗るようになった連中は、元は常人だったのは知っているな」 「知ってるよ」

2018-08-21 21:53:33
帽子男 @alkali_acid

「神仙は、もとは王侯や貴族という、常人の中でも身分の高いものどもだった。かつては東方とをつなぐ交易路、“絹の道”を通って伝わってきた珍しい品々によって財を増し、富を競っていた」

2018-08-21 21:56:08
帽子男 @alkali_acid

「だが王侯貴族は、東方との商いによって宝を得るだけでは飽き足らず、自らの手で遠来の品を模倣し、作り出そうとした。美しい青や白の磁器や、やわらかな絹などをな…そのために招かれた学者は、東方の書や薬を調べるうち、不老不死を求める考えを見出した」

2018-08-21 21:58:29
帽子男 @alkali_acid

「それは煉丹とか金丹とか…命の水とか…ふかしぎな薬を調合して、飲み続けるうちに、心身が清らかで健やかになり、老いや病から解き放たれるという考えだった」 「ふん。魔女の教えのまがいもの」 「かもしれん。だが学者が王侯貴族にこの不老長生の道を教えると、たちまち皆が夢中になった」

2018-08-21 22:01:32
帽子男 @alkali_acid

「ところが、いくら探しても、丹薬の材料はつきとめられなかった。東方においても、それは見つかっていなかったという…そこで王侯貴族は領内に住む魔女に眼をつけた…魔女も不老長生の秘密を握っているといううわさは昔からあった…王侯貴族は魔女を狩り立てた」

2018-08-21 22:03:22
帽子男 @alkali_acid

「そんなの全部知ってるよ!」 「がまんして聞いてもらえるかの。王侯貴族は、学者に魔女の体を調べさせ、四元の民と呼ぶ異種と絆を結ぶことで、力を得ているのを解き明かした」 「…うん…」 「四元の民は、まず樹精。地魔とも、人参樹とも、樹人とも言う…姫さんのお父上の一族」

2018-08-21 22:06:24
帽子男 @alkali_acid

「樹精は動くことができなかったのでまっさきに薬の材料になった」 「分かってるから…早くして」 「次に火妖。炎魔とも火蜥蜴とも、蜥人とも言う…我等が将軍、赤烈火グラウルドの一族。勇ましく強かった」 「…あいつの話は…もう…いいよ」 「うむ。続いて風魔。天魔とも鳥人とも…」

2018-08-21 22:09:07
帽子男 @alkali_acid

「我等が将軍、黒旋風ハインスカルの一族、でしょ…どっちももういない」 「さよう…最後に海霊。海魔とも水母人とも」 「あたし達が同盟を持ちかけたのに、拒んだ憶病もの達だよ」 「…むこうにはむこうの事情があると、姫さんのお母上はおっしゃっていたと思うがの」 「…っ知らない」

2018-08-21 22:11:22
帽子男 @alkali_acid

「樹精を除く風魔、火妖、海霊はきわめて強勢で、常人にまともに太刀打ちはできなかったが、しかし弱点はあった…いずれも戎牙、あるいは獣人という毛深い一族とは戦うことができぬという」 「だからまず獣人を襲って家畜にした」 「その通り」 「先生が教えてくれたことでしょ。おさらい?」

2018-08-21 22:13:16
帽子男 @alkali_acid

ヴェヴェのいらいらした問いかけに、師は苦笑いを返す。 「まあの。獣人も剽悍ではあったが、四元の民ほどではなかった。東方の薬と拷問で家畜とした獣人を操り、四元の民の力を封じて少しずつかどわかし、丹薬の材料にすると、常人の王侯貴族はしだいに魔女にも劣らぬ存在になった」

2018-08-21 22:16:32
帽子男 @alkali_acid

「それが神仙。あたし達を食用人種とか労役人種とか呼んで好きなだけ搾り取ろうとしている。だから?」 「うむ。神仙は、かほど面倒な術策を弄するほどに不老長生に憑りつかれておる…理由は分からぬが…そのありようを守るためなら…さらに面倒な手も打とう」 「それが、このでかぶつってわけ?」

2018-08-21 22:20:04
帽子男 @alkali_acid

翁はしんどそうにあぐらをかいて、眠りこける髭面をじっくり眺める。 「さよう。尚武…さしづめ戦闘人種というところかの。神仙が作り出した新たな種…不老長生…すなわち加齢をとどめる技があるのであれば、逆に加齢をはやめる技もあろう…確かに丹薬をそそがれ、内功はあるが…」

2018-08-21 22:23:15
帽子男 @alkali_acid

「闘い以外のことは教えられておらぬようだ…恐らく敵に捕まっても神仙の知識を奪われぬようにだろう。使い捨てよな。神仙の一種には違いないが」 「こんな奴等がこれからどんどん増えるの」 「さて。ムンザ王…姫さんのお父上が敵のしかけた爆発を抑えようとして二つに裂けた際に最後に放った地津波」

2018-08-21 22:26:17
帽子男 @alkali_acid

若き魔女が狭い肩を震わせる。 「お父様…」 わずかに間をおいて、老師はまた頼む。 「あれで神仙の領土がどうなったか…もう一度見せてくれんかね。姫さんの術で」

2018-08-21 22:27:29
帽子男 @alkali_acid

ヴェヴェは片眉を上げてから、角燈をかかげて光の線で図を描く。 森と平野、砂漠、耕地や川、湖などの鳥観図があらわれる。 「いつみてもすばらしい。これはどうやってうつしとったのだね」 「あたしとなかよしの疾風鷲の見た景色をつなぎあわせてるの」 「見事なものだわい」

2018-08-21 22:29:43
帽子男 @alkali_acid

森の中心で閃光がほとばしったかと思うと、全体が波うち、次いで木々がまるで触手のようにうごめき、伸びていって、平野や耕地に侵入を開始する。 何本もの緑の筋が並んで縦深(たてふか)く、神仙の支配する常人の国々を冒(おか)し、寸断していく。火にも鋼にも止めようがなかった。

2018-08-21 22:31:46
帽子男 @alkali_acid

「まさに地図を塗り替えるがごとき偉業だ…ムンザ王…緑深森の怒り…かつての都にまで達しておるな。地上から天の高みにある仙境に通じる階梯(きはざし)とも言われる八百万重(やおおろずがさね)の塔にまで蔦がからみついて」

2018-08-21 22:33:18
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