「あなたはジャックですか」「いいえ馬です」

0
uroak_miku @Uroak_Miku

第四部は敬語論からスタート。 「お召しになる」「祝い品をいただく」等は「タテの敬語」。 「食べます」「もらいます」等は「ヨコの敬語」。 ミンシュシュギに目覚めた自称・新生ジャパンは、「ヨコの敬語」をミンシュシュギのシンボルと考えた。 小学校の児童会、中学校の生徒会の基軸言語に。

2018-09-09 09:22:05
uroak_miku @Uroak_Miku

それからもうひとつ。英語が入ってきた。 ミンシュシュギを学ぶための第一歩として。 ゆえに戦勝国さまのミドルスクールが物語の舞台となった。 pic.twitter.com/yfZFfY4JSP

2018-09-09 09:24:11
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

ちなみに英語は必修教科ではなかった。外国語科は選択制だった。選択といっても学校側が選ぶのだけど。

2018-09-09 09:25:26
uroak_miku @Uroak_Miku

義務教育が、自称・新生日本では3年延長された。つまり今の中学校が始まった。 外国語教育は中学校の基本。 といって「なんで英語やるの?」という素朴な疑問はぬぐえなかった。 それで選択科目という建前をとった。 強制やないよ、と。

2018-09-09 09:27:39
uroak_miku @Uroak_Miku

それでもなお「なんで英語やるの?」攻撃は続いた。 そこに『ジャック&ベティ』が舞い降りた。 社会科の勉強になるぞ、ミンシュシュギも学べるぞ。 英語の事実上の必修化が、こう正当化された。

2018-09-09 09:29:02
uroak_miku @Uroak_Miku

今の中学英語教科書が、ミョーに地理ネタをはさんできたり人権運動家をフィーチャーしたりするのは、この名残ですね。名残というか進化形。教科書売込みの際の強力なセールスポイント。 pic.twitter.com/CyVYQvcac2

2018-09-09 09:31:17
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

そこにさらに重なってきたのが「ヨコの敬語」。 児童会や生徒会や学級会(いずれも敗戦後にアメリカから輸入された)での公用語として広まった。 これが『ジャック&ベティ』の訳読に転用されて…

2018-09-09 09:34:22
uroak_miku @Uroak_Miku

「あなたはベティですか」「はい、わたしはベティです」「あなたはいくつですか」「わたしは12です」 こういうシュールな訳読会話体が誕生した。

2018-09-09 09:35:22
uroak_miku @Uroak_Miku

教科書編纂チームはこういう事態を想定していなかった。 「I am a boy.」「You are a girl.」などの基礎の基礎から、順に階段を上っていくようにして英会話を(訳読をしないで)身に着けていける、そういう教科書を目指していたことは、当時のチームの回想録からもよくわかる。

2018-09-09 09:37:34
uroak_miku @Uroak_Miku

しかし、階段を順に上がっていくのと、自然な会話の両立は難しいわけです。 「あなたはジャックですか」「いいえ、わたしはジャックではありません」 こんな会話するか!とツッコミされて反論はできない。

2018-09-09 09:39:06
uroak_miku @Uroak_Miku

この理想と現実の裂け目を「ヨコの敬語」が補っていった。 児童会や生徒会や学級会といった、タテマエの世界の言語ゆえに、つじつま合わせはお手のものだった。

2018-09-09 09:40:22
uroak_miku @Uroak_Miku

その場しのぎの会話にはうってつけだった。

2018-09-09 09:40:54
uroak_miku @Uroak_Miku

こんな感じに、ニホンジンの英語発生の温床を調査していくと、面白いです。 英語教育学系の学者さんたちがどれほど欺瞞の塀の上を、おそるおそる歩いているかが、赤外線スコープで眺めるように明瞭につかめる。

2018-09-09 09:45:20